【あの一言】
超・人手不足時代・危機を乗り越えるには
経営共創基盤グループ会長・冨山和彦 一番いい労働移動はM&A。M&Aというのは集団転職で、生産性向上効果は統計的にもあるはずで、それをもっと進めることが大事。そういう意味で中小企業経営者は事業継承の時にあまり頑張らない方がよい。
2023/11/05 NHK総合・東京[日曜討論]
立教大学教授・首藤若菜 当然、働きながらリスキリングしていくということは大事だが、オンラインとはいえ、平日ずっと働きながらその後、学び直しをするという時間を十分にとれる人ばかりではない。リスキリングするための休暇とか時間の確保というのがすごく重要。労働者が技能を高めれば労働生産性が高まるということだけではなく、労働者の技能が高まることに加えて、より高い生産性を生み出す仕事に職場の方も作り替えていく必要がある。そこは経営者の努力であり、この両方が組み合わさって初めて生産性が高い職場というのが出来上がる。
2023/11/05 NHK総合・東京[日曜討論]
経営共創基盤グループ会長・冨山和彦 ホワイトカラーの仕事は今後、生成AIとかでもっと減ってくる。分厚い中間層の話ではみなさんホワイトカラーをイメージしているが、それは幻想にすぎず、どんどんそういう仕事は減っていく。むしろエッセンシャルワーカーのゾーンに労働移動が起きる。エッセンシャルワーカー、観光業、製造業の現場の仕事の方に労働移動を起こさないとだめで、ここをもっとディセント(きちんとした)で、ホワイトで賃金の高い仕事にしていくことが必要。
2023/11/05 NHK総合・東京[日曜討論]
新藤義孝経済再生担当大臣 考え方を変える必要がある。仕事を離れて勉強するのではなく、オンラインというものがあり、時間も含めてどこでも(リスキリングの)勉強はできる。仕事をしながら自分の会社で求められる能力を見つけるか、求められる技術を見つけて他にうつるか、どちらでも選択できるが、重要なのはそれが賃金に反映され、働き甲斐や生きがいにつながる労働政策に転換させることができること。
2023/11/05 NHK総合・東京[日曜討論]
NPO法人ROSSE代表理事・今野晴貴 焦って無理なところで流動化していこうとすると、どんどん低劣な方向に行かざるを得ない。こうしたことがこの20年30年、日本の労働市場で繰り返されてきた。流動化政策というのは派遣を増やしたり、職業紹介の充実とかを謳うが、結局低い方向に流動化、競争させるということを政策的にしてきただけだった。ここのところから抜本的に見直していく必要がある。
2023/11/05 NHK総合・東京[日曜討論]
経営共創基盤グループ会長・冨山和彦 最低賃金を含めて8割の世界の人たちの賃金を上げていく必要がある。これは急ぐ必要があり、日本は先進国で一番人手が足りない国であるにも関わらず、インフレの方が先行しており賃金が追い付かないから実質賃金がマイナスになっている。これは異常な状態で、構造に欠陥がある。急いでやっていかないと、この逆転現象はなかなか収まらない。
2023/11/05 NHK総合・東京[日曜討論]
経営共創基盤グループ会長・冨山和彦 春闘というのは政治的に大事なイベントではあるが、基本的には大企業・正社員の世界の話であって、勤労者の2割しかカバーしていない。残り8割の議論が大事で中小企業あるいはサービス業とか非製造業の世界。ここの人たちの賃金が上がっておらず、苦しい生活をしている人が多い。ここの賃金が上がっていかないと消費も盛り上がらない。お金持っている人にお金出しても預金になってしまうだけ。
2023/11/05 NHK総合・東京[日曜討論]
|