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波乱続きの前半戦・秋場所を制するのは誰だ?(9月20日)
大相撲秋場所も中日八日目を終えた。大横綱・白鵬の休場にも関わらず、国技館は満員札止めという盛況ぶりが続いている。場所前は稀勢の里の綱取りに大きな注目が集まっていたが、前半戦の展開は意外な様相を呈してきた。稀勢の里が序盤戦で星を落とし、早くも初優勝に黄色信号。連日横綱・大関陣に土が付く波乱の展開を生んだのは、前頭筆頭の隠岐の海だ。
独特の神事「古典相撲」で知られる隠岐群島の出身。三賞受賞経験も二度ある実力者だが、これまで上位ではなかなか歯が立たない場面が多かった。...
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大相撲秋場所も中日八日目を終えた。大横綱・白鵬の休場にも関わらず、国技館は満員札止めという盛況ぶりが続いている。場所前は稀勢の里の綱取りに大きな注目が集まっていたが、前半戦の展開は意外な様相を呈してきた。稀勢の里が序盤戦で星を落とし、早くも初優勝に黄色信号。連日横綱・大関陣に土が付く波乱の展開を生んだのは、前頭筆頭の隠岐の海だ。
独特の神事「古典相撲」で知られる隠岐群島の出身。三賞受賞経験も二度ある実力者だが、これまで上位ではなかなか歯が立たない場面が多かった。それが初日で稀勢の里を一方的に寄り切ると、鶴竜・日馬富士・照ノ富士・琴奨菊を連破。攻め込まれながらも柔らかい粘り腰で凌ぎ切り、逆転勝利を重ねていった。平幕力士が横綱・大関に初日から4連勝を決めたのは昭和以降初めての快挙だ。抜群の才能を秘めながら、稽古不足を指摘されることもしばしばあった実力派力士が、遂に真価を発揮し始めたようだ。
その“隠岐の海旋風“をストップさせ、横綱・大関総なめを阻止したのは、稀勢の里と同い年の大関・豪栄道である。豪栄道が大関に昇進したのはちょうど二年前の秋場所。だが、その後の成績は低迷し、今場所もカド番で臨むこの大関への関心は、あまり高いものではなかった。だが、豪栄道は夏場所の白鵬との対戦でかち上げを顔面に受け、左目の内側を骨折するというアクシデントに遭っている。あえて手術をせず挑んだ先場所の名古屋で7勝8敗の負け越しを喫したとはいえ、患部を圧迫出来ない状態では、同情すべき面があったと言えるだろう。
八日目まで全勝で大関昇進後初のストレートで勝ち越しを決めた豪栄道。カド番脱出とともに優勝争いの先頭を走る。このチャンスを生かし、一気に賜杯を手にすることが出来るだろうか?
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“超人“&”鳥人“たちの美しき大ジャンプ(9月19日)
リオデジャネイロパラリンピック陸上男子走り幅跳び(T42)で、日本のエース・山本篤が自己ベストに並ぶ大ジャンプを決め、銀メダルを獲得した。決勝の出場選手で6mを超す記録を持っていたのは、世界選手権二連覇中の山本のほかに、前世界記録保持者D・ワグナー(デンマーク)、そして今年その記録を塗り替えたH・ポポフ(ドイツ)の3名。金メダル争いはこの3人に絞られていった。
6回の跳躍のうち、1本目でいきなりポポフが大会新記録の6m70を達成。...
