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試されるニッポンの「チームワーク」(11月26日)
25日、国内スポーツの主要5団体トップによる初めての会合が開かれた。これは先月就任した鈴木大地スポーツ庁長官の呼びかけによって実現したもの。参加したのはスポーツ庁のほか、JOC・日本オリンピック委員会、JPC・日本パラリンピック委員会、日本体育協会、JSC・日本スポーツ振興センターだ。鈴木長官は「こういう機会がなかったのが不思議なくらいだが、集まっていただいたことに意義がある」と述べ、手応えを感じた様子だった。...
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25日、国内スポーツの主要5団体トップによる初めての会合が開かれた。これは先月就任した鈴木大地スポーツ庁長官の呼びかけによって実現したもの。参加したのはスポーツ庁のほか、JOC・日本オリンピック委員会、JPC・日本パラリンピック委員会、日本体育協会、JSC・日本スポーツ振興センターだ。鈴木長官は「こういう機会がなかったのが不思議なくらいだが、集まっていただいたことに意義がある」と述べ、手応えを感じた様子だった。
ご存知のようにこれまでのスポーツ行政は、五輪は文科省、障害者スポーツは厚労省、施設整備は国交省という具合に各省庁に分かれており、縦割りの弊害が問題になっていた。スポーツ庁はその解消のための調整役を期待されている。この会合はその手始めとなるもので、選手強化や指導者への支援について意見交換が行われた。今回顔をそろえたメンバーのうち注目したいのが、JSCの大東和美理事長。Jリーグの第4代チェアマンとして今年2月まで手腕を発揮した。この9月に就任したばかりで、鈴木長官と同じくアスリート出身(ラグビー元日本代表)。スポーツの現場を知るこの2人の共闘は頼もしい。さらに、この日の会合には後から馳文部科学大臣も参加した。就任時の記者会見で「日本はチームワークを重視する国民。いろいろな方々とお話をしながら進めていきたい」と抱負を語っていた鈴木長官。会合は今後も定例化する方針とのこと。チームワークの模範を示して日本のスポーツ界を牽引してもらいたい。
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侍ジャパンで見たい二人のスラッガー(11月25日)
24日、今季のプロ野球ベストナインが発表された。顔触れには先日プレミア12でも活躍したメンバーが数多く並んでいる。ところが、守備のスペシャリスト・ゴールデングラブ賞とベストナインをダブル受賞しながら、侍ジャパンに選出されなかった選手が何人かいる。ここではそのうちの二人を取り上げてみよう。
まず一人目はスワローズの畠山和洋。今季は4番を任され、初の打点王を獲得。チームの14年ぶりのリーグ優勝に貢献した。...
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24日、今季のプロ野球ベストナインが発表された。顔触れには先日プレミア12でも活躍したメンバーが数多く並んでいる。ところが、守備のスペシャリスト・ゴールデングラブ賞とベストナインをダブル受賞しながら、侍ジャパンに選出されなかった選手が何人かいる。ここではそのうちの二人を取り上げてみよう。
まず一人目はスワローズの畠山和洋。今季は4番を任され、初の打点王を獲得。チームの14年ぶりのリーグ優勝に貢献した。かつては練習嫌いで知られ、酒豪でならした問題児。蓄えた口髭とどっしりとした体型は、近年のスマートな野球選手とは一線を画す。30代に入って以降、酒の量も減らし、意識改革に取り組んだ結果が好調さにつながっているようだ。今回代表に招集されなかったのは、一塁手には中田翔という絶対的な主砲がいたためだろう。
もう一人はマリーンズの清田育宏。打撃を期待されながら、これまでチーム内の熾烈な外野手争いの中でシーズンを通しての出場を果たせずにいた。しかし今年は選手間投票でオールスターゲームにも初選出。自己最高の成績、キャリアハイを達成し、大きく飛躍した。「入団以来、ベストナインに選ばれる選手になることを目標にしていた」という清田。過去にも日本シリーズで活躍するなど大舞台での爆発力も魅力だ。
プレミア12では視聴率25%超と久々にお茶の間の注目を集めた侍ジャパン。ぜひ、この2人のサムライが奮闘する姿も見てみたい。
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“J”の新旧レジェンドストライカーたち(11月24日)
22日、サッカーJ1最終節はサンフレッチェ広島が第2ステージの優勝と年間勝ち点首位を決めて幕を閉じた。この試合で1ゴールを決めた広島FW・佐藤寿人選手は、通算157点となり、J1の歴代最多記録に並んだ。試合をスタンドで見ていた記録保持者の中山雅史は、「もっともっとゴールシーンを増やして、日本サッカーを盛り上げていってもらいたい」と佐藤にエールを送った。…が、ここで終わらないのがこの人の魅力。「自分もああいうゴールを決めたいという気持ちを盛り上げてくれるし、すごくありがたい刺激だと思います」と闘志を露わにした。...
