米国国務省“南北関係改善に非核化不可欠”(8月16日)
韓国と北朝鮮が来月、ピョンヤンで首脳会談を行うことで合意したことについて米国国務省のナウアート報道官は南北の関係改善は北朝鮮の核問題と切り離せないと述べ関係改善には北朝鮮が非核化に向けて具体的な措置を取ることが不可欠だとする立場を改めて強調した。
韓国と北朝鮮はきのう、軍事境界線にあるパンムンジョムで閣僚級会談を開きムンジェイン大統領が来月ピョンヤンを訪問して、キムジョンウン朝鮮労働党委員長と会談することで合意した。...
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韓国と北朝鮮が来月、ピョンヤンで首脳会談を行うことで合意したことについて米国国務省のナウアート報道官は南北の関係改善は北朝鮮の核問題と切り離せないと述べ関係改善には北朝鮮が非核化に向けて具体的な措置を取ることが不可欠だとする立場を改めて強調した。
韓国と北朝鮮はきのう、軍事境界線にあるパンムンジョムで閣僚級会談を開きムンジェイン大統領が来月ピョンヤンを訪問して、キムジョンウン朝鮮労働党委員長と会談することで合意した。
これについて米国国務省のナウアート報道官は13日、「南北の関係改善は北朝鮮の核問題の解決と切り離して進めることはできない。北朝鮮が非核化に応じなければ経済制裁は完全に有効なままだ」と述べ、南北の関係改善や経済制裁の緩和には北朝鮮が非核化に向けて具体的な措置を取ることが不可欠だとする立場を改めて強調した。
今回の発言は経済制裁の緩和に安易に応じないよう韓国政府にくぎを刺すねらいもあるとみられる。
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非核化をめぐる米朝の膠着状態、米中の確執も(8月6日)
3日に国連の専門家パネルは、北朝鮮がいまだ核施設を稼働させているとする149頁にわたる報告書を安保理に提出した。これを受け8月6日付「環球時報」は遼寧社会科学院の呂超主任のインタビューを掲載しているが、同主任は「この報告書は何ら証拠を示していないので信用できない」としている。
さらにこの報告書では、今年1~5月に延べ89回の船舶から船舶への荷物の積み替えが行われ、少なくとも50万バレルの石油製品が北朝鮮にわたり、それには40隻の船舶と130の企業がかかわっていることも明らかにした。...
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3日に国連の専門家パネルは、北朝鮮がいまだ核施設を稼働させているとする149頁にわたる報告書を安保理に提出した。これを受け8月6日付「環球時報」は遼寧社会科学院の呂超主任のインタビューを掲載しているが、同主任は「この報告書は何ら証拠を示していないので信用できない」としている。
さらにこの報告書では、今年1~5月に延べ89回の船舶から船舶への荷物の積み替えが行われ、少なくとも50万バレルの石油製品が北朝鮮にわたり、それには40隻の船舶と130の企業がかかわっていることも明らかにした。
この報告書が発表されたのが、ASEAN地域フォーラムの直前であり、関係各国の外相会談が行われているときで、ポンペオ米国務長官が、北朝鮮への経済制裁の継続をよびかけているときであったことで、様々な憶測をよんでいる。同じく3日には米財務省が、新たな北朝鮮の制裁の一環として、ロシア企業3社、中国企業1社を制裁対象として発表した。前述の呂超主任は、「米国は経済制裁の失敗を他国、なかでも中国のせいにしているが、中国は制裁措置を守っている。私は何回も丹東(中朝貿易の最大の拠点)に行ったが、丹東の税関は厳格に制裁措置を履行している。」と語っている。
制裁を強化しようとする米国に対し、李容浩・北朝鮮外相は、「米朝首脳会談の共同声明を履行するためには、朝米の信頼醸成が大事である。」と語っている。北朝鮮はすでに核実験場とミサイル・エンジンの工場を廃棄したのだから、次は米国が行動を起こさなければいけないというのである。ポンペオ長官が訪朝した後の7月7日の北朝鮮外務省報道官の談話では「米国は銃一丁も廃棄せず総ての兵力を従来の位置にそのまま置いて・・・合同軍事演習という動作だけを一時的に中止したのは、いつでも任意の瞬間に再開され得る極めて可逆的な措置」であるとしていることからすると、北朝鮮が行った不可逆的な措置にみあう行動をとるように求めていることになる。米朝双方は北朝鮮の非核化と朝鮮戦争の終戦宣言という各々のカードを相手方が先に切るようにとの膠着状態に陥っている。
呂超主任が何を根拠に報告書は証拠を示していない、と言い切ったのかはわからない。しかしこのように語らせることによって、中国は北朝鮮の肩をもつことになり、米朝の膠着状態に加え、米中の確執もまた増えたことになる。
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米大統領への金正恩の親書、王毅外相は終戦宣言に言及(8月3日)
8月2日、サンダース米大統領報道官は、1日にトランプ大統領が金正恩委員長の親書を受け取ったことを明らかにした。同報道官はトランプ大統領が親書に対して近く返信することも明らかにした。
同親書では米朝のシンガポール首脳会談での成果を推進していくことを確認したもの。米朝両首脳は、朝鮮半島の非核化を推進していくとしている。トランプ大統領はインタビューに答え、この親書に感謝していることと、近いうちに金正恩委員長と再会談したいとも語り、さらに朝鮮戦争時の米兵の遺骨返還に謝意を示した。...
