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離島から初のセンバツに挑む「三十四の瞳」(1月30日)
今年も“センバツ“の季節がやってくる。29日、第88回選抜高校野球大会の出場校が発表され、全国から32校が出揃った。夏の甲子園を沸かせた優勝校・東海大相模や、清宮幸太郎の早稲田実業は出場を逃したが、プロ注目の有望選手も多い見どころのある大会になりそうだ。
昨年センバツを制した福井県・敦賀気比高校はエース・山崎颯一郎、ショート・林中勇輝ら主力が健在。12年ぶり近畿大会優勝の大阪桐蔭は2年連続の出場。...
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今年も“センバツ“の季節がやってくる。29日、第88回選抜高校野球大会の出場校が発表され、全国から32校が出揃った。夏の甲子園を沸かせた優勝校・東海大相模や、清宮幸太郎の早稲田実業は出場を逃したが、プロ注目の有望選手も多い見どころのある大会になりそうだ。
昨年センバツを制した福井県・敦賀気比高校はエース・山崎颯一郎、ショート・林中勇輝ら主力が健在。12年ぶり近畿大会優勝の大阪桐蔭は2年連続の出場。注目は大型左腕・高山優希。2012年以来のセンバツ制覇に挑む。他にも11年ぶり出場、大会最多4度の優勝を誇る愛知・東邦や、秋の明治神宮大会を制した香川の高松商など優勝候補がひしめいている。しかし、昨年準優勝を果たした東海大四(北海道)のようなダークホースが現れるのがセンバツの魅力。紫紺の優勝旗の行方は全くわからない。
さて、センバツのもう一つの話題といえば「21世紀枠」。困難を克服し、他校の模範となる学校が選ばれるこの枠に、今年は岩手の釜石高校、兵庫の長田高校、そして香川の小豆島高校が選ばれた。釜石と長田はその校名の通り、二つの震災でそれぞれ大きな被害を蒙った地区の高校だ。厳しい状況からの復活や、その後の好成績が高く評価された。注目したいのは小豆島高校。瀬戸内の離島・小豆島のこの高校は、昨年の香川県大会決勝で、高松商を下して初優勝を果たしている。四国大会では惜しくも初戦敗退したため、地区代表での出場枠は獲得出来なかったが、明治神宮大会優勝校を延長戦で倒した実力は本物だ。台風の目となる可能性は十分にあるだろう。選手17人全員が島内出身。小説「二十四の瞳」の舞台で知られるこの小さな島の球児たちの奮闘を祈りたい。
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“GREAT CHAMPION OF WHEELCHAIR TENNIS”(1月29日)
まだ、錦織圭が全米オープンのファイナリストになる前の話。すでに4大大会のタイトルを制覇していたロジャー・フェデラーに、ある日本人記者が「何故日本からは世界的な選手が出て来ないのでしょう?」と質問をぶつけた。フェデラーは驚いたようにこう答えたという。「君は何を言っているんだ?日本にはクニエダがいるだろう!」男子車いすテニス界で史上初めて年間グランドスラム(4冠)を達成した男。その最強選手こそ国枝慎吾である。...
