菅義偉首相(72歳)が1月12日、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏(65歳)との電話会談の際、“東京オリンピック・パラリンピック大会は必ずやりきる”と語ったと報じられた。しかし、前政権の流れを汲む現政権の加藤勝信官房長官(65歳)は、“かかる表現は使われていない”と火消しにかかっている。そうした中、首相電話会談に同席して当該やりとりを記者団に話したとされる首相顧問のサントリーホールディングス社長が、欧米メディアのインタビューに答えて、“東京大会が開催されるかどうかは不確か”だとして、政権の修正談話に追随するようなコメントを出している。
1月13日付
『ロイター通信』:「サントリー社長、東京大会開催可能かは不確かで、結論は3月末に明らかになるとコメント」
飲料メーカー大手サントリーホールディングス(前身の鳥井商店は1899年創業)の新浪剛史社長(61歳)は1月13日、『ロイター通信』のインタビューに答えて、新型コロナウィルス(COVID-19)感染問題深刻化の中、東京大会が開催できるかどうかは現時点では不確かだとコメントした。...
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1月13日付
『ロイター通信』:「サントリー社長、東京大会開催可能かは不確かで、結論は3月末に明らかになるとコメント」
飲料メーカー大手サントリーホールディングス(前身の鳥井商店は1899年創業)の新浪剛史社長(61歳)は1月13日、『ロイター通信』のインタビューに答えて、新型コロナウィルス(COVID-19)感染問題深刻化の中、東京大会が開催できるかどうかは現時点では不確かだとコメントした。
同氏は菅義偉首相の経済顧問も務めているが(編注;内閣府経済財政諮問会議委員)、“COVID-19に打ち勝って東京大会が開催できる運びとなれば、世界を勇気付ける大きな意味のあるメッセージとなる”としながらも、“現段階では、予定どおり開催できるかどうかは不確か”だと表明した。
政府関係者は、予定どおり開催する方向でしっかり準備を進めていると強調しているが、直近で行われた世論調査では、大多数が今夏の開催は難しいと回答している。
なお、新浪社長は、COVID-19の第3波が2月末から3月初めまで続くとみられるため、東京大会開催の可否決定は3月末までにはなされるだろうと付言している。
同日付『ジ・インデイペンデント』紙:「日本、COVID-19蔓延深刻化の中、東京大会開催に向け準備と強調」
加藤勝信官房長官は1月13日、今夏に延期された東京大会について、開催に向けての準備に取り組んでいると表明した。
直近の世論調査で、多くの人が開催困難としているのに対して、同長官は記者会見席上、“選手も関係者も開催に向け努力しており、政府としても準備をしっかり進めていく”と語った。
同長官の会見の前日、サントリーホールディングスの新浪社長の手配で、菅首相とビル・ゲイツ氏との電話会談が実施されていた。
『共同通信』によると、新浪社長からの話として、その際同首相から、東京大会は“大変重要な”イベントであり、“必ずやりきる”との発言がなされたという。
しかし、同長官は、“会談内容を確認したところ、そのような表現は使われていない”と否定している。
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