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12年目の“交流戦”・ボールパークへようこそ(6月1日)
今年もプロ野球交流戦のシーズンがやってきた。2004年に吹き荒れたプロ野球再編問題を契機に、セ・パ両リーグが合意して始まった他リーグとの公式戦。それまでオープン戦や日本シリーズでしかありえなかったカードの実現は、大きな注目を集め、各球場には多くのファンが詰めかけて大きな成功を収めてきた。
昨季から試合数は各チーム18試合に削減され、対戦も変則的な3連戦になったため、必ずしもホーム&ビジター形式での対戦ではなくなったが、各チームのファンにとって普段はなかなか足を運ばない球場へ観戦に行ける楽しみは健在だ。...
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今年もプロ野球交流戦のシーズンがやってきた。2004年に吹き荒れたプロ野球再編問題を契機に、セ・パ両リーグが合意して始まった他リーグとの公式戦。それまでオープン戦や日本シリーズでしかありえなかったカードの実現は、大きな注目を集め、各球場には多くのファンが詰めかけて大きな成功を収めてきた。
昨季から試合数は各チーム18試合に削減され、対戦も変則的な3連戦になったため、必ずしもホーム&ビジター形式での対戦ではなくなったが、各チームのファンにとって普段はなかなか足を運ばない球場へ観戦に行ける楽しみは健在だ。昨シーズンはセ・パともに観客動員数1000万人を突破。特にカープ、ベイスターズ、スワローズは二桁を超える大幅な伸びを見せた。女性ファンなど新しくファンになった方々には、初めて足を運ぶスタジアムで、是非そのチーム独特の応援スタイルやファンサービスを満喫してきて欲しい。また、最近は変わりつつあるが、パ球団のファンには交流戦を「セ・パ対抗戦」とみる意識も強く、パ・リーグ全体を応援する傾向がある。無論同リーグの他球団が全敗してくれたほうが“独り勝ち”で順位を上げられるのだから、敵チームを応援するのはナンセンスだという意見もあるだろう。そういう両リーグのファン気質の違いもまた面白い見どころだ。
交流戦の実現は観客動員で苦しんできたパ・リーグ球団にとって宿願。ドル箱のジャイアンツ戦・タイガース戦などの開催は夢だった。だが、前述のとおり試合数自体は徐々に削減されてきている(36→24→18)セ球団にとっては人気球団との対戦が減ることへの抵抗感は強いと思うが、NPB全体の発展、ひいては野球文化の益々の隆盛のためにも、この“交流”をこれからも継続して欲しいところである。
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ダルビッシュ、「2人の母親」へのプレゼント(5月31日)
ダルがメジャーのマウンドに帰ってきた。およそ1年9か月ぶりの先発。地元テキサス・アーリントンでの復帰戦はチケットが完売。レンジャーズのファンはエースの復活に沸き立った。
去年3月に右ひじの腱移植主術(トミージョン)を行ったダルビッシュ有。今月に入ってからはマイナーリーグで調整を続け、5試合登板し20イニングで被安打9の4失点(自責点は2)と上々の仕上がり。復帰戦の相手パイレーツとは13年シーズンに対戦があるが、1失点と好投したものの援護がなく敗戦投手となっていた。...
