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秋場所千秋楽・横綱の重みと誇り(9月29日)
大盛況の内に幕を閉じた大相撲秋場所。二横綱欠場という緊急事態のなか、一人横綱・鶴竜が昇進後初の優勝。何とか横綱の体面を保った。
しかし、今場所の土俵を大いに盛り上げたのは何と言っても大関・照ノ富士であった。稀勢の里戦での膝の負傷により、出場が危ぶまれたが、千秋楽まで取り切り、優勝決定戦まで持ち込んだ敢闘精神には頭が下がる。怪我を押しての土俵には賛否は分かれるところだが、もし14日目から休場していたとしたら、賜杯争いはずいぶん味気ないものになっていただろう。...
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大盛況の内に幕を閉じた大相撲秋場所。二横綱欠場という緊急事態のなか、一人横綱・鶴竜が昇進後初の優勝。何とか横綱の体面を保った。
しかし、今場所の土俵を大いに盛り上げたのは何と言っても大関・照ノ富士であった。稀勢の里戦での膝の負傷により、出場が危ぶまれたが、千秋楽まで取り切り、優勝決定戦まで持ち込んだ敢闘精神には頭が下がる。怪我を押しての土俵には賛否は分かれるところだが、もし14日目から休場していたとしたら、賜杯争いはずいぶん味気ないものになっていただろう。
一方の鶴竜。優勝は果たしたものの、プレッシャーからか立ち合いでの注文相撲が続き、館内からは厳しい声も飛んでいた。“綱の誇り”にかけて、勝ち星を優先させた鶴竜。しかし、優勝決定戦でも照ノ富士への声援の方が圧倒していた。来場所、鶴竜には横綱を務めるだけでなく、ぜひファンを沸かせる相撲を見せてほしい。
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沢村賞投手・復活!(9月26日)
25日のマリーンズvsホークス戦に先発した涌井秀章が7回3失点の力投で今季13勝目を挙げた。ファイターズ・大谷翔平の14勝に次ぐハーラーダービー単独2位である。
パ・リーグの試合をあまりご覧にならない方は、まだ涌井と聞くとライオンズ時代の印象が強いかも知れない。若獅子軍団のエースとして活躍し、二度のリーグ最多勝。2009年には沢村賞も獲得している。その後、ストッパーへ転向、13年オフに国内FAでマリーンズへと移籍した。...
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25日のマリーンズvsホークス戦に先発した涌井秀章が7回3失点の力投で今季13勝目を挙げた。ファイターズ・大谷翔平の14勝に次ぐハーラーダービー単独2位である。
パ・リーグの試合をあまりご覧にならない方は、まだ涌井と聞くとライオンズ時代の印象が強いかも知れない。若獅子軍団のエースとして活躍し、二度のリーグ最多勝。2009年には沢村賞も獲得している。その後、ストッパーへ転向、13年オフに国内FAでマリーンズへと移籍した。
なぜ今シーズン彼は復活を遂げたのだろうか?それにはかつてのマリーンズのエース・成瀬善久のスワローズ移籍があるかもしれない。涌井にとって成瀬は横浜高校時代の一年先輩である。先季、新天地にやってきた彼にとって旧知の先輩の存在は頼りになるものだったことだろう。その成瀬が1年後にいなくなったことで、涌井にエースとしての自覚と統率力が再び蘇ってきたのではないだろうか。
2004年。成瀬が卒業した横浜高校は新エース・涌井を擁して、夏の甲子園でベスト8。前年を上回る成績を残した。果たして、彼は今年、どこまで新チームを引き上げてくれるのだろう?
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追悼~悲劇を再び起こさぬために~(9月25日)
突然の訃報だった。阪神タイガースの中村勝広ゼネラルマネージャーが宿泊先のホテルで急逝。まだ、66歳という若さ。GMとしての手腕を発揮する働き盛りでの早過ぎる最期である。
2001年11月、南海ホークスの大エースでダイエー初代監督でもある杉浦忠氏も、マスターズリーグ遠征中、札幌のホテルで急性心不全により亡くなっている。奇しくも中村氏と同じく享年66歳であった。また、今年6月には大相撲の音羽山親方(元大関・貴ノ浪)も、2人と同様の症状で出張先のホテルで倒れ、帰らぬ人となったばかりだ。...
