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二転三転する米朝首脳会談:中国の見方(5月28日)
北朝鮮の強硬な態度やトランプ大統領の中止宣言など、一時は危ぶまれていた米朝首脳会談は開催される可能性が高くなった。米朝間の実務交渉が板門店で開催されるまでになった。非核化の方法やスピードをめぐって、どの程度両国の非核化に対する溝が深いことから、この溝が埋まるかの懸念は残っているし、双方が都合の良い解釈をする余地を残さない交渉が望まれる。
一時は北朝鮮の態度硬化の裏の仕掛人と名指しされた中国はこの事態をどう見ているか。...
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北朝鮮の強硬な態度やトランプ大統領の中止宣言など、一時は危ぶまれていた米朝首脳会談は開催される可能性が高くなった。米朝間の実務交渉が板門店で開催されるまでになった。非核化の方法やスピードをめぐって、どの程度両国の非核化に対する溝が深いことから、この溝が埋まるかの懸念は残っているし、双方が都合の良い解釈をする余地を残さない交渉が望まれる。
一時は北朝鮮の態度硬化の裏の仕掛人と名指しされた中国はこの事態をどう見ているか。5月28日の「環球時報」はその社説で、「米朝首脳会談で一定の成果を出す確率が高くなった」と見ている。北朝鮮は非核化の意思を後退させておらず、国家の重点工作は経済に移ったとしている。米朝首脳会談で非核化の目標を具体化し、非核化の枠組みやロードマップを示すことが朝鮮半島の非核化の長い道のりの一歩になるとしている。この社説のなかでは、北朝鮮がこれまで強く主張し、中国も米国に要求していた「段階的」な非核化の文字はない。もちろん一括して先に非核化する、との文言もないが、どこまで非核化のスピードを遅くできるか、非核化の実効性をどのように示すかを探っている段階であるとも見える。
それとともに同社説で垣間見えるのは、米国が北朝鮮に対し強圧をふるうのではないかという懸念である。「米国は圧倒的に優勢なのだから、北朝鮮の安全を尊重しなければならない、圧力をかけすぎると北朝鮮が核ミサイルを突破口とすると考えるかもしれない。」とも懸念し、米国が圧力をかけたすぎれば米朝首脳会談では成功できないだろうとしている。
中国も韓国も北朝鮮の隣国として、米朝首脳会談の成功を望んでいるのである。
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米国代表団・北朝鮮入り・首脳会談開催へ協議(5月28日)
トランプ大統領はツイッターに“米国政府の代表団がキム委員長との首脳会談に向けた調整のため北朝鮮に到着した”と書きこみ、核放棄すれば経済的に豊かになるとの考えを示唆した。
ワシントンポストによると、北朝鮮を訪問したのは北朝鮮問題担当の特別代表などを歴任したソンキム駐フィリピン大使が率いる一行。北朝鮮外務省・チェソニ外務次官らとパンムンジョムの北朝鮮側施設で会談する予定である。
おとといの南北首脳会談で金正恩朝鮮労働党委員長は完全な非核化の意思を明確にした上で、米朝首脳会談の開催に強い意欲を示した。...
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トランプ大統領はツイッターに“米国政府の代表団がキム委員長との首脳会談に向けた調整のため北朝鮮に到着した”と書きこみ、核放棄すれば経済的に豊かになるとの考えを示唆した。
ワシントンポストによると、北朝鮮を訪問したのは北朝鮮問題担当の特別代表などを歴任したソンキム駐フィリピン大使が率いる一行。北朝鮮外務省・チェソニ外務次官らとパンムンジョムの北朝鮮側施設で会談する予定である。
おとといの南北首脳会談で金正恩朝鮮労働党委員長は完全な非核化の意思を明確にした上で、米朝首脳会談の開催に強い意欲を示した。
最大の焦点となる北朝鮮の非核化については、米朝の立場の違いが浮き彫りになっている。
トランプ政権内には、首脳会談を開催しても成果が得られるのか懐疑的な見方もある。
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南北首脳会談再び(5月27日)
4月26日午後3時、文在寅大統領が板門店の北朝鮮の統一閣を訪れ、金正恩委員長と会談した。直前に訪米した文在寅大統領の隣で、トランプ大統領が米朝首脳会談の中止をにおわす発言をするという事態から、再び米朝の仲介者の役割を担うことになった。
一連の文在寅大統領の動きに対し、韓国国内では、南北関係だけよくなればよいのか、という批判はあるものの、とりあえず、南北閣僚会議の開催も決められ、南北朝鮮関係の正常化は図られた。...