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8月2日、サンダース米大統領報道官は、1日にトランプ大統領が金正恩委員長の親書を受け取ったことを明らかにした。同報道官はトランプ大統領が親書に対して近く返信することも明らかにした。
同親書では米朝のシンガポール首脳会談での成果を推進していくことを確認したもの。米朝両首脳は、朝鮮半島の非核化を推進していくとしている。トランプ大統領はインタビューに答え、この親書に感謝していることと、近いうちに金正恩委員長と再会談したいとも語り、さらに朝鮮戦争時の米兵の遺骨返還に謝意を示した。
ただしサンダース報道官は今のところ再会談の予定はないと述べている。
一方シンガポールでのASEAN関連外相会議に出席している王毅外相は、朝鮮半島での再びの戦火は世界の誰も望んでおらず、朝鮮戦争の終戦宣言は時代の潮流であり、南北朝鮮の人々の願いであるばかりでなく、各国の願いでもあり、終戦宣言がなされることが望ましいと語った。
ただし平和協定については、国際法的にも各国との交渉が必要であり、プロセスを踏んでいかなければならないとしている。また朝鮮半島の非核化と平和メカニズムの構築は、米国や朝鮮半島の願いであるばかりではなく、国際社会の共通の理解であり、米中貿易摩擦とは関係は全くない中国の外交原則としている。
トランプ大統領はが、米中貿易摩擦と北朝鮮問題をディールの対象とみている。つまり中国の北朝鮮への影響力が北朝鮮を強気にさせているのではないか、との疑いを常に口にしているが、そのことに対しの反論しているわけである。
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北朝鮮・米国有力紙“新たにICBM製造の兆候”(7月31日)
米国・ワシントンポストが30日付けの電子版で、米国の情報機関が北朝鮮を撮影した最新の衛星写真を分析したことろ、ピョンヤン付近の兵器工場で1発か2発のICBM製造の動きを新たに確認したと伝えた。
この兵器工場ではこれまでも米国・東海岸まで到達する能力があるとされる「火星15型」を製造してきた。
ワシントンポストは米朝首脳会談後も核ミサイル開発を続けていることを改めて示すものだとしている。...
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米国・ワシントンポストが30日付けの電子版で、米国の情報機関が北朝鮮を撮影した最新の衛星写真を分析したことろ、ピョンヤン付近の兵器工場で1発か2発のICBM製造の動きを新たに確認したと伝えた。
この兵器工場ではこれまでも米国・東海岸まで到達する能力があるとされる「火星15型」を製造してきた。
ワシントンポストは米朝首脳会談後も核ミサイル開発を続けていることを改めて示すものだとしている。
米国ではトランプ大統領が北朝鮮との非核化交渉は順調だと強調しているが、米国メディアは、北朝鮮・カンソンで核兵器用のウラン濃縮が秘密裏に続けられていると懐疑的な見方を強めている。
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ポンペオ長官の証言(7月28日)
25日に行われた上院の公聴会で、ポンペオ長官が、北朝鮮が核物質の製造を続けていることを認めたとの報道がなされたが、そのほかにもいくつかの見過ごせない証言があった。
民主党のガードナー議員「CVID(完全で、検証可能な、非可逆的な非核化)について話し合われたのか。話し合われたのなら、なぜ合意書に書かれなかったのか。」
ポンペオ長官「話し合いはなされたが、交渉の過程については明らかにできない。...
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25日に行われた上院の公聴会で、ポンペオ長官が、北朝鮮が核物質の製造を続けていることを認めたとの報道がなされたが、そのほかにもいくつかの見過ごせない証言があった。
民主党のガードナー議員「CVID(完全で、検証可能な、非可逆的な非核化)について話し合われたのか。話し合われたのなら、なぜ合意書に書かれなかったのか。」
ポンペオ長官「話し合いはなされたが、交渉の過程については明らかにできない。CVIDについてのゴールはあるが、いつそのゴールにたどり着くかはいえない。」
ガードナー「『最大限の圧力』はまだかけ続けているのか。中国や韓国が経済制裁を緩和しようとしているのではないか。制裁がなされているかについて検証はされているのか。」
ポンペオ「制裁はかけ続けている。検証も行っているが、どのような規模で行っているかについてはいえない。韓国の支援は例外的なものか、人道的なものに限られている。」
民主党のマーキー議員「トランプ大統領は北朝鮮の核の脅威がなくなったと言っているが、本当にそうなのか、証明できるのか。」
ポンペオ「ミサイル・エンジンの実験場を破壊したことが証明になる。」
マーキー「それが証明になるのか。ポンペオ長官の解釈にすぎないのではないのか。化学兵器や生物兵器については交渉したのか。」
ポンペオ「CBW(化学兵器・生物兵器)については話し合い、北朝鮮は理解したと思う。」
この回答に重ねて、化学兵器や生物兵器を廃棄すると北朝鮮は約束したのか、との問いについて、ポンペオ長官は同じ言葉を繰り返したにすぎず、確約はそれていないと思わざるを得ない。
さらにマーキー議員の「北朝鮮の人権問題について話し合われたのか。」に対しては、今回は議題にのぼらなかったが、2017年1月から話し合いは行われており、現在は中断しているとの回答があった。
このほか共和党議員も濃縮ウランについて問題視しており、それをポンペオ長官は認めざるを得ない状況になっていた。同公聴会では北朝鮮問題の他に、プーチン大統領との会談やNATOの費用分担問題などについての質問がなされた。
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