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リオデジャネイロパラリンピック陸上男子走り幅跳び(T42)で、日本のエース・山本篤が自己ベストに並ぶ大ジャンプを決め、銀メダルを獲得した。決勝の出場選手で6mを超す記録を持っていたのは、世界選手権二連覇中の山本のほかに、前世界記録保持者D・ワグナー(デンマーク)、そして今年その記録を塗り替えたH・ポポフ(ドイツ)の3名。金メダル争いはこの3人に絞られていった。
6回の跳躍のうち、1本目でいきなりポポフが大会新記録の6m70を達成。続いてワグナーも負けじと2本目で6m50を跳んできた。一方の山本は連続でファール。2本終わった時点で全8名の選手中、唯一の記録なしに。だが、山本は焦らずに集中力を高めていく。他のライバルたちのジャンプには目を向けずに静かに出番を待った。そして3回目のジャンプで6m47を決めて3位に浮上すると、4回目のジャンプ前には会場に向かって手拍子を要求。盛り上がる大声援を後押しに、見事にアジア記録の6m62を叩き出して見せた。これぞ世界選手権王者の意地。その後6本目まで6m50超の大ジャンプを連続で決めたが、惜しくも8cm差での銀メダルとなった。幅跳びのメダル獲得は北京の銅以来2大会ぶり、リオでは400mリレー・銅との2冠達成だ。「1位から3位までが12cmぐらいしかない中で勝負ができたのは、ものすごく楽しかったです(山本)」脚を横に投げ出す華麗な跳躍は、見る者の心を震わす美しさだった。翌日の走り幅跳び(T44)では、ドイツのマルクス・レームが8m21cmの大会新記録で金メダルを獲得。リオ五輪の金メダルレコードに17cm差にまで迫ってみせた。パラ競技が新次元へ突入していると実感させる「超人」たちの跳躍。その神業に酔いしれた。
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果てなき挑戦・絶対王者の新たなシーズン開幕(9月17日)
羽生結弦が今シーズンのプログラムを報道陣に初披露。2016ー17シーズンの始動だ。昨シーズンはグランプリファイナルで、SP・フリー・トータルそれぞれで世界最高得点を記録し、先月ギネス世界記録に認定されたばかり。今季のSP新プログラム曲はプリンスの「Let’s Go Crazy」(1984)。4月に夭逝したカリスマミュージシャンのアップテンポな大ヒット曲を選択した。昨季の「ショパンバラード第1番」から大きく趣を変えてきた感じだ。...
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羽生結弦が今シーズンのプログラムを報道陣に初披露。2016ー17シーズンの始動だ。昨シーズンはグランプリファイナルで、SP・フリー・トータルそれぞれで世界最高得点を記録し、先月ギネス世界記録に認定されたばかり。今季のSP新プログラム曲はプリンスの「Let’s Go Crazy」(1984)。4月に夭逝したカリスマミュージシャンのアップテンポな大ヒット曲を選択した。昨季の「ショパンバラード第1番」から大きく趣を変えてきた感じだ。今回の選曲については「ボーカルもあるので、一つ一つの音や声に注意を傾けながら、自分自身がノッて滑っていければ」と話す。
そんな彼が今回挑むのは、まだ誰も競技会で成功させたことのない“4回転ループ”である。何と冒頭にいきなりこの超難度の大技を入れてきた。さながら“クレイジーな新しい世界へようこそ!”といったところか?一方のフリー使用曲は日本を代表する作曲家・久石譲の楽曲。長野パラリンピックの演出で用いられた2つの曲を組み合わせた「Hope&Legacy」だ。こちらは美しい旋律の中に、「和」のテイストも感じさせるピアノ曲となっている。陰陽師・安倍晴明をモチーフにした「SEIMEI」から続くテーマ。羽生がこだわる日本的な世界観を紡ぎ出すのが狙いだろう。このフリーもいきなり4回転ループからのスタート。世界最高得点を叩き出したプログラムでは3本だった4回転のジャンプを更に1本追加する。実に8つのジャンプのうち半分が4回転という途轍もなく難易度の高い構成となる予定だ。「こういう挑戦をしていくことによって、絶対に得られるものっていうのは大きいと思う(羽生)」彼はどこまで新しい世界を見せてくれるのだろう?それは9月29日、オータムクラシックで幕が開く。
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日本悲願のメダル獲得!涙にくれた上地結衣(9月16日)
パラリンピック車いすテニス女子で日本初のメダルリストの誕生だ。開会式では日本選手団の旗手も務めた上地結衣が、シングルス3位決定戦をストレートで勝利し、銅メダルを獲得した。
上地は現在世界ランキング2位。4大大会での優勝経験もあり、男子の国枝慎吾と共にメダルへの大きな期待がかかっていた。しかし、準決勝のランキング4位、アニク・ファンクートとの一戦はフルセットの激闘の末に惜敗。「勝つチャンスはあったと思いますね…すごく悔しいです」試合後は言葉に詰まり、悔し涙を流した。...
