【あの一言】
核実験・ミサイル発射・緊急分析・北朝鮮
神田外語大学教授・興梠一郎 中国は形だけでも非難する立場に立っているが、実際には多くの抜け道があり、結局北朝鮮が生存できている。世界中が中国に注目している時にミサイルを発射したことは北朝鮮にとっては宣伝効果が大きく、習近平国家主席は非常にむかついただろう。ただ大きな戦略的見地からすると中国はこれを容認せざるを得ない。
2016/09/11 NHK総合[日曜討論]
東京大学大学院教授・久保文明 中国にとって北朝鮮ファクターが今までは(米国との)協力的なファクターだったがひょっとしたらこれからむしろ対立の部分になっていく。北朝鮮と取引している企業に米国議会が制裁を科すような新しい法律を作った時に中国の企業が対象となっていく。そうすると米中関係の問題になっていくだろう。
2016/09/11 NHK総合[日曜討論]
軍事アナリスト・小川和久 潜水艦発射弾道ミサイルは先制核攻撃をさせにくくし、抑止力として極めて有効。しかし北朝鮮が潜水艦の運用をできるためにはかなり時間がかかる。潜水艦発射弾道ミサイルを核開発国としてきちんと持つための歩みを進めながらも、ミサイルについては陸上配備型にして移動式発射装置に積むだろう。これは日本にとっても脅威となる。
2016/09/11 NHK総合[日曜討論]
神田外語大学教授・興梠一郎 北朝鮮が刺激するたびに日本、米国、韓国の軍事的関係が強まるのは中国にとっては脅威だが、北朝鮮を締め上げて体制が崩壊した場合の損失の方が大きいと考えている。逆を言えば北朝鮮が核武装することで韓国、米国に対するけん制になるという見方もできる。非常に危険な考えだが、それだけ中国と米国の構造的対立は根深い。
2016/09/11 NHK総合[日曜討論]
軍事アナリスト・小川和久 かつてインドがNPT(核拡散防止条約)の枠外で核開発をし、世界から非難を浴びながらも現在では非同盟諸国のリーダーとして平和国家のイメージすら身にまとい、世界経済の牽引者としての期待感さえ生まれている。北朝鮮も歩み方によってはそういう立場に立つことができるかもしれない。それを彼らなりのタイムスケジュールで行っている。
2016/09/11 NHK総合[日曜討論]
神田外語大学教授・興梠一郎 中国は特に驚いてはいない。中国の基本は変わっていない。北朝鮮というレジウムを絶対に崩壊させないというところでは動かない。制裁をやるにしてもあまり厳しい措置をとれない。米国と中国が南シナ海問題などで対立すればするほど、余計北朝鮮を守ろうという力が働く。中国は今後も玉虫色の対応でいくのではないか。
2016/09/11 NHK総合[日曜討論]
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