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次世代のエースが失ったかけがえのないもの(4月9日)
「非常に残念…心より謝罪申し上げたい」日本バドミントン協会・銭谷欽治専務理事は言葉に詰まり号泣した。桃田賢斗と田児賢一が関わった闇カジノ賭博。日本バドミントン史上初の五輪メダルの期待がかかっていた桃田は、リオデジャネイロ五輪に出場できない見通しとなった。
遠征先のマレーシアから緊急帰国した両名は8日、都内で記者会見を開いた。桃田は昨年の世界選手権の男子シングルスで日本初となる銅メダルを獲得。12月のスーパーシリーズファイナルズのシングルスでは優勝を果たし、年間王者に輝いた。...
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「非常に残念…心より謝罪申し上げたい」日本バドミントン協会・銭谷欽治専務理事は言葉に詰まり号泣した。桃田賢斗と田児賢一が関わった闇カジノ賭博。日本バドミントン史上初の五輪メダルの期待がかかっていた桃田は、リオデジャネイロ五輪に出場できない見通しとなった。
遠征先のマレーシアから緊急帰国した両名は8日、都内で記者会見を開いた。桃田は昨年の世界選手権の男子シングルスで日本初となる銅メダルを獲得。12月のスーパーシリーズファイナルズのシングルスでは優勝を果たし、年間王者に輝いた。田児は2013年まで全日本総合選手権で男子シングルス6連覇。昨秋からは代表を辞退していたが、長年日本のバドミントン界を牽引してきた。後輩の選手にも積極的にアドバイスを行い、桃田にとって大きな存在となっていた。桃田は高校時代に福島で東日本大震災に被災。練習環境を失った彼を熱心に指導し、住まいまで世話をしたのが田児だったという。
12月の優勝記者会見で優勝賞金約960万円の使い道を聞かれ「僕が派手な生活をして、子どもたちが憧れてくれればいい」と語った桃田。先月、東京ドームで巨人戦の始球式を務めた際は「ジャイアンツのようにファンの皆さまから愛され、応援し続けて頂ける選手を目指し頑張っていきます」とのコメントを発表していた。バドミントンをもっとメジャーにしたいという思いは真剣だっただろう。もしリオ五輪でメダルを獲得すれば、彼の顔を知らぬ者はいなくなった筈だ。だが、最悪の形で全国にその認知度を広めてしまった。子供たちの見本になるという決意はどこでボタンを掛け違えてしまったのか。桃田が失ったのは五輪出場やメダルだけではない。発展が期待されていたバドミントンという競技そのものに与えた損失は余りに大きい。
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鮮烈デビュー「彼は”キング・ケンタ“だ!」(4月8日)
「この瞬間を味わうために来たので、本当にドジャースに入れて良かった」その顔には充実感があふれていた。ロサンゼルス・ドジャースの前田健太がついにメジャーリーグデビュー。初登板を見事白星で飾った。
敵地での開幕第三戦、連勝で波に乗るドジャース。いきなり4点の大量援護をもらった前田は、初回を3人で抑える完璧な立ち上がり。2回は意表を突くセーフティーバントに、得意としているフィールディングで珍しく送球が乱れ、初ヒットを許す。...