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パラリンピック車いすテニス女子で日本初のメダルリストの誕生だ。開会式では日本選手団の旗手も務めた上地結衣が、シングルス3位決定戦をストレートで勝利し、銅メダルを獲得した。
上地は現在世界ランキング2位。4大大会での優勝経験もあり、男子の国枝慎吾と共にメダルへの大きな期待がかかっていた。しかし、準決勝のランキング4位、アニク・ファンクートとの一戦はフルセットの激闘の末に惜敗。「勝つチャンスはあったと思いますね…すごく悔しいです」試合後は言葉に詰まり、悔し涙を流した。休む間もなく、その試合後には、ベテランの二條実穂と組んだダブルスの3位決定戦に出場。相手は上地が2014年の全豪オープンでグランドスラム初優勝して以来のパートナーであるイギリスのジョーダン・ホワイリーのペア。大の親友であり、頼れる相棒が今度は強敵として上地の前に立ちはだかる。互いの手の内をよく知る者同士の対戦は息詰まる攻防に。だが、上地組は1-2で敗れ、この試合でも悲願のメダル獲得はならなかった。一方、同日男子シングルスでは3連覇を目指した国枝慎吾が準々決勝で格下選手にまさかの敗戦という大番狂わせが。上地の重圧は相当なものだったことだろう。
シングルスのメダルを争うオランダのD・デフロートは、上地がダブルス準決勝で敗れた相手だった。この試合、上地はストロークが安定し、勝負どころでも豪快なボレーが炸裂。見事デフロートに雪辱を果たし、遂にこの種目で日本人女子初の表彰台に上った。「もっといいメダルの色で皆さんに自分の活躍を見て欲しかったなと思いますけど…4年後、より近いところで見ていただけると思うのでその時にとっておきたいと思います」今大会、幾度も涙に濡れた22歳の頬には、ようやく明るい笑みが戻っていた。
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ビニールハウスから始まった28年の競泳人生(9月15日)
「五輪での金メダルは獲得できなかったですけど、この競技人生で獲得できた4つのメダルは、今となっては1つ1つが思い出深く、どれ1つ欠けて欲しくないメダルになっています」オリンピック競泳日本代表で3大会連続のメダルを獲得した松田丈志(32)が引退会見を開いた。
アテネから4度の五輪出場。リオでは800mフリーリレーでアンカーを務め、日本勢52年ぶりの銅メダルに輝いた松田。ロンドンの400mメドレーリレーでは、1年先輩の北島康介らと共に日本競泳男子初の銀メダルを獲得し、レース前に他のメンバーに呼びかけた「康介さんを)手ぶらで帰らせるわけにはいかないぞ」という名文句は流行語になった。...
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「五輪での金メダルは獲得できなかったですけど、この競技人生で獲得できた4つのメダルは、今となっては1つ1つが思い出深く、どれ1つ欠けて欲しくないメダルになっています」オリンピック競泳日本代表で3大会連続のメダルを獲得した松田丈志(32)が引退会見を開いた。
アテネから4度の五輪出場。リオでは800mフリーリレーでアンカーを務め、日本勢52年ぶりの銅メダルに輝いた松田。ロンドンの400mメドレーリレーでは、1年先輩の北島康介らと共に日本競泳男子初の銀メダルを獲得し、レース前に他のメンバーに呼びかけた「康介さんを)手ぶらで帰らせるわけにはいかないぞ」という名文句は流行語になった。今回のリオでも最年長として後輩たちをリードし、トビウオジャパンのメダルラッシュへの貢献は多大だ。
松田の最後のレースとなったのは今月開幕した「希望郷いわて国体」。男子400m自由型決勝で3位に入賞し、28年に及ぶ競技人生にピリオドを打った。会見では「久世コーチの支えがなければここまで来ることはできなかった」と、幼少の頃から指導を受けた恩師に感謝の言葉を添えた。ビニールハウス内のプールで練習していたという決して恵まれたとは言えない環境から、日本競泳陣の第一人者へ上り詰めた松田。人望が厚く、仲間からも慕われる男からの最後のメッセージは、次世代のトビウオたちへの熱いエールだった。「僕自身も強い先輩たちを見て、『ああいう選手になりたい』と思ってやってきました。強いトビウオジャパンというものをこれからも作って欲しい」彼の引退レースが行われたいわて国体では、16歳の池江璃花子が日本新記録を連発し、萩野公介と瀬戸大也も再び激しい戦いを繰り広げた。2020東京に向けて、雑草魂を持った男の魂は受け継がれていく。
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