独フランクフルトの高等裁判所は23日、二日酔いの治癒や軽減をうたう栄養補助食品の広告表示をめぐる裁判の判決で、二日酔いは病気であると認定し、食品に治癒などの効果があるとの宣伝は違法であるとの判断を示した。
米
『CNN』や
『USAトゥデイ』、英
『BBC』など多くのメディアが報じた。フランクフルトの高等裁判所が判決を言い渡した被告の食品製造会社の名前は明らかにされていない。折しもドイツでは、ビールの祭典「オクトーバーフェスト」が開催されている。
ドイツでは、特定の飲食物を販売する際に、病気の予防や治療の効果があるとうたうことを法律で禁じているが、被告企業は自社の栄養補助食品に二日酔いを治す効果があるなどと、違法にその優秀性を強調する宣伝をしたことを問われていた。...
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米
『CNN』や
『USAトゥデイ』、英
『BBC』など多くのメディアが報じた。フランクフルトの高等裁判所が判決を言い渡した被告の食品製造会社の名前は明らかにされていない。折しもドイツでは、ビールの祭典「オクトーバーフェスト」が開催されている。
ドイツでは、特定の飲食物を販売する際に、病気の予防や治療の効果があるとうたうことを法律で禁じているが、被告企業は自社の栄養補助食品に二日酔いを治す効果があるなどと、違法にその優秀性を強調する宣伝をしたことを問われていた。
そこで二日酔いが病気であるかが問題となるが、高等裁判所の判決は、二日酔いは病気であると認定し、飲み物を含むこうした製品に、人間の病気を治療または予防する効果があるとして、またはそのような印象を持たせるような方法で宣伝をすることはできないと述べ、被告企業の行為は違法とした。既に下級審で同様の判決が下されており、同裁判所はこれを支持し、被告の上訴を棄却した。
高等裁判所は、人体の正常な機能が少しでも或いは短時間でも乱される現象は病気とみなされるとの判断を示した。二日酔いは、頭痛、吐き気、極度の疲労感などの症状が現れ、通常の身体状態から逸脱した状態となる。また、普通は医師の診断を受けることはないが、しばしば後悔の念や酒に対する一時的な嫌悪感もわく。こうしたことから、同裁判所は二日酔いを病気であるとした。
同裁判所はその上で、「そうした症状は通常の体調の良し悪しの結果で起きるものではなく、アルコールという有害物質を消費した結果、起きるものである。」として、被告企業は自社食品の粉末などが二日酔いを治すなどと主張することはできないと指摘した。
米国では、食品医薬品局(FDA)が同様に、企業に二日酔いを治すとうたうことを禁じる規制を設けている。米国立アルコール乱用・依存症研究所は、二日酔いの治療方法は、おそらく存在しないとしており、二日酔いの防止であれば、唯一の方法は、そもそも酒を飲まないことだと説明している。
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