戦後歴代の自民党中心とする政権は共和党政権のほうが日本との関係では日米安保のもとで関係が深まりやすいと言っていたが、この１０年ほどはそうではない。共和党が迷走し始めている。

2015/12/27　NHK総合[解説スタジアムスペシャル]

今回、ＥＡＳそれからＡＳＥＡＮ首脳会議を見てきたが、日米が共同歩調をとる形で南シナ海問題を取り上げた。その結果、ＥＡＳ議長声明の中に中国が人工島、非軍事化についてコミットせざるを得なくなった。これまでの中国であればこうしたことを不愉快に思い、首脳会談は行われず、会う、会わないを外交カードにしてきた。ところが今回李克強首相は安倍首相と立ち話をし、さらに李克強首相はテレビカメラの前で一緒に歩くことまで提案した。日中関係は新しい次元にきている。新しい均衡点を見つけていかなければいけない時代になった。

2015/12/27　NHK総合[解説スタジアムスペシャル]

来年、中国では軍の中で大改革が行われるだろう。腐敗を中心に取り締まる。共産党の言うことをきかせる軍隊に変えていく。もし不安要素をあげるとすれば、南シナ海に日本がからんだ時に中国は相当強く出てくるのではないか。今までの流れがひっくり返るかもしれない。米国と中国の間の軍事バランスは圧倒的に米国が強い。確かに中国は軍事力を増強しているが、昔に比べたら強くなったかもしれないが、じゃあ米国と戦争できますかといったら絶対にできない。

2015/12/27　NHK総合[解説スタジアムスペシャル]

中国を無視して解決できる問題は一つもない。米国の対中政策はレトリックが強く、その裏にある現実、損得勘定、米国の国益をいかに守るかというところ一点にかかっている。そこを見失ってはいけない。

2015/12/27　NHK総合[解説スタジアムスペシャル]

東シナ海の問題と南シナ海の問題をごっちゃにしてはいけない。南シナ海の問題は外交のファクトの中でやっていくべき問題。東シナ海、尖閣諸島は日本を守る問題なので日米安保条約の下で日米が協力して対処すべき。前に出るのは日本だが、その問題と南シナ海で米国が航行の自由という形で世界のルールを知らしめるためにやっている宣伝戦に自衛隊がくっついて行く必要は全くない。

2015/12/27　NHK総合[解説スタジアムスペシャル]

経済で選挙を戦って、その力を持って安全保障を新しい道筋に実現させていく、この手法の繰り返しが安倍さんの基本戦略になっている。それを国民がどうみるか。

2015/12/27　NHK総合[解説スタジアムスペシャル]

イランの核問題で最終合意できた。これが順守され実行されるかどうかが注目点。もしこの合意がうまくいくとイランがシリアとかＩＳの問題でも国際社会に、より協力をする可能性が出てくる。イランはシリア・アサド政権を支えてきたしイラクの政権の後ろ盾にもなってきており非常に重要なプレーヤー。他方でイランとサウジアラビアが地域でライバル関係にあり、中東で覇権争いをしているということが非常に問題解決を難しくしている。

2015/12/27　NHK総合[解説スタジアムスペシャル]

支配地域をＩＳから取り戻す作戦がイラク側で行われている。イラク・ラマディでイラク軍を中心とする軍事作戦が行われている。ラマディを奪還できるかどうかが非常に重要。ラマディを奪還できると次は最初にＩＳにとられた北部のモスルを取り返すことができる。するとイラクからＩＳを追い出し、シリアだけに封じ込めることも可能になる。

2015/12/27　NHK総合[解説スタジアムスペシャル]

テロの実行犯やＩＳに加わっている若者の多くが移民２世、３世。格差、差別、偏見を受けてきた。寛容、多様性といった本来ヨーロッパが重んじてきた精神が失われてきている。（右傾化は）フランス、デンマーク、英国もそうだが、最近もっと心配なのは東ポーランドやハンガリーなどの東ヨーロッパの国々。

2015/12/27　NHK総合[解説スタジアムスペシャル]

１００年前のロシア革命ではまさにボルシェビキが暴力で権力をダッシュした。極端なイデオロギーを非常に残酷な手段で広げそれに共鳴する人達もいた。ＩＳは冷戦後のイデオロギーの空白、社会主義がなくなった。そこにつけこんだ。ＩＳにはイデオロギーがあることを認識しなくてはいけない。

2015/12/27　NHK総合[解説スタジアムスペシャル]