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ダルがメジャーのマウンドに帰ってきた。およそ1年9か月ぶりの先発。地元テキサス・アーリントンでの復帰戦はチケットが完売。レンジャーズのファンはエースの復活に沸き立った。
去年3月に右ひじの腱移植主術(トミージョン)を行ったダルビッシュ有。今月に入ってからはマイナーリーグで調整を続け、5試合登板し20イニングで被安打9の4失点(自責点は2)と上々の仕上がり。復帰戦の相手パイレーツとは13年シーズンに対戦があるが、1失点と好投したものの援護がなく敗戦投手となっていた。ダルビッシュ、注目の立ち上がりだったが、いきなり先頭打者にセンター前安打。その後味方のエラーで三塁までランナーを進められたが、150km台の速球で後続を打ち取り得点を許さない。その直後の1回裏、ホームランなどで3点の援護をもらうと、2回以降は安定した投球でパイレーツ打線を封じ込めていく。4回には内野ゴロで素早く1塁カバーに入り、ブランクを感じさせぬ守備を披露。最後はタイムリーで1点を失ったものの最少失点にとどめた。結局5回で3本しかヒットを許さず、奪三振は7個。復帰戦を白星で飾り、試合後は「ちゃんとスピードも出て、いいボールが投げられたので良かったと思う」と好感触の様子だった。リハビリ中は肉体改造に努め、体重を107kgへビルドアップ。球威は増し、フィールディングにもキレがあった。この増量は成功だと見える。
リタイア中、元アマレス世界女王の山本聖子さんとの同棲を公表し、昨年には男子も誕生。聖子さんと、この日がちょうど誕生日だった母親も復帰戦を球場で見届けていた。この勝利は3週間遅れの“母の日プレゼント”となった。得るものも多かった休養期間。愛する人の支えを得て、ダルは再び高みへと駆け上っていく。
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リオへ挑む「龍神NIPPON」・運命の7連戦(5月29日)
東京体育館で再び開幕したリオへの戦い。4大会連続の五輪出場を決めたバレーボール全日本女子に続く、男子の世界最終予選兼アジア予選(OQT)初日。北京以来2大会ぶりの五輪出場を目指す“龍神NIPPON”初戦の相手はベネズエラ。試合は第1セットを奪われるも、「NEXT4」の柳田将洋、石川祐希らの活躍で逆転し、セットカウントをタイに持ち込むと、続く第3第4セットを連取し、無事に白星発進を決めた。試合後、柳田は「初戦なので思い切りやろうという気持ちを一番に考えてやっていました」と心境を語った。...
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東京体育館で再び開幕したリオへの戦い。4大会連続の五輪出場を決めたバレーボール全日本女子に続く、男子の世界最終予選兼アジア予選(OQT)初日。北京以来2大会ぶりの五輪出場を目指す“龍神NIPPON”初戦の相手はベネズエラ。試合は第1セットを奪われるも、「NEXT4」の柳田将洋、石川祐希らの活躍で逆転し、セットカウントをタイに持ち込むと、続く第3第4セットを連取し、無事に白星発進を決めた。試合後、柳田は「初戦なので思い切りやろうという気持ちを一番に考えてやっていました」と心境を語った。ところが、続く2戦目の中国戦は全く持ち味が出せず、まさかのストレート負け。アジア勢では最もランク下位の相手に不覚を喫した。序盤から1勝1敗と厳しい星勘定となった運命の7連戦。五輪出場の条件は、女子と同様「アジア最上位1チームと、その1チームを除いた上位3チーム」である。残る5試合も気の抜ける試合は一つもない。3試合目の相手は世界ランク2位、世界バレー2014優勝国のポーランド。そして4戦目はアジア最強の敵イラン(世界ランク8位)が待ち構える。その後も日本よりランク上位に位置する3か国(豪、カナダ、仏)との対戦が続く…。
バルセロナ五輪後、幾度も五輪出場を逃し、冬の時代が続いていた男子バレー界。注目度も実績も女子の後塵を拝する日々が続いていたが、南部監督が「NEXT4」ら新戦力を起用して以降は、成績と共に人気も急上昇。今回のOQTの前売り券も完売している状況だ。北京五輪OQTでは、16年ぶりの出場を決めた瞬間、チームを率いた植田辰哉監督がコートを抱きしめるよう大の字に伏せ、歓喜にむせび泣いた光景が印象的だった。あの感動の再現なるか?激戦の行方を見守りたい。頑張れNIPPON!
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オリンピアン&パラリンピアンを繋ぐ“桜の花”(5月28日)
リオデジャネイロオリンピック開幕まであと70日、パラリンピックまでは100日を切った。26日には8名の代表選手が、日本選手の着用する公式スポーツウエアのお披露目を行った。
今回のコンセプトは「コネクト=つなぐ」。男子は白、女子は赤を基調とし、胸の赤字部分には「桜の花」のデザインがあしらわれている。体操の加藤凌平は「とても日本らしくて素敵です。表彰台ではこの桜の花のように笑顔も満開に出来ればいいなと思います」と抱負を語った。...