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22日、サッカーJ1最終節はサンフレッチェ広島が第2ステージの優勝と年間勝ち点首位を決めて幕を閉じた。この試合で1ゴールを決めた広島FW・佐藤寿人選手は、通算157点となり、J1の歴代最多記録に並んだ。試合をスタンドで見ていた記録保持者の中山雅史は、「もっともっとゴールシーンを増やして、日本サッカーを盛り上げていってもらいたい」と佐藤にエールを送った。…が、ここで終わらないのがこの人の魅力。「自分もああいうゴールを決めたいという気持ちを盛り上げてくれるし、すごくありがたい刺激だと思います」と闘志を露わにした。さらに、TV朝日の取材では「追いつかれただけ。引き離していけるように僕も頑張れればいい」と中山節を炸裂させた。そう、この48歳のストライカーは今年9月に現役復帰を宣言し、アスルクラロ沼津に入団を決めているのだ。現在JFLの沼津が、J1カテゴリーに昇格するのには最低でも3年はかかる。勿論来シーズン中山がゴールを決めても、J1通算のゴール記録を伸ばせる訳ではない。しかし、3年前に一度Jリーグのピッチを去った選手の口から、こんな台詞が聞けるというのは、とても素敵なことではないだろうか。さらに最終節ではガンバ大阪の大久保嘉人も1得点を挙げ、J1史上初の3年連続得点王を達成。彼も通算得点記録を中山の記録まであと1つの156点に伸ばしてきた(歴代3位)。大久保もまた素晴らしいレジェンドである。来季に向けて、中山の闘志にはますます火がついた筈だ。またあのゴンゴールを見れることを楽しみにしたい。
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再び世界の高みへ!錦織圭の挑戦(11月22日)
男子テニスの年間成績上位8人によるツアー・ファイナル。錦織圭(世界ランク8位)はロジャー・フェデラー(同3位)に1-2で敗れ、年内の全日程を終えた。今季は昨年と並ぶ54勝。4大大会では、全豪と全仏でベスト8入り。(全仏での日本人選手の準々決勝進出は82年ぶりの快挙)。全英・ウインブルドンは二回戦で棄権したものの、日本人最多を更新する通算7勝目を挙げる活躍ぶりだった。
ところが、8月の全米オープンではまさかの初戦敗退。...
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男子テニスの年間成績上位8人によるツアー・ファイナル。錦織圭(世界ランク8位)はロジャー・フェデラー(同3位)に1-2で敗れ、年内の全日程を終えた。今季は昨年と並ぶ54勝。4大大会では、全豪と全仏でベスト8入り。(全仏での日本人選手の準々決勝進出は82年ぶりの快挙)。全英・ウインブルドンは二回戦で棄権したものの、日本人最多を更新する通算7勝目を挙げる活躍ぶりだった。
ところが、8月の全米オープンではまさかの初戦敗退。昨年日本人初のファイナリストとなり準優勝を果たした舞台で、格下のブノワ・ペール(同41位)に足元をすくわれてしまった。その後、楽天ジャパンオープンでも再びブノワに敗退。不調を危惧する声も上がり始めたなかでの、今回のファイナル参戦。フェデラーとの試合を前に「彼と対戦する時は、初対戦時のような(ワクワクする気持ちが)いつもあります」と、最も尊敬する相手への思いを率直に語った。かつてコーチのマイケル・チャンからは、憧れの気持ちを表に出し過ぎだと注意されたこともある。しかし、錦織はそんな懸念を感じさせない2時間10分ものフルセットの激闘を繰り広げてみせた。敗れはしたものの、不安を吹き飛ばす試合内容に試合後、「自分らしいプレーが戻って良いテニスができている。この自信を来年に持ち込めると思います」と抱負を語った。少年時代から憧れた"伝説の王者"との熱戦で今年を締めくくれたことは、大きな自信回復につながっただろう。来季の初戦は年明け早々1月4日からのブリスベン国際。そして全豪オープンだ。再び錦織圭の“ライジング“が始まる。
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巨星、堕つ・第55代横綱北の湖敏満(11月21日)
また一人昭和の大横綱が逝ってしまった。日本相撲協会・北の湖理事長(62)が、20日午後6時55分、直腸がんと多臓器不全により死去した。今場所前から体調不良が続き、協会挨拶には代理を立てていたが、12日目も会場に出勤して、取材陣に応対していたという。最期まで土俵に殉じた相撲人生だった。
「強過ぎて嫌われた大横綱」「負けた相手に手を差し伸べない美学」など逸話には事欠かない昭和の大横綱・北の湖敏満。...
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また一人昭和の大横綱が逝ってしまった。日本相撲協会・北の湖理事長(62)が、20日午後6時55分、直腸がんと多臓器不全により死去した。今場所前から体調不良が続き、協会挨拶には代理を立てていたが、12日目も会場に出勤して、取材陣に応対していたという。最期まで土俵に殉じた相撲人生だった。
「強過ぎて嫌われた大横綱」「負けた相手に手を差し伸べない美学」など逸話には事欠かない昭和の大横綱・北の湖敏満。出身地の北海道壮瞥町にある「北の湖記念館」には、土俵入りを再現した等身大の模型が展示され、至近距離から見学することができる。鋭い眼光、ヒグマのような巨体。その威容を目の前にすると、人形であることを忘れ、思わず後ずさりしそうになるほどの迫力だ。北の湖の相撲の特徴はその巨体に似合わぬスピード、相手のまわしを切る速さにある。ほとんど止まることなく動き続けるその機動力は、大型化&国際化した平成の力士たちには見られないもの。力任せの強引な相撲や、安易な変化に頼る相撲が多い昨今、大いに参考とすべき点が多いのではないだろうか。
昭和の各大横綱の取り口を評したこんな一文がある。「大鵬は春風、北の湖は台風、千代の富士は疾風」まさに土俵を縦横無尽に暴れまわり猛威を振るった超大型の嵐。それが北の湖だった。最初の理事長時代は不祥事や暴行事件などの問題に翻弄された。ようやく相撲人気が回復し、改革の総仕上げというこの時期での突然の逝去はあまりに早すぎる。その最期もまさしく台風が過ぎ去ったかのような幕引きであった。
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