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4月26日午後3時、文在寅大統領が板門店の北朝鮮の統一閣を訪れ、金正恩委員長と会談した。直前に訪米した文在寅大統領の隣で、トランプ大統領が米朝首脳会談の中止をにおわす発言をするという事態から、再び米朝の仲介者の役割を担うことになった。
一連の文在寅大統領の動きに対し、韓国国内では、南北関係だけよくなればよいのか、という批判はあるものの、とりあえず、南北閣僚会議の開催も決められ、南北朝鮮関係の正常化は図られた。米朝首脳会談もうまく開催されるという確証も得たことだろう。トランプ大統領はこの事態を受け、今週末のシンガポールへの先遣団の派遣を予定通りに行うとしており、6月12日の米朝首脳会談の予定通りに開催することの準備をしている。
金正恩委員長はトランプ大統領相手に揺さぶりは難しいと思い知ったのか。
金正恩委員長はこれまでの手段は使えないのはわかったが、トランプ大統領が、金桂寛第一外務次官の声明をきいて、すぐに米朝首脳会談の中止の撤回をほのめかしたことからすれば、トランプ大統領こそ米朝首脳会談の開催をしたがっている、中止が虚勢だったと感じているかもしれない。米朝首脳会談の席上では、トランプ大統領のプライドをくすぐって、北朝鮮に有利な落としどころをみつけることが可能だと思っている可能性もある。
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南北首脳・2度目の会談・北朝鮮“米朝会談に確固たる意志”(5月27日)
史上初の米朝首脳会談は開催されるのか、米朝の駆け引きが続く中、韓国・文在寅大統領と北朝鮮・金正恩朝鮮労働党委員長が突然会談した。先月27日以来、2度目となる。
両首脳は先月の南北首脳会談で合意した共同宣言の履行を史上初の米朝首脳会談の開催に向けて、虚心たん懐に意見を交わしたという。
文大統領は今月22日に米国で行ったトランプ大統領との首脳会談で議論し、北朝鮮が非核化に応じた場合に与える体制の保証の具体的な方法や、経済的な見返りなどについて伝えたとみられる。...
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史上初の米朝首脳会談は開催されるのか、米朝の駆け引きが続く中、韓国・文在寅大統領と北朝鮮・金正恩朝鮮労働党委員長が突然会談した。先月27日以来、2度目となる。
両首脳は先月の南北首脳会談で合意した共同宣言の履行を史上初の米朝首脳会談の開催に向けて、虚心たん懐に意見を交わしたという。
文大統領は今月22日に米国で行ったトランプ大統領との首脳会談で議論し、北朝鮮が非核化に応じた場合に与える体制の保証の具体的な方法や、経済的な見返りなどについて伝えたとみられる。
北朝鮮の国営メディアは、先ほど「会談で金委員長は、米朝首脳会談に対する確固たる意志を表明した」と伝えた。
また、来月1日に南北の高位級会談を開催することで双方が合意したという。
韓国大統領府は、きょう午前10時から文大統領が記者会見を開いて、自ら内容を発表するとしている。
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北朝鮮は実をとり、米国は形をとる(5月26日)
(トランプ大統領・米朝首脳会談中止発表も再調整に含みを持たせる)
トランプ大統領は25日、会見を開き「最近の北朝鮮の怒りと敵意をむき出しにした状態では米朝首脳会談を行うことは適切ではない」と述べ、6月12日に行われる予定の米朝首脳会談の中止を表明した後、間髪入れずに今度は北朝鮮・金桂官第1外務次官が「いつでも米国と向き合い、問題を解決していく用意がある」などとした談話を発表した。今度はトランプ大統領がこの対応を高評価し、「来月12日の会談を(予定通りに)行う可能性もある」と述べるなど、事態はめまぐるしい展開を見せている。...
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(トランプ大統領・米朝首脳会談中止発表も再調整に含みを持たせる)
トランプ大統領は25日、会見を開き「最近の北朝鮮の怒りと敵意をむき出しにした状態では米朝首脳会談を行うことは適切ではない」と述べ、6月12日に行われる予定の米朝首脳会談の中止を表明した後、間髪入れずに今度は北朝鮮・金桂官第1外務次官が「いつでも米国と向き合い、問題を解決していく用意がある」などとした談話を発表した。今度はトランプ大統領がこの対応を高評価し、「来月12日の会談を(予定通りに)行う可能性もある」と述べるなど、事態はめまぐるしい展開を見せている。つまるところ外交上の駆け引きで二転三転しているだけで、米国も北朝鮮も米朝首脳会談を行いたいという真意はこの一連のやりとりの中からも浮き上がってくる。トランプ大統領が中止を発表した背景には中国を後ろ盾に強気に出ている北朝鮮にこのままいくとペースを握られてしまうとの焦りもあったのだろう。
(会談の行方・北朝鮮は実をとり、米国は形をとる)
トランプ大統領が含みを持たせたことからもわかるが、12日に予定通りシンガポールで開催される可能性はまだ低くはない。ちなみに会談が予定されていると言われていたホテルはこれまで予約がとれなかったが、今はとれる状態なのだという。12日に行われる場合にはおそらく別の施設で行われる可能性がある。12日が流れた場合でも、そう遠くない時期に米朝会談は開かれると考えられる。11月の米国中間選挙までに結果を出したいトランプ大統領は、朝鮮戦争を終結させ平和協定を締結し、CVIDについては、具体的な確約をしないまま、北朝鮮と妥協する可能性もある。結果的に北朝鮮は実をとり、米国は形をとることになる。これまで蚊帳の外にいた中国は両国の仲介役として存在感を高め、その一方でこれまで主導的な仲介役だった韓国はその存在感を低下させる可能性が出てきた。
(存在感が薄い日本)
各国の間で北朝鮮をめぐる熾烈な駆け引きが展開される中で、日本の存在感が薄いのが非常に気になるところだ。日本では拉致問題が大きくクローズアップされているが、北朝鮮に数百基配備されている中距離弾道ミサイル「ノドン」は日本のほぼ全域を射程に収めている実態もある。韓国は南北首脳会談で北朝鮮との関係を融和方向に持って行ったが、日本はどうしたいのか。どのようにこの局面に対応しようとしているのか、全く見えてこない。今の日本には特徴が無く、経済を除くと出る幕がない。少なくともスイスや北欧諸国のような特徴が必要になる。日本は1日も早く独自の外交戦略を構築し特徴を出していくべきである。
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