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「この瞬間を味わうために来たので、本当にドジャースに入れて良かった」その顔には充実感があふれていた。ロサンゼルス・ドジャースの前田健太がついにメジャーリーグデビュー。初登板を見事白星で飾った。
敵地での開幕第三戦、連勝で波に乗るドジャース。いきなり4点の大量援護をもらった前田は、初回を3人で抑える完璧な立ち上がり。2回は意表を突くセーフティーバントに、得意としているフィールディングで珍しく送球が乱れ、初ヒットを許す。自身の初エラーも記録されたが、動揺することなく後続をきっちりと抑えた。
そしてこの日最大の見せ場は、4回のドジャースの攻撃。指名打者制のないナショナルリーグで2打席目に入った前田が、二球目を鋭く振り抜くと打球はレフトスタンドへ。メジャー初ヒットはまさかのソロホームランになった。高校時代、PL学園では四番を務め、打撃センスには定評がある。日本プロ野球でも本塁打を2本記録しているが、メジャーでの初アーチには前田自身も「びっくりしましたね」と思わず白い歯がこぼれた。長いドジャースの歴史で、デビュー戦の投手がホームランを打ったのは実に69年ぶりだという。ちなみにこれが今季のドジャースのチームとしての初本塁打となった。
結局6回を投げ、無失点。7-0でドジャースが勝利し、これで3試合連続完封と開幕から27イニング無失点を継続中だ。一方、相手チーム・パドレスのファンのフラストレーションは爆発寸前に。前田にも容赦ない大ブーイングが巻き起こったが、そんなプレッシャーのかかるなか集中を切らさずに投げ抜いたことは大きな自信になったことだろう。前日にはマリナーズの岩隈も5回を投げ2失点と好投。日本人投手の活躍が期待できそうな2016シーズンである。
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メジャーリーグ開幕・2016年の田中将大は?(4月7日)
日本のプロ野球開幕から遅れること10日、アメリカ大リーグも2016年シーズンがスタートした。ニューヨーク・ヤンキースの開幕投手は2年連続で田中将大。日本人としては野茂英雄以来2人目の栄誉となった。対戦相手は昨シーズン、最後にワイルドカードゲームで敗れたアストロズ。相手の先発もその時と同じダラス・カイケルという、リベンジのかかった舞台。しかし雨で順延になり、翌日のスライド登板に。日本でも有名だったマー君の“雨男“ぶり。...
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日本のプロ野球開幕から遅れること10日、アメリカ大リーグも2016年シーズンがスタートした。ニューヨーク・ヤンキースの開幕投手は2年連続で田中将大。日本人としては野茂英雄以来2人目の栄誉となった。対戦相手は昨シーズン、最後にワイルドカードゲームで敗れたアストロズ。相手の先発もその時と同じダラス・カイケルという、リベンジのかかった舞台。しかし雨で順延になり、翌日のスライド登板に。日本でも有名だったマー君の“雨男“ぶり。ジンクスはアメリカでも健在だった。
ヤンキースGM特別補佐・松井秀喜が始球式を行ったオープニングゲーム。この日のヤンキースタジアムは気温2度と格段の冷え込み。強風も吹き、厳しいコンディションのなか、田中は3回までノーヒットに抑える上場の滑り出しをみせる。しかし6回2死から昨年の新人王・コレアにホームランを浴び、同点にされてしまう。その後も四球を出し、結局この回での降板となった。その後、後続が打たれヤンキースは開幕白星を逃したが、田中に負けはつかなかった。5回2/3で被安打4、失点2という内容に試合後の会見では、「自分の中で手応えを感じている部分はあります」と納得した様子だった。昨シーズンは5失点で黒星発進だったのを思えば、上出来だろう。昨オフには右肘の骨片除去手術に踏み切った。オープン戦4試合での防御率は7・36と振るわなかったが、この日の投球で、その不安を感じさせなかった事は朗報といえる。
今シーズンも田中の入場曲は“ももいろクローバーZ”。ヤンキースタジアムだけの書き下ろし曲「GET Z、 GO!!!!!」は田中自身も作詞に参加したというお気に入りのナンバーだ。次回の登板は10日のタイガース戦。今シーズンの初白星ゲットとなるかどうか?
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「前人未到の記録」と「空前絶後の新技」(4月6日)
「皆さんに申し訳ない」前人未到の偉業達成後、全日本王者の口から最初に飛び出したのはお詫びの言葉だった。東京・国立代々木競技場で行われた体操の全日本個人総合選手権。3日、男子はリオ五輪代表に内定している内村航平が91・300点で9連覇を達成。昨年の世界選手権個人総合6連覇に続く栄誉を手にした。
それにもかかわらず反省の弁が出たのは、彼らしからぬミスが複数の種目で相次いだことに対してだった。特につり輪、跳馬、平行棒では失敗が続き、「最初の床で着地が決まっていたら違ったかもしれない」と、波に乗れていなかったことを認めた。...