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突然の訃報だった。阪神タイガースの中村勝広ゼネラルマネージャーが宿泊先のホテルで急逝。まだ、66歳という若さ。GMとしての手腕を発揮する働き盛りでの早過ぎる最期である。
2001年11月、南海ホークスの大エースでダイエー初代監督でもある杉浦忠氏も、マスターズリーグ遠征中、札幌のホテルで急性心不全により亡くなっている。奇しくも中村氏と同じく享年66歳であった。また、今年6月には大相撲の音羽山親方(元大関・貴ノ浪)も、2人と同様の症状で出張先のホテルで倒れ、帰らぬ人となったばかりだ。
プロスポーツの世界において、フロントやスタッフは現役選手以上に、遠征や視察・会議などで長距離の移動をこなさねばならない。ハードスケジュールのなか、なかなか万全を期した健康管理態勢にはなっていないのではないだろうか。現役のアスリートと同レベルの、万全なケアが求められるべきではないかと感じる。
中村勝広氏のご冥福を衷心よりお祈りしたい。
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敗れざる者・西口文也(9月24日)
野球の神様は彼に繰り返し試練を与えた。9回2死からヒットを打たれ、ノーヒット・ノーランの夢は再び潰えた。
ライオンズの西口文也投手(42)が、23日現役引退を表明した。あと1アウトまで好投しながら、2度も快挙を逃した投手は、オリオンズの仁科、現役ではMLBのダルビッシュ有が記憶に新しい。しかし、西口の場合は9回27人の打者を完全に抑えるパーフェクトピッチングを達成しながら、味方の援護なく延長10回で記録が途絶えた「3度目の悲運」の存在がとりわけ強烈な印象を与えている。...
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野球の神様は彼に繰り返し試練を与えた。9回2死からヒットを打たれ、ノーヒット・ノーランの夢は再び潰えた。
ライオンズの西口文也投手(42)が、23日現役引退を表明した。あと1アウトまで好投しながら、2度も快挙を逃した投手は、オリオンズの仁科、現役ではMLBのダルビッシュ有が記憶に新しい。しかし、西口の場合は9回27人の打者を完全に抑えるパーフェクトピッチングを達成しながら、味方の援護なく延長10回で記録が途絶えた「3度目の悲運」の存在がとりわけ強烈な印象を与えている。
通算勝利数は182勝。00年代以降、安定性を欠いていたライオンズの中継ぎ・抑え。彼が勝利投手の権利を持ちながら、消えてしまった勝ち星は数知れない。盤石なクローザーがいたなら、200勝に到達していたのでは?と言いたくなるファンも決して少なくはないだろう。
しかし、彼が味方打線や若手投手たちに文句を言うことは皆無だった。その姿はファンの心に大記録以上の感銘を与えた。誇り高き、敗れざる者・西口文也。多くの人の心に深く刻まれた彼は、決して悲運のエースなどではないのだ。
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2015ペナントレース・もうひとつの争い(9月23日)
いよいよ最終盤へ突入したプロ野球。実は、今季のセ・リーグはペナントの順位だけでなく、年間の観客動員数争いが熱い。トップ3を占めるのは言わずと知れた3大都市圏に本拠地を持つ人気球団・ジャイアンツ、タイガース、ドラゴンズ。この順位は長年揺らぐことのないものであった。ところが、今季は大きな変化が起きている。NPBが発表した第4クール終了時点(9月10日現在)のセ・リーグ入場者数で、カープは3位のドラゴンズに僅差でほぼ並んでいるのだ。...
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いよいよ最終盤へ突入したプロ野球。実は、今季のセ・リーグはペナントの順位だけでなく、年間の観客動員数争いが熱い。トップ3を占めるのは言わずと知れた3大都市圏に本拠地を持つ人気球団・ジャイアンツ、タイガース、ドラゴンズ。この順位は長年揺らぐことのないものであった。ところが、今季は大きな変化が起きている。NPBが発表した第4クール終了時点(9月10日現在)のセ・リーグ入場者数で、カープは3位のドラゴンズに僅差でほぼ並んでいるのだ。その差はわずかに800人弱。しかも消化試合数はドラゴンズ65試合に対して、カープは3試合少ない62である。このままの勢いでペナントを終えた場合、カープ初の観客数3強入りが実現するかもしれない。
ちなみに現時点の観客数。これまで最少だったDeNAが先季比18%増という急増を遂げている。その躍進は非常に喜ばしいこと。しかしその結果、優勝M点灯間近のスワローズが最下位というのは実に皮肉なことと言えよう。
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