【あの一言】
<風をよむ>習体制の中国
関西学院大学客員教授・大崎麻子 この20年間で国際社会における中国のプレゼンスが本当に高まったというのは国際会合に行くたびに思い知らされる。もうひとつはアフリカへの進出の仕方で国連の大票田。これから成長していく資源国なので、開発支援、ビジネスを通じてものすごくアグレッシブに進出している。実はアフリカは日本の外交にとってもキーであり、例えば北朝鮮への国連制裁もアフリカが守っていないというところもあり、日本は過度に中国と張り合う必要はないが、これまでの実績を踏まえ、アフリカと関係を強化していくべき。
2017/10/22 TBSテレビ[サンデーモーニング]
拓殖大学・富坂聰教授(VTR) 中国にとって朝鮮半島というのは今の金正恩体制はあったほうがいい。混乱であるとか自分たちが予測できないような状況に陥ることに中国はものすごく大きなストレスを感じている。金正恩政権が核兵器を持つことは実は日本以上に中国には脅威だが、朝鮮半島に北朝鮮があるということは中国にとっては必要悪。ただ大国として台頭した中国は自信をつけて日本に視線が向かなくなった。外交といえば米国ばかり見るようになった。日本の重要度がどんどん下がってきている。朝鮮半島問題ということになると1に米朝会談、2に自分たちがどうコミットするか以外には興味はなく、日本スルーが始まっている。
2017/10/22 TBSテレビ[サンデーモーニング]
寺島実郎 習第二期政権に入り25日発表の党の常務委員会の人事で68歳の定年制というのを突き破ってくるのではないかとみられている。習近平の毛沢東化、強権化が進んでいることが大変重要なポイント。今やたら使われている言葉が中華民族の歴史的復興。中華民族という部分に力点がある。その裏には社会主義という概念で民族の違いを束ねていた時代とは異なり、日本も青くなるほどの資本主義化、市場主義化が進んでいる中国を束ねていくためには新しい統合概念がいるということがある。
2017/10/22 TBSテレビ[サンデーモーニング]
寺島実郎 今回の3時間半の演説で習近平国家主席は台湾問題について相当踏み込んだ発言をしていて、台湾の統一について極めて本気になっているという空気を感じる。米国と1対1で向き合おうとしている中国がトランプという異質なカードと強権化する習近平というカードの向き合いになっている。日本は近隣外交に成功していない。中国が日本をどう思おうが、日本が主張すべき存在感は経済産業技術も含めて日本の東アジアにおけるプレゼンスというものをしっかりと出しながら中国と向き合うべき。
2017/10/22 TBSテレビ[サンデーモーニング]
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