【あの一言】
最新分析・北朝鮮問題
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・元外交官・宮家邦彦 中国、北朝鮮がどのような動きをするにせよ、1945年、1950年、戦争が起きて53年に休戦協定ができてもう65年経っている。そういう状況になると、むしろ今の状態が続く方がおかしい。むしろ自然な方向で流れに沿って変わっていく可能性が十分あって、その変化を見ながらおそらく北朝鮮は生き残りを図ろうとしている。これが大きなピクチャーで、その意味ではやはり個々の問題に十分対応して戦術的な対応をしなければいけないのと同時に、戦略的な考え方をもう1回し直す時期に来ている。
2018/09/02 NHK総合[日曜討論]
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・元外交官・宮家邦彦 6月12日以降の動きというのは残念ながら成功していない。今の状況が続くと最悪の場合、北朝鮮が核兵器を放棄しない一方で、その問題について軍事的に解決する選択肢はなくなっていく。核保有は残る一方で対応策が行き詰まっていく可能性が出てくる。そうすると東アジア地域の戦略的な環境が変化を始める。その時に日本がどう対応するのかを今から考えておくべき。
2018/09/02 NHK総合[日曜討論]
慶應義塾大学准教授・礒崎敦仁 北朝鮮の論調はかなり一貫している。経済制裁が解除されないと高度成長は見込まれない。経済制裁が解除されるためには北朝鮮自身が非核化に向けてステップを踏んでいかなくてはいけないという構図が出来上がっている。米朝関係が膠着状態にあって米国の態度がどうなるかかなり怪しいところもあるにせよ、そうなれば北朝鮮としては自ら動かざるを得ない。
2018/09/02 NHK総合[日曜討論]
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・元外交官・宮家邦彦 北朝鮮の核の問題については北朝鮮の命がけで守ってきたもの。その部分を話し合いで本当になくすことができるのかということについて、トランプ大統領はまだ幻想を持っている。そうだとすればかなり時間がかかる。
2018/09/02 NHK総合[日曜討論]
早稲田大学大学院教授・青山瑠妙 中国は今後さらに北朝鮮との関係を強化していく。北朝鮮に対して影響力を行使できるように中朝関係を強化していく可能性は高い。
2018/09/02 NHK総合[日曜討論]
慶應義塾大学准教授・礒崎敦仁 金正恩委員長としては取り引きができそうなトランプ大統領の任期中にできる限り駒を進めておきたい。だからこそ終戦宣言にこだわっている。終戦宣言というのはもともと韓国や米国の主張であって、北朝鮮自身は言及したことがほとんどなかった。米朝首脳会談の直後から米国が言ってきた終戦宣言に突然、北朝鮮がこだわるようになり、逆に米国からはその真意を疑われるようになってしまった。ここでお互いの不信感が出てきて関係が明確にこじれるようになってしまった。
2018/09/02 NHK総合[日曜討論]
南山大学教授・平岩俊司 米国からすると韓国から聞いていた話と少し違うというズレも今回のポンペイオ長官の派遣中止の背景にある。そのズレを韓国がなんとか埋め合わせなければいけない。この全体の対話で朝鮮半島の問題を進展していくということについて、絶対に後戻りさせてはいけないという思いが韓国側にある。
2018/09/02 NHK総合[日曜討論]
元国連安保理北朝鮮制裁委員会委員・古川勝久 米朝合意は骨抜きの合意だったが、その半年前には核保有国の米朝の両国の指導者が互いに罵り合っていた。これがなくなったことや北朝鮮が核およびミサイル発射実験を止めたことは日本にとっては良いこと。問題はここから先で、信頼に基づいた環境を作っていく必要がある。
2018/09/02 NHK総合[日曜討論]
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・元外交官・宮家邦彦 北朝鮮は戦略を変えていないと思うし、中国もほとんど戦略を変えていない。何が起きているかといえば、現実があまり変わっていない中でトランプ大統領の判断が揺れている。
2018/09/02 NHK総合[日曜討論]
龍谷大学教授・李相哲 北朝鮮をめぐり中国、ロシア、韓国までが制裁緩和に動いている。今、慌ててポンペイオ国務長官がアジアフォーラムで制裁を緩めちゃだめだと言っている。金正恩委員長の善意に頼るのではなくて、非核化の動機を引き出すには制裁を続けることが必要。検証しながらもっと制裁を強める必要がある。
2018/08/05 NHK総合[日曜討論]
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