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2019年スポーツ界の物故者・感謝と尊敬を込めて…(12月29日)
令和元年もあと3日で幕を閉じる。振り返ると今年のスポーツ界でも多くの物故者が出た。追悼と感謝の意味を込めて取り上げてみたい(敬称略)
2月10日・北尾光司(横綱・双羽黒、プロレスラー、格闘家)
突然の訃報に耳を疑った人も多かっただろう。22歳11か月のスピード出世で第60代横綱に。優勝経験なしでの昇進は物議を醸したが、わずか6場所の出場の後に親方とのトラブルで引退を余儀なくされた。その後、新日本プロレス入りするも大成できず、何かとお騒がせが続いたが武道家に転向後は格闘技色を全面に出し才能が開花。...
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令和元年もあと3日で幕を閉じる。振り返ると今年のスポーツ界でも多くの物故者が出た。追悼と感謝の意味を込めて取り上げてみたい(敬称略)
2月10日・北尾光司(横綱・双羽黒、プロレスラー、格闘家)
突然の訃報に耳を疑った人も多かっただろう。22歳11か月のスピード出世で第60代横綱に。優勝経験なしでの昇進は物議を醸したが、わずか6場所の出場の後に親方とのトラブルで引退を余儀なくされた。その後、新日本プロレス入りするも大成できず、何かとお騒がせが続いたが武道家に転向後は格闘技色を全面に出し才能が開花。本場アメリカのUFCにも参戦し、オクタゴンのリングに初めて足を踏み入れた横綱経験者となった。引退後は相撲界とも交流があったが、晩年苦しめられた慢性腎不全で逝去。まだ55歳という若さだったのが悔やまれる。
なお、昨年に続き角界からの物故者は多く、昭和の名力士・黒姫山や元・逆鉾の井筒親方も今年他界。12月に入ってからも闘病中だった東関親方(元・潮丸)が亡くなるなど現職の親方の訃報も続いた。いずれもまだ働き盛りの年代。相撲協会では毎年2月に定期健康診断を実施するなど力士の健康管理への対策を取っているが、親方衆への健康指導にも注力してもらいたいと思う。
3月7日・ザ・デストロイヤー(プロレスラー)
一世を風靡したプロレスラー、ザ・デストロイヤーも今年この世を去った。「白覆面の魔王」としてジャイアント馬場らと名勝負を繰り広げた傍ら、バラエティー番組「うわさのチャンネル」にも出演。エンターテナーとしての活躍もお茶の間に大人気だった。親日家としても知られ、日米友好親善や青少年交流にも尽力。2017年には日本政府より旭日双光章を授与されている。
4月24日・小出義雄(陸上指導者)。
有森裕子、高橋尚子という2人の五輪メダリストや世界選手権女王の鈴木博美らを育て上げた名伯楽。3月の名古屋ウィメンズマラソン後に指導の第一線から身を引いたが、それからひと月もたたずに80歳の誕生日を迎えた翌週に天へ旅立ってしまった。
9月6日・金田正一(プロ野球)
日本球界に燦然と輝く金字塔を打ち立てた不滅の400勝投手。「カネやん」の愛称で親しまれ、野球ファンのみならず幅広く愛された稀代の大スターだった。名球会の会長を長らく務め、近年ではメディア登場は減ったものの名球会入りした選手へのブレザー贈呈式での元気な姿がお馴染みだった。この偉大な功労者を称える意味でも、球界などでもっと顕彰の動きがあっても良いように感じる。
我々に多くの感動を与えてくれたスーパースターたち。これからも日本のスポーツ界を天国から見守ってくれることだろう。
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年末恒例のプロスポーツ大賞・今年は異変も…(12月27日)
2019年も残すところ5日。年が明けるといよいよオリンピックイヤーの幕開けだ。平成最後の年にして令和初年。振り返るとスポーツ界でも多くのニュースがあった。年末恒例のその年に顕著な活躍をしたプロ選手を讃える表彰も発表されているので、ここで取り上げてみたい。
23日には「報知プロスポーツ大賞」の大賞受賞者6名ほかの表彰式が行われた。野球ではジャイアンツ・丸佳浩(セ)、ライオンズ・森友哉(パ)がともに初受賞。...
