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「野球世界一」の奪還へ向けて(11月20日)
19日に行われた野球の国際大会・プレミア12の準決勝で、侍ジャパンは最終回に韓国打線の集中打を浴び3-4で逆転負けを喫した。大会の初代王者を逃したのは非常に残念ではあるが、先発した大谷翔平は7回を1安打に抑え、2塁を踏ませない圧巻のピッチング。また、今大会絶好調の中田翔や、4番も務めた筒香嘉智の台頭もあり、彼らが国際試合を通じて成長できたのは大きな収穫だったと言える。
大会はまだ続くが、この先の展望について少し確認しておきたい。...
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19日に行われた野球の国際大会・プレミア12の準決勝で、侍ジャパンは最終回に韓国打線の集中打を浴び3-4で逆転負けを喫した。大会の初代王者を逃したのは非常に残念ではあるが、先発した大谷翔平は7回を1安打に抑え、2塁を踏ませない圧巻のピッチング。また、今大会絶好調の中田翔や、4番も務めた筒香嘉智の台頭もあり、彼らが国際試合を通じて成長できたのは大きな収穫だったと言える。
大会はまだ続くが、この先の展望について少し確認しておきたい。今回初開催のプレミア12は、「4年に1回の開催」を謳っている。次回は2019年ということになるが、開催地などは未定だ。翌2020年はいよいよ東京五輪。競技種目入りが濃厚な野球は、過去の五輪大会同様、再びNPB主体のチームを編成することになるだろう。そしてその前、2017年にはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)第4回大会が控えている。WBCはプレミア12や五輪とは異なり、メジャーリーグの選手も参加し、アメリカだけでなく中南米の国々もより強力な布陣で挑んでくることとなる。
なお、2017WBCの開催地には韓国も名乗りを上げているという報道がある。今回、プレミア12で優勝することがあれば、その主張はより強まるかもしれない。そうなれば日本はアウェーでの厳しい戦いを強いられることになる。今回のプレミア12や過去のWBC予選でも、日本はホームで戦うことができた。今後そのアドバンテージはどうなるだろうか。首脳陣は今回の敗戦を糧に、今後敵地のみでの連戦も視野に入れた戦略を練り直してもらいたい。
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全ての道産子から愛されるチームへ(11月19日)
J2・コンサドーレ札幌は来年2月からのチーム名変更とホームタウンの追加を発表した。新名称は「北海道コンサドーレ札幌」で、道内全域をホームタウンとすることになる。Jリーグ球団のホームタウンは市町村単位が原則だが、中心となる自治体のほかに県域全てをホームとしているチームは複数存在する(ザスパクサツ群馬、FC東京、東京ヴェルディなど)。
現在ほかに道内のJチームはない。アマチュアのトップリーグ・JFLにも北海道チームはしばらく誕生しなさそうだ。...
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J2・コンサドーレ札幌は来年2月からのチーム名変更とホームタウンの追加を発表した。新名称は「北海道コンサドーレ札幌」で、道内全域をホームタウンとすることになる。Jリーグ球団のホームタウンは市町村単位が原則だが、中心となる自治体のほかに県域全てをホームとしているチームは複数存在する(ザスパクサツ群馬、FC東京、東京ヴェルディなど)。
現在ほかに道内のJチームはない。アマチュアのトップリーグ・JFLにも北海道チームはしばらく誕生しなさそうだ。道内のサッカーファンにとっては、応援する対象の「地元チーム」が生まれることは喜ばしいことだろう。ちなみに女子のなでしこリーグの下位リーグ・チャレンジリーグには、すでに今年から全道をホームとするノルディーア北海道が参加している。
道全域にファンを広げるために、いくつかの課題もある。Jリーグ規約はホームタウンを「自治体から全面的な支援が得られること」と定めている。厳しい財政状況が続く北海道の自治体から支援を取り付けるのは容易ではないだろう。この先、試合会場の確保や施設の改修も大きなテーマだ。ぜひクラブ側の手腕に期待したい。
今季、コンサドーレはJ1昇格を逃したが、所属選手には79年組の元代表・小野伸二や稲本潤一らがいる。ともに知名度は抜群。これまでなかなかJリーグの試合を生で見る機会のなかった地域の人たちにも、会場に足を運んでもらえるかもしれない。コンサドーレが「ドサンコ」全員のチームになる日が来ることを祈る。
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「猫だまし」は奇手か?悪手か?(11月18日)
一体何が起きたのか?館客もTVの前の相撲ファンも呆気にとられたことだろう。九州場所十日目、横綱・白鵬が、関脇・栃煌山との一番の立合いで、両の掌を突き出し「パン!」と一閃。かつて“技のデパート“舞の海が使った奇手・猫だましである。通常は格上の相手に繰り出す一種苦し紛れの手段。もちろん横綱が使うのは前代未聞だ。北の湖理事長は「ありえない」と憤慨。ラジオ解説だった元横綱・北の富士勝昭氏も「よろしくないと思うよ」と評した。...
