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野球を愛し愛され続けた者たち・男泣きの別れ(9月26日)
ペナントレースもいよいよ大詰め。2016レギュラーシ-ズンは、クライマックスステージに向け佳境に入ってきた。その一方で、長年ファンに愛された「チームの顔」たちが、現役生活に幕を下ろしていく時期でもある。
「二軍で一軍の試合を、TVを見てる時でも……18番のユニホーム着て、スタンドで応援してくれているTVを見たら、絶対にあのマウンドに戻るんだと思って頑張ってこれました」込み上げてくる思いで言葉に詰まり、涙ぐむハマの番長。...
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ペナントレースもいよいよ大詰め。2016レギュラーシ-ズンは、クライマックスステージに向け佳境に入ってきた。その一方で、長年ファンに愛された「チームの顔」たちが、現役生活に幕を下ろしていく時期でもある。
「二軍で一軍の試合を、TVを見てる時でも……18番のユニホーム着て、スタンドで応援してくれているTVを見たら、絶対にあのマウンドに戻るんだと思って頑張ってこれました」込み上げてくる思いで言葉に詰まり、涙ぐむハマの番長。ベイスターズの三浦大輔は20日、引退の記者会見を行い、ファンへの感謝の気持ちを表した。1992年から24年間、横浜一筋で投げ抜き、重ねた勝ち星は172。大洋ホエールズ最後の選手でもあった。背負い続けた背番号「18」は「横浜ナンバー」とし、「相応しい存在が出てくるまで欠番」となる見込みだ。
「22年間もの長い間、愛してくださってありがとうございました(サブロー)」25日に引退試合を行ったのはマリーンズのサブロー。“つなぎの四番”の異名の通り、勝負強いバッティングが身上。2005年と2010年には主力の一員としてチームを日本一に導いた。ジャイアンツに移籍した2011年シーズンのみ登録名を本名の大村三郎に戻したが、それ以外は「サブロー」名でファンから愛され続けてきた。マリンスタジアムでのアナウンス「サブーーローーーー」という語尾を伸ばす独特の選手名コールは名物だった。現役最後の打席は彼らしい右中間への2ベースヒット。セカンド塁上に達した瞬間、22年間「愛するチームのため」ひたすら走り続けてきた男は瞼を抑えた。
ファンからの絶大な支持を誇る二人。その頬を伝う涙は、長年チームを愛し、野球から愛された者だけに許される光輝く勲章だった。
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Jリーグ・Vリーグに続く第3の新リーグ誕生(9月24日)
「これからがスタートです。皆さんの厳しい目でこのBリーグの成長を心から見守ってもらいたい(Bリーグ初代チェアマン・川淵三郎)」いよいよ男子プロバスケットボールリーグ・Bリーグが開幕した。9132人の大観衆で埋まった代々木第一体育館で行われた開幕戦。統合した2つのリーグを代表する2チーム、NBL王者のアルバルク東京とbjリーグ王者の琉球ゴールデンキングスの頂上対決は、白熱した展開となり、80-75で東京に軍配が上がった。...
