【あの一言】
パリ同時テロ事件・世界はどう向き合うのか
キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹・宮家邦彦 一般論としてシリア難民が入って来たときに紛れ込んでいないほうがおかしい。その意味で欧州の自由の人の行き来を認めるEU全体がチャレンジされている。理想は素晴らしいが実際には(テロリストの)流入はこれからも避けられず、国境の厳しい管理というものが、復活してくる可能性がある。構造的にテロリストが圧倒的に有利な戦い。
2015/11/22 NHK総合[日曜討論]
元在シリア特命全権大使・国枝昌樹 今回の犯人たちは高学歴者がひとりもいない。多くのものが刑事事件を起こしているが、警察は彼らの行動を見抜けなかったところに大きな問題があった。フランス、ベルギーの刑務所はイスラミストでいっぱいで、雑居房には過激思想家がいる。そういう環境に数ヶ月入っただけで出てきたときには過激化している。
2015/11/22 NHK総合[日曜討論]
東京大学准教授・池内恵 背後にはジハードを掲げるイデオロギーがある。イスラム教のある部分の教義に基づいたイデオロギーが一定の人達を動かしているという事実を避けては通れない。イスラム教は元来、支配者側の宗教であり世界をイスラム教徒の側がイスラム法で支配すると世界は平和になるという考えであり、その考え方は近代的な法秩序、国際法には合わない面がある。それに対する不満はずっとあったが、ジハード主義と言われる人達は武力で現存の秩序を覆してしまおうという考え方で、これを一部の若者が特に受け入れてしまっている点が問題。
2015/11/22 NHK総合[日曜討論]
キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹・宮家邦彦 パリである必要性は無い。過激主義が貧困層だけでなくインテリ層にも広がっている。背景にはフランス型政教分離政策の行き詰まりがある。フランス型の政教分離のやり方はモスリムにとって都合が悪く、ここにフランスが狙われた理由がある。
2015/11/22 NHK総合[日曜討論]
北海道大学教授・吉田徹 ベルギーは多文化主義。テロ事件と政教分離を結びつけるのは正しくない。移民系の若者が裕福な若者の集まる繁華街を襲撃したのが事件の構図。
2015/11/22 NHK総合[日曜討論]
北海道大学教授・吉田徹 フランスは欧州最大のムスリムコミュニティを持っている。ジハーディストの数はフランス人の割合が高い、今年だけでも500人がシリアに渡っている。フランスではネットワーク形成やテロ遂行の支援が得やすかった。
2015/11/22 NHK総合[日曜討論]
キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹・宮家邦彦 欧州版9.11が始まった。テロ集団を欧州は過小評価していた。国境なき欧州の理想は終わる。欧州にある民族主義、排外主義、移民反対の動きが高まる。テロは始まったばかりであり、衰退する欧州への中東からの仕返し。テロは歴史的に大きな意味を持つ。
2015/11/22 NHK総合[日曜討論]
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