北朝鮮、飛翔体発射(3月29日)
29日6時30分頃、北朝鮮が飛翔体を2発発射した。今年に入って4度目(いずれも3月)の発射である。
東部の元山付近から発射したものとみられ、飛行距離は220㌔、高度は30㌔と見られる。河野防衛大臣は短距離弾道ミサイルとみられる、と発表した。
3月に入って北朝鮮がミサイルの発射を繰り返しているのはなぜか。国際的な関心を引き戻そうとして、あるいは国内の引き締めのためということの他に、ミサイルの実戦配備が近いことから、訓練が急ピッチで行われているものと思われる。...
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29日6時30分頃、北朝鮮が飛翔体を2発発射した。今年に入って4度目(いずれも3月)の発射である。
東部の元山付近から発射したものとみられ、飛行距離は220㌔、高度は30㌔と見られる。河野防衛大臣は短距離弾道ミサイルとみられる、と発表した。
3月に入って北朝鮮がミサイルの発射を繰り返しているのはなぜか。国際的な関心を引き戻そうとして、あるいは国内の引き締めのためということの他に、ミサイルの実戦配備が近いことから、訓練が急ピッチで行われているものと思われる。あるいは北朝鮮の軍隊の中で、実際にはコロナウィルスが発生していたとも伝えられており、しばらく訓練が行えなかったために訓練を急いでいる可能性もある。さらにコロナウィルスを恐れて脱走兵が増えたともいわれており、その綱紀粛正のためとも考えられる。
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1-2月の北朝鮮の対中輸出71.9%減(3月26日)
中国の通関統計によると2020年1-2月の中国の北朝鮮からの輸入(北朝鮮の対中輸出)は前年同期と比べて71.9%(1,067万㌦)との大幅な減少となった。中国の対朝輸出(北朝鮮の対中輸入)は23.2%減(1億9,739万㌦)であった。中国の貿易全体では、輸出17.2%減、輸入4.0%減であったことからすると、中朝貿易の減少幅は一段と高く、中国のコロナウィルス対策が原因というよりは、北朝鮮の問題ということになる。...
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中国の通関統計によると2020年1-2月の中国の北朝鮮からの輸入(北朝鮮の対中輸出)は前年同期と比べて71.9%(1,067万㌦)との大幅な減少となった。中国の対朝輸出(北朝鮮の対中輸入)は23.2%減(1億9,739万㌦)であった。中国の貿易全体では、輸出17.2%減、輸入4.0%減であったことからすると、中朝貿易の減少幅は一段と高く、中国のコロナウィルス対策が原因というよりは、北朝鮮の問題ということになる。
2017年下半期から中国が北朝鮮への経済制裁を本格化しだしたことから、中朝貿易は大幅に減少していたが、2020年はコロナウィルスの封じ込めのために1月末に北朝鮮が国境を完全に封鎖したことから、北朝鮮の輸出が一段と減少した。
もっとも減少率でみると、2017年下半期から制裁が本格化しだしたこともあって、2018年1-2月の北朝鮮の対中輸出は85.4%もの大幅な減少となっていた。
また北朝鮮の中国からの輸入は2019年には15.6%と若干回復していたが、輸出は低水準のところからさらに19年年間で5.1%減少しており、中国は制裁を緩和していなかったことになる。
北朝鮮の対中輸出では2018年以降、制裁の対象でない時計や羽毛、つけまつげなどが上位品目になっていたが、コロナウィルス対策のためにこれらの製品を製造する北朝鮮の工場が稼働していなかったのか、中国から時計の部品が輸入されなかったことから、組み立て加工を行えなかった可能性もある。
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トランプ、北朝鮮への親書送付認める(3月24日)
22日、トランプ大統領はホワイトハウスで、金正恩委員長に、新型コロナウィルスの防疫協力を表明する親書を送ったことを認めた。
22日に北朝鮮の金与正党第一副部長が、トランプ大統領から金正恩委員長宛ての親書が届いた旨の談話を発表していた。
トランプ大統領は「もし彼らが助けを必要とするなら、我々は彼らを助ける」と述べたが、彼らには、北朝鮮の他にイランやその他の国家が含まれている。現在新型コロナウィルスはすでに140か国に拡散しており、米国の援助が必要な国に協力していく、とトランプ大統領は述べていた。...
