【あの一言】
北朝鮮問題・専門家が読み解く
慶應義塾大学教授・渡辺靖 北朝鮮のGDP自体は日本の47都道府県と比べてもかなり下の方にくるような小国だが、これだけしたたかに外交政策を展開しているのは核兵器のおかげ。そう簡単に手放すわけはないと米国も見ている。
2018/10/14 NHK総合[日曜討論]
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・元外交官・宮家邦彦 経済制裁を弱体化させながら非核化については譲歩しないという北朝鮮の戦略がうまくいっている。そもそも6月12日にトランプ大統領が金正恩委員長に会って国際的な認知を与えたためにロシアも中国もどんどん北朝鮮に会いやすい状況になり、全体として経済制裁はもういいじゃないかという雰囲気が出てきている。
2018/10/14 NHK総合[日曜討論]
龍谷大学教授・李相哲 北朝鮮からすれば終戦宣言をすると、韓国国内で米軍は不必要だという議論が高まって米国の立場が難しくなり、連合国司令部は必ず解体しなければならなくなり、南北境界線沿いにある様々な措置を見直さざるを得なくなる。しかも日本にも国連司令部の機構がある。こういうものを全部見直さなければならなくなる。政治宣言と言っても非常に大きな問題をはらんでいて、今の南北の間の基本的な構図を壊すことにつながる。
2018/10/14 NHK総合[日曜討論]
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・元外交官・宮家邦彦 (終戦宣言は)トランプ大統領以外の関係者の人たちは反対。なぜ米軍が韓国にいるのかという、在韓米軍の存在意義そのものが問われる問題でもあり、そう簡単にいじるわけにはいかないが、トランプ大統領は前のめりになっている。もし終結宣言が出てくれば次に必ず在韓米軍のあり方、プレゼンスのあり方について深刻な議論が出てきて、それは東アジアの安全保障環境を大きく変える可能性がある。
2018/10/14 NHK総合[日曜討論]
東京大学教授・小原雅博 朝鮮半島の緊張が高まることは中国にとって望ましくないし、国境を接する核保有国がまた1つ増えるというのも中国にとってはマイナスとなる。中国の大国として国際社会の平和に貢献する姿勢を示すという意味でも、非核化は変わらない政策。問題はどうやって非核化を実現するかということで、そこは米国とはかなり大きな溝がある。
2018/10/14 NHK総合[日曜討論]
龍谷大学教授・李相哲 今、北朝鮮がとっている一連の措置は今後、核は作らないというもので、基本的には過去に作った核は手放すつもりはない。北朝鮮はこれから1個ずつ、核をなくす軍縮会談みたいなことをやっていきたいが、米国はやらないのであれば、いつまでも制裁は続けるという態度。ただ、この戦略を韓国、中国、ロシアが同盟みたいなものを組んで、無力化する動きが出てきている。制裁が無力化されればトランプ大統領の戦略が効かなくなる。
2018/10/14 NHK総合[日曜討論]
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・元外交官・宮家邦彦 米国が戦争集結、もしくは平和条約、さらには軍事的に北に対して脅威を与えないという非常に強いコミットメントをしないと、北朝鮮は実際には非核化をやらないのではないか。
2018/10/14 NHK総合[日曜討論]
龍谷大学教授・李相哲 北朝鮮はシンガポールでは完全な非核化をすると約束はしたものの、今、米国が要求している核リスト提出になぜ国の最高軍事機密を米国に出さなくてはならないのかと北朝鮮は抵抗感を持っている。
2018/10/14 NHK総合[日曜討論]
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