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2019年も残すところ5日。年が明けるといよいよオリンピックイヤーの幕開けだ。平成最後の年にして令和初年。振り返るとスポーツ界でも多くのニュースがあった。年末恒例のその年に顕著な活躍をしたプロ選手を讃える表彰も発表されているので、ここで取り上げてみたい。
23日には「報知プロスポーツ大賞」の大賞受賞者6名ほかの表彰式が行われた。野球ではジャイアンツ・丸佳浩(セ)、ライオンズ・森友哉(パ)がともに初受賞。ゴルフは男子が2年連続賞金王に輝いた今平周吾。女子は全英女子オープンを制した渋野日向子が選ばれた。大相撲では五月場所で平幕優勝を果たした朝乃山が。ボクシングはWBSSで並み居る他団体王者を撃破して頂点に立った井上尚弥がその栄誉に浴した。今平と井上は2年連続での表彰となる。
なお、報知スポーツ大賞と並び、国内で最も高い権威を誇る「日本プロスポーツ大賞」も例年ならすでに表彰されている時季だが、選考が延期される事態となっている。半世紀以上の歴史を誇り、内閣総理大臣杯を冠するこの賞は公益国内の主要なプロスポーツ団体が加盟する財団法人・日本プロスポーツ協会(JPSA)が制定してきた。ところが一昨年12月には内閣府からコンプライアンス上の問題を指摘されるなど組織運営に何らかの支障が生じているようだ。
実は今年9月には日本野球機構NPBがJPSAからの脱退を表明している。その際、評議員会が開催されず事業報告や決算報告の提出も滞っていることも明らかになった。JPSAでは年度内に評議員会の開催を目指すとしているが、公式HPも更新されないままで最新情報はない。今後の動静が非常に気懸かりである。
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ラグビー人気から“文化”としてのラグビーへ(12月26日)
今年日本で最も注目を浴びたスポーツ競技がラグビーだったことに同意する人は多いと思う。W杯開幕前、日本代表フランカーの姫野和樹はインタビューで、熱く抱負を語っていた。「僕が成し遂げたいのはラグビーW杯を通して、日本にラグビーというスポーツを文化として根付かせたいということです」史上初のベスト8入り。祝賀パレードにはおよそ5万人のファンが詰めかけ、チームスローガン“ONE TEAM”は日本中の人の心に刻まれた。...
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今年日本で最も注目を浴びたスポーツ競技がラグビーだったことに同意する人は多いと思う。W杯開幕前、日本代表フランカーの姫野和樹はインタビューで、熱く抱負を語っていた。「僕が成し遂げたいのはラグビーW杯を通して、日本にラグビーというスポーツを文化として根付かせたいということです」史上初のベスト8入り。祝賀パレードにはおよそ5万人のファンが詰めかけ、チームスローガン“ONE TEAM”は日本中の人の心に刻まれた。いま姫野の胸中にはある種の達成感が満ちていることだろう。
25日、年明け1月12日開幕の国内最高リーグ「ジャパンラグビートップリーグ2020」に向けたプレスカンファレンスが都内で開かれた。リーグに加盟する全16チームのキャプテンが集結。代表選手らは各々の所属チームに分かれ、来年5月まで総当たりのリーグ戦を行い、全120試合でしのぎを削る。姫野はトヨタ自動車ヴェルブリッツの主将を務める。会見では「“ジャッカル”を見に来てください」と、お茶の目でもお馴染みとなった専門用語を交えアピールした。リーグの太田治チェアマンによればW杯効果でチケット販売も好調とのこと。すでに昨季の2倍近い販売状況であると明かした。
一方で、関係者には危機感もある。前回英国大会で世紀の大番狂わせを達成し、直後の15/16シーズンはトップリーグ観客動員数の歴代最多記録を更新。しかし、ラグビー熱も次年度以降は沈静化し、次第に客足が伸び悩むことに。選手たちはPR動画を作るなど、地道なプロモーション活動を続けていたが、昨シーズンの観客数は前季比10%減という厳しい状況にあった。その轍を踏まぬためにリーグ側では新たな手を講じていく必要性に駆られている。日本ラグビー協会では現在のトップリーグについては来年20/21シーズンで幕を下ろし、2021年から新リーグの発足を検討している。プロ化を前提としないとのことだが、どのようなリーグ形態となるのか。その構想の行方に注目したい。
W杯で虜になったファンが、国内リーグにも注目して恒常的にスタジアムに行き、声援を送ってくれる状況が実現すれば、本当にラグビーが文化として定着する筈だ。その時こそ初めて姫野の願いが叶うことになる。
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初場所新番付発表&2019年の大相撲を振り返る(12月25日)
日本相撲協会は24日、来年一月場所の新番付を発表した。先場所43回目の優勝を果たした白鵬は四場所ぶりに東正横綱に復帰。会見を行った白鵬は「まだいけるというか若手の壁になった」と自身の相撲を振り返る。今年は三場所を休場するなど最盛期の絶対的な安定感は影をひそめたが、第一人者としての実力は揺るぎないものがある。新たな目標について「優勝50回」を掲げ、熱望している東京五輪での土俵入り後の現役続行へのモチベーションを高めていた。...