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一体何が起きたのか?館客もTVの前の相撲ファンも呆気にとられたことだろう。九州場所十日目、横綱・白鵬が、関脇・栃煌山との一番の立合いで、両の掌を突き出し「パン!」と一閃。かつて“技のデパート“舞の海が使った奇手・猫だましである。通常は格上の相手に繰り出す一種苦し紛れの手段。もちろん横綱が使うのは前代未聞だ。北の湖理事長は「ありえない」と憤慨。ラジオ解説だった元横綱・北の富士勝昭氏も「よろしくないと思うよ」と評した。
そもそも猫だましはそれほど効果のあるものなのか。小兵力士だった舞の海が使ったことでイメージが定着した感もあるこの戦法(正確には相撲の「技」ではない)。相手を怯ませる奇襲ではあるが、自分も初動が遅れてしまい、一気に体を持って行かれる可能性がある。リスクが多く、成功率も決して高くはない。何故白鵬はこれを使おうと思ったのだろう。「先場所負けた相手に何としても勝ちたかった」「全勝を守るためなりふり構わなかった」という見方もある。だが、別の可能性はどうか。白鵬は昔から非常に研究熱心なところがある。土俵入りも戦前のVTRを分析して、自分の型に所作を取り入れたりする程の勉強家だ。今回の奇策も「こんな面白い手があるのなら是非やってみよう」という発想、いわば彼の悪戯心ではなかったのか?今回、観客からは好評だったとは言い難かったが、決して勝ちに執着した結果などではないと思える。数々の記録を塗り替え切った感のある白鵬。こんな奇手も土俵を務めるモチベーションを保つための一つの方策であるように感じた。大横綱、次は何を企んでいるのですか?
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「ミスター・プロレス」国技館に帰る(11月18日)
プロレスラー天龍源一郎が引退興行を行った。チケットは完売し、両国国技館を埋めた1万人のファンがミスター・プロレスに別れを惜しんだ。天龍は現在65歳。大相撲からプロレスの世界に飛び込んだのは、現相撲協会理事長の北の湖が綱を張っていた時代だ。それから実に40年近くプロレスの最前線で戦い続けてきた。
ジャイアント馬場とアントニオ猪木の両巨頭からピンフォール勝ちを収めた唯一無二のレスラー天龍源一郎。繰り出される逆水平チョップとサッカーボールキック。...
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プロレスラー天龍源一郎が引退興行を行った。チケットは完売し、両国国技館を埋めた1万人のファンがミスター・プロレスに別れを惜しんだ。天龍は現在65歳。大相撲からプロレスの世界に飛び込んだのは、現相撲協会理事長の北の湖が綱を張っていた時代だ。それから実に40年近くプロレスの最前線で戦い続けてきた。
ジャイアント馬場とアントニオ猪木の両巨頭からピンフォール勝ちを収めた唯一無二のレスラー天龍源一郎。繰り出される逆水平チョップとサッカーボールキック。その攻撃は決して洗練されているとは言い難いが、痛みと凄みを感じさせる泥臭いプロレスだった。それでいて、どんな相手ともマッチしてしまう懐の深さ。アメリカンプロレスから、格闘技系ファイター、流血を伴うデスマッチ、果ては女子レスラーとのミックスドマッチまで実現させ、いずれも名勝負を繰り広げていった。多様なスタイルに順応しながらも、彼のプロレスは全くぶれることがなかった。真骨頂は「相手のどんな技も受けきる」という驚異のタフネスさ。喉が潰れて聴き取り辛いしわがれ声はそれの代償だ。
レスラーの中にはタレントに転身したり、政界進出したりとマルチな活躍をする者も多い。しかし、天龍はプロレスのリング一筋。どこに行っても“天龍源一郎”として輝き続けた。こんなレスラーはもう現れないかもしれない。
引退理由は病気の妻の介護のためだという。不器用だけど日本一タフなレスラー。こんなにも無骨で素敵な男がいたことを決して忘れない。ありがとう天龍。
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海を渡ってきた“女王”が開く新時代(11月17日)
女子ゴルフ・伊藤園レディースで、韓国のイ・ボミが6勝目を挙げ、初の年間賞金女王に輝いた。獲得賞金2億円超えは国内女子ツアー史上初、男子を合わせても4人目という快挙。残り2戦を残しており、年間最高賞金額(01年・伊沢利光)更新の期待もかかる。ちなみに賞金女王2位は台湾のテレサ・ルー。日本人選手は渡邉彩香の5位が最高。願わくば来年こそ撫子ゴルファーも女王争いでしのぎを削ってほしい。
イ・ボミはその美しいルックスと「スマイル・キャンディ」の愛称で知られる笑顔で人気の選手だ。...
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女子ゴルフ・伊藤園レディースで、韓国のイ・ボミが6勝目を挙げ、初の年間賞金女王に輝いた。獲得賞金2億円超えは国内女子ツアー史上初、男子を合わせても4人目という快挙。残り2戦を残しており、年間最高賞金額(01年・伊沢利光)更新の期待もかかる。ちなみに賞金女王2位は台湾のテレサ・ルー。日本人選手は渡邉彩香の5位が最高。願わくば来年こそ撫子ゴルファーも女王争いでしのぎを削ってほしい。
イ・ボミはその美しいルックスと「スマイル・キャンディ」の愛称で知られる笑顔で人気の選手だ。勉強家かつ親日で知られ、2011年の来日以来、日本語の勉強を欠かさない。ファンへのサインの要望には可能な限り応じる彼女。一緒にコースを回る際はプロ・アマ問わず気配りを怠らず、周囲からの評判も高いという。昨年の週刊ゴルフダイジェストの人気投票では1位を獲得。今年はゴルフダイジェストオンラインファン大賞を受賞している。一部メディアでは「いま日本で最も人気のある韓国人女性」などという呼ばれ方までされたこともあった。
賞金女王を決めた伊藤園レディース。彼女は日韓両国の国旗をあしらったシューズを履いてプレーしたことを明かした。青地に紅白のハート柄のウェアも、両国の国旗をモチーフにしたものだろう。そこには難しい軋轢を抱える両国の友好への思いが込められていた。国や言葉の壁を越え、愛されるゴルファー、イ・ボミの益々の飛躍を楽しみにしたい。そのスイングはきっと新しい時代を切り開いていくだろうから…
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