【あの一言】
出川展恒の発言まとめ
<イラスト解説ここに注目!>イスラエル対ヒズボラ・戦闘拡大の懸念 ヒズボラはミサイルやロケット弾によってイスラエル北部の軍事施設などを攻撃し、全面的な戦闘に入ったと宣言している。これに対し、イスラエル軍もレバノン南部や首都ベイルートのヒズボラの拠点に大規模な空爆を行っているほか、国境地帯に地上部隊を集結させている。イスラエルのネタニアフ政権が当初からヒズボラとの全面戦争を想定していたのではないかという指摘も出ている。今後何よりも懸念されるのは、ヒズボラを支援するイランが報復に参加する事態。紛争が中東全体に拡大する事態を避けるため、今こそ国際社会が一致して全ての関係者に強く自制を働きかける必要がある。
2024/09/24 NHK総合・東京[おはよう日本]
イスラエル・ハマス戦闘・停戦への合意は可能か? 停戦の見通しが一向に立たない原因は、ネタニヤフ首相に明確な出口戦略がないことにある。そもそも、ハマスの壊滅と人質全員の解放2つの目標の両立は不可能で、ネタニヤフ氏は、自分自身の政治的な生き残りのため、終わりの見えない泥沼の戦いを続けている。戦闘が終結すれば、イスラエル建国以来最大の混乱と犠牲を招いた政治責任を追及され、権力の座を追われる可能性が高いので、できるかぎり戦争状態を引き延ばし、11月の米国大統領選挙でイスラエル擁護一辺倒のトランプ氏が返り咲くのを待ち望んでいると見られる。側近のハネグビ国家安全保障顧問が最近、ハマスとの戦闘は少なくとも今年いっぱい続くだろうと発言したのはそれに符合する。
2024/06/07 NHK総合・東京[時論公論]
イスラエル・ハマス戦闘・ラファ侵攻に揺れる世界 ラファへの侵攻はこのまま放置すれば未曽有の大量殺りくと人道危機を招く危険をはらんでいる。そればかりか、パレスチナ問題が全く解決できなくなって、中東はもちろん世界を巻き込む紛争の火種となり続けるおそれもある。事態が今後どう展開し、どういう結末が待っているのか、片ときも目が離せない局面を迎えている。
2024/05/17 NHK総合・東京[時論公論]
開戦3か月・どうなるガザ戦闘 ネタニヤフ首相は「すべての目標が達成されるまで戦争はやめない。さらに何か月も続くだろう」と述べている。背景にはネタニヤフ首相が直面する内政面の事情がある。ハマスによる大規模な奇襲攻撃を未然に防げなかった責任を追及する声が上がり、世論調査での支持率も大きく下がっている。公約したハマスの壊滅と人質の解放を実現できないまま停戦に応じれば政権の座にとどまることはできなくなる。最終的にはみずからの汚職問題で収監されるおそれもあるという強い危機感が働いているものと内外の専門家は見ている。停戦を実現したあと徹底的に破壊されたガザ地区を誰が統治するのかという問題もまだ白紙の状態。
2024/01/11 NHK総合・東京[時論公論]
ガザ戦闘2か月・極限の人道危機 今回の軍事衝突で米国が安保理で拒否権を行使したのは2回目。日本を含む13か国が賛成し、英国は棄権した。米国1国の反対によって停戦が実現せず、ハマスとは全く関係のない大勢の市民、特に子どもたちの命が失われていく。米国は拒否権を行使した理由について「無条件の停戦はハマスに利するものだ」と釈明している。米国バイデン政権も水面下では、イスラエルに対し一般市民の犠牲を極力避けるよう働きかけを強めているが、拒否権行使の背景には、大統領選挙を来年11月に控え、大きな影響力を持つ国内のイスラエルロビーと呼ばれるイスラエルを支持する勢力を敵に回したくないという政治的な思惑が働いていることは想像に難くない。
2023/12/12 NHK総合・東京[時論公論]
