【あの一言】
<ニュースの本質に向き合う“時事論考”>米国軍撤退にらみ中国・タリバンに“テロ封じ込め”要請
早稲田大学教授・片山善博 アフガニスタンの混乱が続く中で中国はこれにどう向き合っていくのかはとても難しい。おそらくタリバンであれば中国政府をとるのか、新疆ウイグルで痛めつけられている人をとるのかという選択に迫られた場合、新疆ウイグルの味方につく可能性がある。そうなると中国は新疆ウイグルを守るためにアフガニスタンに打撃を加える可能性もある。
2021/08/22 BS朝日[BS朝日 日曜スクープ]
日本経済新聞社本社コメンテーター・秋田浩之 そもそも2000年から2020年ぐらいまで米国が戦争をしている間、中国は「タリバンが自分達の支配地域でウイグル族の過激派を匿っている」としてタリバンを批判し、タリバンと戦っていた米国に感謝していたが、米国が撤退しタリバンが復権してしまった。タリバン幹部は王毅外相に「自分達はテロを中国に輸出しない」と口約束したが、いろんな報道や分析を見ると、その約束をどこまでそれを本気でやるかはわからない。中国がイスラム教徒を100万人近く収容所に入れて弾圧していることからすると、タリバンがウイグル過激派を応援する可能性もある。もしもタリバンが中国側に立てばイスラムの大義というものが傷ついてしまうということや、タリバンの中にもいろいろな勢力がおり、過激派と穏健派の間で抑えるべきか支援すべきか、目こぼしすべきかという統一歩調がとれない可能性がある。
2021/08/22 BS朝日[BS朝日 日曜スクープ]
日本経済新聞社本社コメンテーター・秋田浩之 パキスタンで中国人が襲撃されたり、殺されている。中央アジアでもキルギスの大使館がウイグル族に襲撃されて爆破されたりしている。中国の計算はアフガンの中に入っていき、墓場に引きずり込まれるよりは、外から経済支援をばらまき、なんとかタリバンを手なずけたいという考え。
2021/08/22 BS朝日[BS朝日 日曜スクープ]
日本経済新聞社本社コメンテーター・秋田浩之 新疆ウイグル自治区を安定させるためという名目で、中国は100万人のウイグル人イスラム教徒を強制収容所に収容し、教育している。かってタリバンはウイグル族過激派を匿っていたとされるが、米国がアフガニスタンに駐留していた時ですら(ウイグル族による)テロが中国で起きていたのに、ただでさえ不安定なウイグル自治区の隣のアフガニスタンでイスラム原理主義のタリバンが復活すれば、抑えが利かなくなるのではないかと中国は懸念している。その為、王毅外相などが早めにタリバンと話をつけて経済支援などを約束し、何とか取り込もうとしている。これは不安の裏返し。
2021/08/22 BS朝日[BS朝日 日曜スクープ]
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