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「皆さんに申し訳ない」前人未到の偉業達成後、全日本王者の口から最初に飛び出したのはお詫びの言葉だった。東京・国立代々木競技場で行われた体操の全日本個人総合選手権。3日、男子はリオ五輪代表に内定している内村航平が91・300点で9連覇を達成。昨年の世界選手権個人総合6連覇に続く栄誉を手にした。
それにもかかわらず反省の弁が出たのは、彼らしからぬミスが複数の種目で相次いだことに対してだった。特につり輪、跳馬、平行棒では失敗が続き、「最初の床で着地が決まっていたら違ったかもしれない」と、波に乗れていなかったことを認めた。しかし、最終の鉄棒では圧巻の演技を披露。万が一落下すれば連覇が途絶えるプレッシャーのかかる場面で、G度のカッシーナを成功。手放し技を次々に美しく決め、優勝を手繰り寄せた。「自分だけ代表の内定をもらっているのに、こういう内容では『大丈夫かな?』っていう目で見られるので、しっかりと仕上げていきたい」とリオに向けての調整を誓った。
その内村をして「開いた口がふさがらなかった」と驚愕させたのは、19歳の白井健三だった。床では世界随一のスペシャリストだが、この日は平行棒や跳馬でも高得点をマーク。最後の床の演技ではG難度の大技「リ・ジョンソン」(2回宙返り3回ひねり)を難なく決め、堂々の2位。昨年は11位だったこの大会で、オールラウンダーとしての実力を見せつけた。
今回リオ代表の座にまた一歩近づいた白井。昨年末の種目別では、床で初めてのH難度を誕生させたばかり。この新技は今年2月に国際体操連盟によって「シライ3」と命名された。内村が個人総合で連覇をスタートしたのは2008年。ちょうど白井と同じ19歳の時だった。いま、体操界に新たな伝説が始まろうとしている。
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日本お家芸復活へ・リオに向かう14人の戦士(4月5日)
柔道の男女12階級のリオ五輪代表選手が決まり、都内で会見を行った。選考の透明性を高めるため、今回は初めて評価委員会の様子が報道陣にも公開。直前に行われた全日本体重別選手権では、本命候補が敗れる波乱もあった。
浅見八瑠奈と近藤亜美の争いとなった女子48kg級。昨年末のグランドスラム東京決勝では近藤がラスト30秒からの大逆転で浅見を破った。再び二人の一騎打ちかと思われたが、1回戦で浅見がまさかの敗退。...
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柔道の男女12階級のリオ五輪代表選手が決まり、都内で会見を行った。選考の透明性を高めるため、今回は初めて評価委員会の様子が報道陣にも公開。直前に行われた全日本体重別選手権では、本命候補が敗れる波乱もあった。
浅見八瑠奈と近藤亜美の争いとなった女子48kg級。昨年末のグランドスラム東京決勝では近藤がラスト30秒からの大逆転で浅見を破った。再び二人の一騎打ちかと思われたが、1回戦で浅見がまさかの敗退。世界選手権で過去2度の優勝を誇る浅見だが、ロンドンに続きまたしても五輪代表の座を射止めることはできなかった。見事優勝を果たし、初の代表に内定したのは二十歳の近藤。代表会見では「伝統ある48kg級で五輪に挑戦できることを誇りに思う。最年少なので元気と勢いのある畳の上で跳ねるような柔道をしたい」と力強くアピールした。
女子57kgはロンドン五輪金メダリストの松本薫が準決勝で一本負けする番狂わせが。「“待て”という声が聞こえたので力を抜いてしまった」と、観客席からの声を審判の声と勘違いしたと悔やんだ。だが、昨年の世界選手権優勝などこれまでの実績のリード分がものを言い、二大会連続の代表に選出された。「改めてああいう間違いはしないよう心を引き締めないといけない」と気持ちを入れ直していた松本。五輪本番前に良い教訓となったことだろう。
リオでは最大6つの金メダルを目標とする日本柔道。代表が未定なのは女子78キロ超級と男子100キロ超級を残すのみ。100キロ超級は2015世界選手権銀メダルの七戸龍と、2日、その七戸に勝利し、体重別選手権を制した原沢久喜の争いだ。世界選手権8年連続優勝中の最強王者、テディ・リネールに挑むことになるのは果たしてどちらだろうか?
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