オイルショックから50年・再来するエネルギー危機 昨年、欧州諸国は省エネを進め、代替エネルギーを導入し、米国からLNG(液化天然ガス)を購入するなどしてなんとかエネルギーを確保、去年の冬を乗り切った。しかしながらロシアからの供給はもはや回復せず、今年の冬に燃料不足が起きることも心配される。エネルギー問題の専門家たちは、エネルギー資源の世界的な争奪戦が起きると指摘。また去年、パキスタンやバングラデシュで発電用のガスが不足し大規模な停電が起きたが、そうしたことが頻発するおそれがある。代替エネルギーとして石炭を利用する動きが広がると二酸化炭素の排出量が増え、脱炭素、地球温暖化対策への取り組みにも悪影響が出ることが予想される。
2023/10/20 NHK総合・東京[時論公論]
<イラスト解説ここに注目!>ロシア合意離脱か?食料危機再燃の懸念 ウクライナに軍事侵攻したロシアが黒海の港を封鎖したため、ウクライナの小麦やトウモロコシの輸出が滞り、世界的食糧価格の高騰を招いた。昨年7月、国連とトルコの仲介でロシアとウクライナが合意を結び輸出が再開した。ところが先月、合意の見返りであるロシア産農産物や肥料の輸出を支援する約束が守られていないと欧米を非難し17日に期限が切れる合意の延長には応じず、離脱を検討していると表明した。農産物輸出が滞れば食料価格が再び高騰することは避けられない。最も大きな打撃を受けるのはアフリカの国々でWFPはアフリカ東部を中心に数千万人が飢える恐れがあると警告している。
2023/07/10 NHK総合・東京[おはよう日本]
サウジアラビア・イラン 関係正常化の背景と影響 サウジアラビアとイランの関係正常化は久々のよいニュースと言えるが、直ちに中東が安定に向かうと楽観するのは時期尚早。両国の対立は、非常に根が深く、ささいな原因で再び関係が悪化するおそれもある。公表はされていないが先月の合意ではサウジアラビアがイラン核合意の立て直しを支持すること、両国がイエメン内戦の終結を目指すこと、サウジアラビアがイランの反体制メディアの支援をやめることなどで一致した。これらの合意事項を双方がどこまで守れるかが、関係正常化の鍵を握っている。
2023/04/26 NHK総合・東京[時論公論]
ウクライナ侵攻1年・長引く世界の食料危機 天然ガスの価格が上がったことや欧米の金融制裁、プーチン大統領が戦略物資として化学肥料の供給を制限した影響で価格が高騰している。アフリカなどの貧しい国では必要な量を調達できなくなっており、農作物の生産量が大幅に減ることが懸念される。ウクライナでの戦争を一刻も早く終わらせることが重要で、少なくとも早期の停戦実現が不可欠だが、ロシアもウクライナも目標を達成するまで戦い抜く姿勢を崩していない。目下の最優先課題はウクライナからの穀物輸出を可能にするロシアとの合意を更新し延長すること。仲介役は国連とトルコが務めると考えられるが、トルコを襲った大震災の影響が懸念される。
2023/02/17 NHK総合・東京[時論公論]
イランをめぐる国際関係・核合意の行方は イランは米国による制裁への対抗措置として、濃縮度60%の高濃縮ウランを製造するなど、核合意から大幅に逸脱する行動を取ってきた。多くの専門家はイランがその気になれば核兵器製造も可能な技術水準に近づいていると指摘している。例えば、核兵器1個分の高濃縮ウランを入手するまでの時間はわずか2週間~3週間程度であり、最高指導者・ハメネイ師の外交顧問がこれを示唆する発言を行い、外交上の揺さぶりをかけている。イスラエルによると見られるイランの核施設への破壊工作や、核科学者の暗殺が繰り返し起きているだけに、外交交渉による解決に残された時間は少ないといえる。
2022/08/05 NHK総合・東京[時論公論]
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