【あの一言】
レッドライン攻防…北朝鮮「ICBM」・米国の選択は?
テレビ朝日コメンテーター・川村晃司 今度のハンブルグでのG20には、北朝鮮を除き、日米韓中露の首脳陣が集まる。そこで日本は中国や韓国とも個別的に会談する。モスクワで習近平国家主席とプーチン大統領が会談をしてから、一緒にG20に来る。北朝鮮の核をまず凍結し、同時に米韓軍事演習もやめるというのが彼らの立場。それに対し韓国側は北朝鮮が核をまず凍結し、その次の段階で核の開発放棄という2段階の交渉をしたらどうかとしている。日米は二段階では生ぬるいとしていて、それぞれ個別にどういう共同コミュニケを出すのか、これを北朝鮮が見ていて次の行動に出るのではないかと思われる。
2017/07/05 テレビ朝日[ワイドスクランブル]
軍事アナリスト・静岡県立大学特任教授・小川和久 ICBMの発射は北朝鮮がやったように、周辺国に危険が及ばない打ち方をしたという匂いがある。ところが、核実験はそういうやり方ができない、逃げ道がない。それをやることが明らかになった場合には、軍事的オプションを行使するということは米国はずっとほのめかしている。これに対し中国が環球時報という新聞を通じて、米国が核実験などに対しサージカルストライク、つまりピンポイントで重要目標を攻撃する場合には中国は軍事介入しないと言った。核実験で米国を挑発し、米国が軍事的な動きを見せても中国は味方をしないとして、北朝鮮を突き放した。その段階で北朝鮮はブンゲリの核実験場でバレーボールを始めたりしてしばらくは核実験をやらないという姿勢を見せていた。核実験が米国が設定しているであろうレッドラインだと北朝鮮は受け止めている。
2017/07/05 テレビ朝日[ワイドスクランブル]
外交ジャーナリスト・作家・手嶋龍一 レッドラインについては4月の米中首脳会談でトランプ大統領の本音が出ている。もし北朝鮮が核実験をやり、本格的なICBMの発射実験をやった時には事実上のレッドラインとなると。中国がそういう事態にならないように、説得工作を北朝鮮にしないのであれば、単独でも軍事介入をやると言った。核とICBMが事実上のレッドラインだったが、その後軍事攻撃をやった場合には大量の死者が出ることがわかり、レッドラインがどんどん
曖昧になっている。今回、ミサイルをICBMと認めたのはティラーソン国務長官であって、マティス国防長官はまだ認めていない。
2017/07/05 テレビ朝日[ワイドスクランブル]
外交ジャーナリスト・作家・手嶋龍一 中国は100日間という猶予が欲しいとしていたが、期限が迫る中、さしたる効果が上がっていない中で北朝鮮がICBMを発射するということになった。この動きを止めるためには米国が武力行使という話になるが、今は天下の宝刀を抜きたくないというのが米国の本音。トランプ政権側が、ジレンマに陥っていることが北朝鮮側にかなりの攻勢を取らせることにつながっている。
2017/07/05 テレビ朝日[ワイドスクランブル]
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