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「これからがスタートです。皆さんの厳しい目でこのBリーグの成長を心から見守ってもらいたい(Bリーグ初代チェアマン・川淵三郎)」いよいよ男子プロバスケットボールリーグ・Bリーグが開幕した。9132人の大観衆で埋まった代々木第一体育館で行われた開幕戦。統合した2つのリーグを代表する2チーム、NBL王者のアルバルク東京とbjリーグ王者の琉球ゴールデンキングスの頂上対決は、白熱した展開となり、80-75で東京に軍配が上がった。
アルバルク東京は日本リーグからの名門・トヨタ自動車が、Bリーグ参加に伴いプロ化したチームだ。創部から70年近い歴史を誇り、国内タイトルは17回獲得、これまでに数多くの代表選手・スター選手を輩出している。一方の琉球ゴールデンキングスは、沖縄市を本拠地として結成され、06年からbjリーグに参戦してきた。4度のリーグ優勝を飾っているが、未だ自前の体育館を持たない“雑草集団”である。その観客動員力はリーグ屈指。開幕戦には沖縄から多くの“ブースター”が駆けつけ、地元沖縄市でも500人が同時中継の会場で歓声を上げた。bjリーグ特有のディフェンス時の統制がとれた掛け声をはじめ、声援のボルテージの高さでは琉球が圧倒していたのは間違いない。
今回の開幕戦は大々的な宣伝も行われ、フジテレビとNHK-BSで生中継された。しかし、視聴率は目標の二桁には遠く及ばない5.3%(関東地区)というシビアな結果が出た。まだまだ目標とするNPBやJリーグに比肩するまで道のりは険しい。それでもこれまでリーグ決勝を行ってきた3000人規模の代々木第二体育館ではなく、1万人近い観客を収容できる代々木第一を満席にしたことの意義は大きい。この日、日本のバスケに新たな一歩が刻まれた。
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リオパラリンピック閉幕・日本の課題は(後編)(9月23日)
夏季パラリンピック日本選手団は、1964年に東京で行われた第2回大会が初参加である。その後、全ての大会に選手団を送り込み、アテネ大会(2008)では金17個を含む計52個のメダルを獲得するなど、競泳や陸上などの種目で華々しい実績をあげてきた。それが北京大会以降、メダルの獲得数は大きく減少傾向となっている。リオではロンドンのメダル数こそ上回ったものの、初めて金メダルなしに終わり、過去最低に相当する順位だった。...
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夏季パラリンピック日本選手団は、1964年に東京で行われた第2回大会が初参加である。その後、全ての大会に選手団を送り込み、アテネ大会(2008)では金17個を含む計52個のメダルを獲得するなど、競泳や陸上などの種目で華々しい実績をあげてきた。それが北京大会以降、メダルの獲得数は大きく減少傾向となっている。リオではロンドンのメダル数こそ上回ったものの、初めて金メダルなしに終わり、過去最低に相当する順位だった。果たして国や社会のサポート体制は十分だったのか?この結果は真摯に受け止めねばならないだろう。
かつては日本国内での障害者スポーツの取り扱いは非常に小さく、新聞でもパラリンピックの記事がスポーツ面ではなく社会面に載ることが慣例だった。それが長野冬季パラリンピックを契機にTV中継の時間も増え、きちんとスポーツ競技として扱われるようになったのは喜ばしいことだ。だが、車いすテニスや、車いすバスケのプロ選手が多く存在する欧米に比べ、まだまだ障害者スポーツへの理解が一般に浸透しているとは言い難いのが現状だろう。同様に障害者自身も、競技に接する機会が少ないと指摘されている。障害者スポーツは特殊な器具などを必要とすることから、体育施設の利用に際して、受け入れを断られるケースがあるという。そういった問題に対しては早急な改善が必要である。
例えば今回のリオ大会で銀メダルを獲得したボッチャは、障害の有無や年齢に関係なく楽しめる魅力的なスポーツだ。ゲートボールやグランドゴルフのような高齢者向けの娯楽としても普及の余地がある。障害者も健常者も一緒に競技を体験できるような社会環境づくり。それは、史上初めて同一都市で二度目のパラリンピックを開催する国の、果たすべき責務だと思われる。
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リオパラリンピック閉幕・日本の課題は(前編)(9月22日)
世界中に多くの感動を呼んだリオパラリンピックが幕を下ろした。閉会式では、東京都・小池知事にパラリンピックの旗が受け渡され、帰国後の21日には東京都庁で、五輪旗とパラリンピック旗の掲揚式が執り行われた。小池知事は「オール東京、オールジャパンで大いに盛り上げていこう」と高らかに宣言。いよいよ2020年に向け、本格的に準備がスタートとなる。
今大会、水泳の木村敬一や、走り幅跳びの山本篤らが銀メダルを獲得。...