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まだ、錦織圭が全米オープンのファイナリストになる前の話。すでに4大大会のタイトルを制覇していたロジャー・フェデラーに、ある日本人記者が「何故日本からは世界的な選手が出て来ないのでしょう?」と質問をぶつけた。フェデラーは驚いたようにこう答えたという。「君は何を言っているんだ?日本にはクニエダがいるだろう!」男子車いすテニス界で史上初めて年間グランドスラム(4冠)を達成した男。その最強選手こそ国枝慎吾である。
これまでの彼の4大大会での優勝回数は世界歴代最多の40回に及ぶ(シングルス・ダブルスともに20回)。27日、その国枝が全豪オープンで初戦敗退という大番狂わせのニュースが世界を駆け巡った。全豪は3年連続優勝中と得意としていたが、7歳年下の若手にストレート負け。4大大会で初の1回戦敗退を喫してしまった。常勝チャンピオンは自身のフェイスブックで「グランドスラムの負けは久しぶり、これからズッシリ来るんだろうなぁ」と悔しさを滲ませた。今年は4大大会以外に4個目の金メダルを目指すパラリンピックも控えている。昨年末のNECマスターズでも4連覇を逃すなど、やや調子を落とし気味にも見えるが、ロンドンパラリンピックでは8か月前に行った肘の手術を乗り越えて金メダルを獲った経験もある。必ずや標準を合わせて調整してくれるだろう。
一方、女子ではダブルスで2014年年間グランドスラム達成の上地結衣が、3年連続のシングルス決勝進出に挑んだが準決勝で敗退。全豪オープン初制覇はお預けとなった。21歳の若き世界的プレーヤー上地。リオ、そして2020東京パラリンピックでの活躍も大いに期待される。リオパラリンピックまであと221日だ。
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悲劇から歓喜へ・歴史を変えたリベンジ集団(1月28日)
ドーハで行われたサッカー男子・リオデジャネイロ五輪アジア最終予選の準決勝。「痺れる試合だった」という指揮官の言葉通り、U-23(23歳以下)日本代表は後半終了間際の劇的な決勝点でイラクに勝利。アトランタ五輪から続く6大会連続のオリンピック出場を決めた。
今回のアジア予選は、最終予選でトーナメント形式を導入している。これまで国際試合でベスト8の壁を破れなかった今のU-23日本代表。しかし4日前、負ければ即五輪出場が消える準々決勝を突破。...
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ドーハで行われたサッカー男子・リオデジャネイロ五輪アジア最終予選の準決勝。「痺れる試合だった」という指揮官の言葉通り、U-23(23歳以下)日本代表は後半終了間際の劇的な決勝点でイラクに勝利。アトランタ五輪から続く6大会連続のオリンピック出場を決めた。
今回のアジア予選は、最終予選でトーナメント形式を導入している。これまで国際試合でベスト8の壁を破れなかった今のU-23日本代表。しかし4日前、負ければ即五輪出場が消える準々決勝を突破。準決勝のイラクとは三回対戦して一度も勝てていなかったが、見事2-1でアジア最強の宿敵を撃破してみせた。一昨年はU-20W杯出場を逃し「谷間の世代」と言われ続けた時期もあった世代が、ついにその呪縛を解いたのだ。「いつかやってやるんだという気持ちが実を結んだ」と選手らを讃えた手倉森監督は“リベンジ”という言葉を何度も口にした。
会場のカタール・ドーハ、そしてイラク戦といえば否応なく思い出されるのが23年前、1993年の「ドーハの悲劇」。今回もあの時を髣髴とさせるアディショナルタイムでの決着だったのは何かの因縁だろうか。この試合で先制ゴールを挙げた久保裕也、決勝弾を決めた原川力は共にその1993年に生まれている。彼らが日本サッカーの負の歴史を塗り替えたことは何とも不思議な巡り合せだった。
そして手倉森監督は、ドーハの悲劇でピッチに倒れこんだカズ、井原、中山ら主力選手と同じ1967年生まれ。20代で引退し、「同期の彼らより先に世界で指導者として立ちたい」という夢を持ち、後進を指導してきた。23年越しの“ドーハの歓喜”は選手、監督、そして日本サッカーにとって悲願のリベンジ達成となった。
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あえて“ルーティン”を崩してみせた最強王者(1月27日)
「弱点がなかなか無い分どこを攻めればいいか悩む事もある」試合後、錦織は唇を噛んだ。全豪オープン男子シングルス準々決勝。錦織圭は世界王者ジョコビッチに0-3のストレートで敗れ、昨年と同じくベスト8で大会を終了した。
互角の展開が変化したのは第1セット第6ゲーム。錦織はサービスゲームを40-0とリードしながら、まさかのブレークを喫する。そこからはジョコビッチの世界一の守りの前に、徐々に攻め手を封じられていく。...