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日本相撲協会は24日、来年一月場所の新番付を発表した。先場所43回目の優勝を果たした白鵬は四場所ぶりに東正横綱に復帰。会見を行った白鵬は「まだいけるというか若手の壁になった」と自身の相撲を振り返る。今年は三場所を休場するなど最盛期の絶対的な安定感は影をひそめたが、第一人者としての実力は揺るぎないものがある。新たな目標について「優勝50回」を掲げ、熱望している東京五輪での土俵入り後の現役続行へのモチベーションを高めていた。
その白鵬が気になる若手力士として名前を挙げたのは新関脇となる朝乃山だ。「(関脇より)もっと上を目指していきたい」と、こちらも目指す目標は高い。五月場所では富山県出身の力士として103年ぶりの幕内優勝。先場所は新小結で11勝4敗の好成績を残した。着実に力をつけてきており、上位陣に引けを取らないスケールの大きな相撲が持ち味。郷土が生んだ名力士・太刀山以来の横綱も決して夢ではないだろう。初場所では高安が大関から陥落。三場所連続での大関陥落という昭和以降初めての珍事となった。大関に復帰した貴景勝はともかく、来年は世代交代が一段と進むことだろう。
さて、2019年の角界も大きなニュースが相次いだ。稀勢の里の引退で始まり、貴景勝の新大関昇進。五月場所のトランプ大統領観戦なども話題を呼んだ。その一方で、力士や行司、呼び出しに至るまで不祥事が相次いでしまったのは非常に残念な限り。冬巡業でインフルエンザ感染した力士への強制参加なども批判を浴びた。力士のみならず協会自体にコンプライアンス改善への一層の努力が求められている。令和時代の大相撲が更なる発展を遂げることを祈りたい。
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村田諒太、世界戦初防衛に成功・更なる高みへ(12月24日)
世界最激戦区のミドル級。日本人で最も重い階級のWBA世界ミドル級王者・村田諒太が23日、横浜アリーナで行われた初防衛戦に挑んだ。
最初の初防衛は判定負けで王座陥落。失意の底から這いあがり、今年7月ロブ・ブラントとのリマッチでKO勝利をおさめ、ベルトを奪還した。今回の挑戦者はKO率80%のスティーブン・バトラー。序盤の慎重な試合運びから3Rに攻勢に転じると5R、一気にバトラーを圧倒。残り20秒でロープ際に追い詰めると、左フックでマットに沈め、念願の初防衛を果たした。...
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世界最激戦区のミドル級。日本人で最も重い階級のWBA世界ミドル級王者・村田諒太が23日、横浜アリーナで行われた初防衛戦に挑んだ。
最初の初防衛は判定負けで王座陥落。失意の底から這いあがり、今年7月ロブ・ブラントとのリマッチでKO勝利をおさめ、ベルトを奪還した。今回の挑戦者はKO率80%のスティーブン・バトラー。序盤の慎重な試合運びから3Rに攻勢に転じると5R、一気にバトラーを圧倒。残り20秒でロープ際に追い詰めると、左フックでマットに沈め、念願の初防衛を果たした。
しかし正直、村田には物足りない相手だったかもしれない。今回のバトラーは世界ランク8位。会場では今年WBSSで他団体王者を打ち破り、真の頂点に上り詰めた井上尚弥がいたことも彼のプライドを刺激したのだろう。試合後のリンク上、村田のマイクは止まらなかった。「皆さん、尚弥の試合の見て思ったと思うけど、“リアル”と戦ってほしいと思うんですよ。なので会長、“リアル”な試合をお願いします」と、現役チャンピオン同士による統一戦への挑戦を訴えた。
この日行われた三大タイトルマッチのほかの結果についても紹介しよう。IBF世界フライ級タイトルマッチに挑戦した元3階級王者・八重樫東は中盤まで互角の戦いを見せたが、8Rで王者ムザラネに捉まり防戦一方に。9R終了間際にレフリーストップでTKO負けとなり、自身4つ目のベルト奪取とはならなかった。
WBC世界Lフライ級タイトルマッチはチャンピオン・寺地拳四朗が4Rに左ボディへ強烈なフックを炸裂させ見事TKO勝利。現役日本人王者最多の7度目の防衛に成功した。「僕の13回防衛(日本記録)するところを是非見てください」と拳四朗節を響かせた。
井上のWBSS制覇や村田の王座返り咲きなどビッグニュースが続いた今年のボクシング界。大晦日には引退からの劇的復活を果たした井岡一翔のSフライ級初防衛戦も控える。来年もチャンピオンたちは数々のビッグファイトを見せてくれることだろう。
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