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リオデジャネイロオリンピック開幕まであと70日、パラリンピックまでは100日を切った。26日には8名の代表選手が、日本選手の着用する公式スポーツウエアのお披露目を行った。
今回のコンセプトは「コネクト=つなぐ」。男子は白、女子は赤を基調とし、胸の赤字部分には「桜の花」のデザインがあしらわれている。体操の加藤凌平は「とても日本らしくて素敵です。表彰台ではこの桜の花のように笑顔も満開に出来ればいいなと思います」と抱負を語った。
このユニフォームには、デザインばかりでなく素材にも秘密がある。世界で初めて100%植物素材が使われており、耐久性・通気性ともに抜群の優れものだ。前回ロンドンパラリンピック金メダルのゴールボール・天摩由貴はポロシャツについて「生地が柔らかくてサラサラしている。トレーニング後のウエアとしてもいい」と称賛。表彰式だけでなく、大会中にこのユニフォームを目にする機会も多くなりそうだ。
満面の笑顔で会見に望んでいたのは車いすマラソン代表で夏冬合計7度目の出場・土田和歌子。「このナショナルチームのカラー、赤がすごく気合が入りますね。テンション上がりました」と、42歳のベテランは気合十分。実は今回のリオ大会では、初めて五輪とパラリンピックの選手団が同じデザインのウエアを着る。文部科学省も一体的な競技力強化を目指しており、両選手の連帯感を生む素晴らしい試みと言えよう。
女子初の五輪4連覇に挑むレスリング・吉田沙保里も「この夏は桜で満開にしたい。日本選手団一丸となって2020年東京オリンピック・パラリンピックにつながる大会に出来たらいいなと思います」と決意を述べた。また今回も、大勢のオリンピック・パラリンピック両メダリストによる、合同凱旋パレードを期待したい。
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日本勢、ACL8強ならず・浦和の過酷な戦い(5月27日)
「…まあ、悔しい気持ちしかないですね」浦和レッズの主将・阿部勇樹は試合後のインタビューで厳しい表情のまま唇を噛んだ。
アジアナンバー1クラブを決めるACL(アジアチャンピオンズリーグ)決勝トーナメントの1回戦。日本勢で唯一残っていた浦和レッズと韓国・FCソウルとの第2戦は死闘というべき大激戦となった。先週ホームの第一戦で先勝したレッズ。25日の敵地ソウルワールドカップスタジアムでの第2戦は、引き分けでもベスト8進出が決まる有利な状況だった。...
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「…まあ、悔しい気持ちしかないですね」浦和レッズの主将・阿部勇樹は試合後のインタビューで厳しい表情のまま唇を噛んだ。
アジアナンバー1クラブを決めるACL(アジアチャンピオンズリーグ)決勝トーナメントの1回戦。日本勢で唯一残っていた浦和レッズと韓国・FCソウルとの第2戦は死闘というべき大激戦となった。先週ホームの第一戦で先勝したレッズ。25日の敵地ソウルワールドカップスタジアムでの第2戦は、引き分けでもベスト8進出が決まる有利な状況だった。だが、前半に一瞬の隙を突かれ先取点を奪われたレッズは、0-1で90分を終了。延長戦は2点ずつを奪い合う展開で、2戦合計3-3の同点となりPK戦に突入。決着は8人目のキッカーまでもつれ込み、勝利の女神は最後にFCソウルに微笑んだ。レッズは08年以来となる準々決勝進出を逃し、日本チームはこれで全て姿を消した。
国内のリーグ戦と並行して行われる厳しい試合日程…それに加えて他国リーグとの戦いならではのトラブルに見舞われることもあるACL。1次リーグ、浦和レッズがホームで迎えた浦項スティーラース戦では、試合後に浦項の一部選手が巻いていたテーピングをはがし、ピッチ上へまき散らすという行為に及び、両チームの選手が乱闘寸前の事態に陥った。ここまで体力的にも精神的にも非常にシビアなゲームを続けてきた選手たちには心より敬意を表したいと思う。
それにしてもレッズとFCソウルの激闘は手に汗握る熱戦だった。Jリーグと韓国Kリーグで共に最高の観客動員を誇るチーム。試合後はそれぞれのサポーターが相手チームに温かい拍手を送っていた。このような光景こそACLの目指すべき姿だろう。レッズをはじめJリーグチームには来季こそアジア王座奪還を期待したい。
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