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「弱点がなかなか無い分どこを攻めればいいか悩む事もある」試合後、錦織は唇を噛んだ。全豪オープン男子シングルス準々決勝。錦織圭は世界王者ジョコビッチに0-3のストレートで敗れ、昨年と同じくベスト8で大会を終了した。
互角の展開が変化したのは第1セット第6ゲーム。錦織はサービスゲームを40-0とリードしながら、まさかのブレークを喫する。そこからはジョコビッチの世界一の守りの前に、徐々に攻め手を封じられていく。第3セットでようやく初ブレークを奪うが、すぐにラブゲームでブレークバックされるなど、圧倒的な“王者のテニス”に錦織の果敢な攻撃は粉砕され続けた。自身で「ゲームを落としてからミスが増え出した」と振り返った通り、勝負を分けたのはミスの差だった。苦しい試合展開の中、勝負所でのドロップショットやスマッシュが幾度もラインを割ってしまう。サービスゲームでもダブルフォルトを連発、最後まで自分のペースでゲームを作ることができなかった。「アンフォーストエラー」即ちチャンス時に凡ミスを犯す場面が急増し、4回戦までの安定感は影を潜めた。一方のジョコビッチは、4回戦では4時間半の死闘を強いられ、何とアンフォーストエラーを100本も記録していた。今大会中「良いテニスが出来ているのでこの調子でいきたい」と答えていた錦織とは好対照に見えたが、蓋を開けてみればジョコビッチは相変わらず鉄壁の牙城だった。「昨日はあえてルーティンを崩した。全く練習をしなかったよ」とコートで笑顔を見せたジョコビッチ。不調を感じるや、臨機応変に順応するのは流石歴戦の王者の経験のなせる技か。錦織の次戦はマスターズ。彼もまた修正すべき点を見つけ、再び新たなる戦いへと挑む。
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10年ぶり “日本出身力士“優勝の意味(1月26日)
公約通り、賜杯を抱いた大関の傍らには、愛する女性の姿があった。熱戦が繰り広げられた大相撲初場所は大関・琴奨菊の初優勝で幕を閉じた。食事のケアなど体調管理でもサポートしてくれた愛妻と今週末、最高の形で披露宴を挙げることとなる。心から祝福したい。
インタビューで日本出身力士10年ぶりの優勝について質問が及ぶと、琴奨菊は「私の初優勝がたまたま日本人の優勝だったということで…」と笑顔で応じた。大相撲中継でも盛んに「日本出身」という点が強調されたが、それは去年惜しまれつつ引退した旭天鵬が、2012年(平成24・夏)に史上最年長で初優勝を飾っているためだ。...
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公約通り、賜杯を抱いた大関の傍らには、愛する女性の姿があった。熱戦が繰り広げられた大相撲初場所は大関・琴奨菊の初優勝で幕を閉じた。食事のケアなど体調管理でもサポートしてくれた愛妻と今週末、最高の形で披露宴を挙げることとなる。心から祝福したい。
インタビューで日本出身力士10年ぶりの優勝について質問が及ぶと、琴奨菊は「私の初優勝がたまたま日本人の優勝だったということで…」と笑顔で応じた。大相撲中継でも盛んに「日本出身」という点が強調されたが、それは去年惜しまれつつ引退した旭天鵬が、2012年(平成24・夏)に史上最年長で初優勝を飾っているためだ。旭天鵬はモンゴル出身だが、すでに2005年に日本国籍を取得し帰化していた。よって、「日本人の優勝」としては旭天鵬以来4年ぶりということになる。現在、幕内力士42人中、実に15人が外国出身力士。日本人の優勝がなかったというのはその間、外国人力士が盛り上げて土俵を守ってきたという証だ。あまり「日本人の優勝」に拘るなという意見もあるだろう。ちなみにブラジル出身の魁聖もすでに日本国籍を取得している。彼は祖父母が日本人の日系3世だ。また、日本出身の中にはハーフの力士もいる。国際化が進んだ中、もはや日本、日本人というカテゴリーで力士を捉えるのも用を成さなくなってきているのかもしれない。
その一方で、出身地に特別な思いを寄せるのも大相撲の特色だ。四股名に地名・名勝が盛り込まれ、取組前に各力士の出身地まで紹介される。こんな競技は珍しいだろう。日本全国、世界各国のご当地力士たち。その活躍に一喜一憂するのもまた相撲観戦の醍醐味である。今年はどんな力士の活躍が見られるか、期待に胸が膨らむ。
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