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22日、トランプ大統領はホワイトハウスで、金正恩委員長に、新型コロナウィルスの防疫協力を表明する親書を送ったことを認めた。
22日に北朝鮮の金与正党第一副部長が、トランプ大統領から金正恩委員長宛ての親書が届いた旨の談話を発表していた。
トランプ大統領は「もし彼らが助けを必要とするなら、我々は彼らを助ける」と述べたが、彼らには、北朝鮮の他にイランやその他の国家が含まれている。現在新型コロナウィルスはすでに140か国に拡散しており、米国の援助が必要な国に協力していく、とトランプ大統領は述べていた。
コロナウィルスの感染者がいないと言っている北朝鮮が、米国の申し出を受けるかどうかはわからない。ただ韓国の援助は受けたくないが、米国の援助ならば可能ということもあり得よう。
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金正恩、戦術誘導兵器の試射視察(3月23日)
21日行なわれた戦術誘導兵器の模範試射を金正恩委員長が視察していた。22日の『朝鮮中央通信』が伝えたもの。
報道によれば、模範試射は人民軍部隊に引き渡される兵器システムの戦術的特性と威力を実証した。金正恩委員長が発射の号令をかけ、目標の島に命中した。金正恩委員長は、我が国が開発した新型の兵器系統と開発されつつある戦術および戦略兵器は、我が国の国防戦略に重大な作用を発揮させるだろうと述べ、さらに「いかなる敵であれ、もしも我が国に対する軍事行動をあえて企てようとするならば、領土外で掃滅できる打撃力をよりしっかり打ち固めなければならない」として、それこそが信じられる戦争抑止力だ、と語った。...
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21日行なわれた戦術誘導兵器の模範試射を金正恩委員長が視察していた。22日の『朝鮮中央通信』が伝えたもの。
報道によれば、模範試射は人民軍部隊に引き渡される兵器システムの戦術的特性と威力を実証した。金正恩委員長が発射の号令をかけ、目標の島に命中した。金正恩委員長は、我が国が開発した新型の兵器系統と開発されつつある戦術および戦略兵器は、我が国の国防戦略に重大な作用を発揮させるだろうと述べ、さらに「いかなる敵であれ、もしも我が国に対する軍事行動をあえて企てようとするならば、領土外で掃滅できる打撃力をよりしっかり打ち固めなければならない」として、それこそが信じられる戦争抑止力だ、と語った。
模範射撃が「各人民軍部隊に引き渡される」ために行われたということは、近くこの戦術誘導兵器が実戦配備がなされるものと思われる。
なお韓国軍によれば、平安北道から発射された2発の飛翔体の飛行距離は410㌔で、最大高度は50㌔であった。
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トランプ大統領、金正恩委員長に親書送る(3月22日)
22日の朝鮮中央通信は、金正恩委員長にトランプ大統領からの親書が届いたことを、金正恩委員長の妹の金与正党第一副部長が語ったことを報じた。
報道によると、トランプ大統領は、金正恩委員長がトランプ大統領からの誕生日カードを受け取ったことを喜んでおり、金正恩委員長と朝鮮人民の安寧を願うと記されていたという。さらに親書のなかでは、米朝両国関係を推進するための構想と、金正恩委員長が新型コロナウィルスから自国民を守っているが、さらなる防疫体制の強化のために米国が協力する用意があることが述べられていた。...
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22日の朝鮮中央通信は、金正恩委員長にトランプ大統領からの親書が届いたことを、金正恩委員長の妹の金与正党第一副部長が語ったことを報じた。
報道によると、トランプ大統領は、金正恩委員長がトランプ大統領からの誕生日カードを受け取ったことを喜んでおり、金正恩委員長と朝鮮人民の安寧を願うと記されていたという。さらに親書のなかでは、米朝両国関係を推進するための構想と、金正恩委員長が新型コロナウィルスから自国民を守っているが、さらなる防疫体制の強化のために米国が協力する用意があることが述べられていた。
また親書では、金正恩委員長との個人的な関係は良いものの、最近は頻繁には連絡がとれておらず、金正恩委員長との緊密な関係を継続していきたいと願っていると述べられていた。
これについて金与正副部長は、難局に臨んでいるこのような時期に、米国大統領から再び親書が届いたことは、トランプ大統領の金正恩委員長との良好な関係を継続していこうという意思であり、正しい判断であり、積極的な行動で、称賛に値すると評価している。さらに金正恩委員長自身もトランプ大統領との個人的な特別の関係を重視しており、トランプ大統領の親書に感謝している、と述べたという。
金与正副部長は、両国首脳の個人的な関係を評価したものの、個人的な関係だけでは朝米関係は期待できないとし、客観的、道義的にいって公平と公正が保たれなければ、朝米関係は進展することはないだろう、とも語った。
記事には金正恩委員長が親書をいつ受け取ったかは書かれていないが、今月2日と9日の北朝鮮のロケット砲の発射の後であれば、北朝鮮の米国を振り向かせたいという目論見がかなったことになる。
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