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世界中に多くの感動を呼んだリオパラリンピックが幕を下ろした。閉会式では、東京都・小池知事にパラリンピックの旗が受け渡され、帰国後の21日には東京都庁で、五輪旗とパラリンピック旗の掲揚式が執り行われた。小池知事は「オール東京、オールジャパンで大いに盛り上げていこう」と高らかに宣言。いよいよ2020年に向け、本格的に準備がスタートとなる。
今大会、水泳の木村敬一や、走り幅跳びの山本篤らが銀メダルを獲得。獲得したメダルの総数は24個(銀・10、銅14)と、前回のロンドン大会を上回った。一方で、夏季パラリンピックでは初めて金メダルの受賞がゼロに。大会前、日本パラリンピック委員会が掲げた金10という目標には大きく届かず、2020東京大会への課題が残った。無論、メダル数ばかり追い求めるのはパラリンピックの精神とは乖離するという意見もある。しかし、前回ロンドン大会でメダル獲得数2位のロシアがドーピング問題で不参加だった中で、この成績は重く受け止めなくてはいけないのではないだろうか?
リオ大会で感じたのは競技レベルの格段の向上と、サポート体制の急激な進歩だ。例えば前回金に輝いたゴールボールでは、バウンドを利用した新しい投球が編み出され日本は苦しめられた。車いすテニスで3連覇を狙った国枝慎吾のライバル、ステファン・ウデ(仏)が使用した車いすは、カーボン製の特注品。タイヤメーカーなど最新鋭の技術の粋を集め、価格は1500万円以上とも言われた。対する国枝の愛機は従来ながらのアルミ製で価格は数十万円だった。今やパラスポーツは、F1などのモータースポーツと同様に超一流の技術スタッフが関わる世界へ変貌しつつある。その中で日本はどう戦っていくべきなのだろう?(この項続く)
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3階級制覇とV11・二人の世界チャンプの拳(9月21日)
16日に行われたダブル世界タイトルマッチで、二人の日本人ボクサーが共に金字塔を打ち立てた。まずはWBC世界Sバンタム級タイトルマッチ。挑戦者は00年代にバンタム級で10度の防衛を達成し、最強を誇った長谷川穂積(35)。今回が2012年にIBFのベルト獲得に失敗してから2年ぶりの世界戦。負ければ引退も覚悟して臨んだ一戦だったが、試合前から彼の身体は傷だらけだった。8月上旬、スパーリングで利き腕の左手親指を脱臼骨折。...
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16日に行われたダブル世界タイトルマッチで、二人の日本人ボクサーが共に金字塔を打ち立てた。まずはWBC世界Sバンタム級タイトルマッチ。挑戦者は00年代にバンタム級で10度の防衛を達成し、最強を誇った長谷川穂積(35)。今回が2012年にIBFのベルト獲得に失敗してから2年ぶりの世界戦。負ければ引退も覚悟して臨んだ一戦だったが、試合前から彼の身体は傷だらけだった。8月上旬、スパーリングで利き腕の左手親指を脱臼骨折。試合を翌月に控え、手術に踏み切った長谷川は、翌日にはすぐにシャドーを再開したという。練習では何度も傷口が開き、バンデージは血で染まっていく…そのたびに傷口を縫合し直し、決戦に向けて拳を奮い続けた。試合は王者ウーゴ・ルイスのバッティングで、長谷川の左目の上が大きく裂けるアクシデントが発生。だが、レフリーはなかなか反則を取らず試合が続行され、流血で視界を奪われた長谷川は劣性に立たされてしまう。それにも挫けず攻め続け、第9RにはTKO寸前まで王者に迫る。その結果、試合続行不可能に追い込み王座奪取に成功。日本人4人目の3階級制覇を史上最年長で決めてみせた。
そして、メインイベントのWBC世界バンタム級タイトルマッチでは、チャンピオン山中慎介(33)が、指名挑戦者の元世界王者・アンセルモ・モレノを迎え撃った。1年前の初対決ではモレノ陣営からジャッジに不満も出ていた2-1の僅差勝利。完全決着となる今回の試合はダウン応酬の壮絶な激闘へと突入。山中は7Rに4度目のダウンを奪い、元スーパー王者の最強の敵をマットに沈めた。これで同王座11度目の防衛。内山高志の持つ日本人歴代2位の記録に並んだ。耐え抜いた“執念の拳”と“神の左“の衝撃。二つの劇的KO勝利の夜だった。
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