韓国の国家情報院徐薫(ソ・フン)院長が昨日、日本による国連の対北朝鮮制裁の履行は非常に生ぬるいと批判したという。今月初めに、日本側が韓国の半導体材料の輸出管理強化措置に対抗しての発言とみられる。ところが、この程米メディアと軍事関連研究団体の調査の結果、北朝鮮向け禁輸対象の贅沢品のドイツ製高級車が、ロシア人実業家によって北朝鮮に密輸された模様と報じられた。当該高級車のコンテナーは、ロッテルダム(オランダ)~大連(中国)~大阪~釜山(韓国)~ナホトカ(ロシア)へと、日本ばかりか韓国の港を経由して4ヵ月かけて貨物船で運ばれたとし、更に、ロシア人実業家保有の貨物船に積み替えられたのは釜山港である、としている。そして、最終的にウラジオストック(ロシア)~平壌(北朝鮮)間は空輸されたとされている。
7月17日付
『ニューヨーク・タイムズ』紙:「北朝鮮の金正恩委員長はどのようにして高級リムジンを手に入れたか」
金正恩(キム・ジョンウン)委員長が乗車する高級リムジンは、シンガポールやハノイ(ベトナム)で開催された米朝首脳会談の際にも、現地で利用できるよう平壌から空輸されている。
その高級リムジンはドイツ製のメルセデス・ベンツ・マイバッハS 600で、1台50万ドル(約5,400万円)もする高級車で、明らかに北朝鮮向け禁輸対象の贅沢品である。...
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7月17日付
『ニューヨーク・タイムズ』紙:「北朝鮮の金正恩委員長はどのようにして高級リムジンを手に入れたか」
金正恩(キム・ジョンウン)委員長が乗車する高級リムジンは、シンガポールやハノイ(ベトナム)で開催された米朝首脳会談の際にも、現地で利用できるよう平壌から空輸されている。
その高級リムジンはドイツ製のメルセデス・ベンツ・マイバッハS 600で、1台50万ドル(約5,400万円)もする高級車で、明らかに北朝鮮向け禁輸対象の贅沢品である。
そしてこの程、防弾仕様の当該高級車がどのように北朝鮮に密輸されたのかについて、米非営利団体「先進国防研究センター」の分析報告書と、本『ニューヨーク・タイムズ』紙が追跡調査によって明らかになった。
それによると、ロシア人実業家ダニール・カザチャックなる人物が深く関わったことが覗える。
まず、運搬経緯・関係先は以下のとおりである。
・2018年6月、2台の当該高級車が別々のコンテナーに積まれ、ロッテルダム港を出港。
・同年7月31日、大連港に到着、そこで約1ヵ月保管。
・同年8月26日、大連港を出て大阪港を経由して、9月30日に釜山港に到着。
・同年10月1日、マーシャル諸島(南太平洋)法人の「ド・ヨン・シッピング」が保有するトーゴ(アフリカ中西部)船籍の貨物船“DN5505”に積み替えられて釜山港を出港して間もなく、18日間、船舶の位置を知らせる「自動識別装置」が消される。この措置は、制裁逃れの密輸の際に良く使われる方法。
・「自動識別装置」が入れられた際、同船はナホトカ港から石炭を積載して浦項(韓国)に向かっていたことから、当該高級車はナホトカ港で降ろされたものと推測。
・一方、同年10月7日、北朝鮮国営「高麗航空」の貨物機3機がウラジオストックに到着。当該貨物機は、金委員長が海外訪問する際、同委員長の専用車を運送していることから、当該高級車をロシアから北朝鮮に空輸したものと推定。
・今年1月31日、ロッテルダム港から運び出された車と同じメルセデス・ベンツ・マイバッハS 600が、平壌の北朝鮮労働党庁舎に向かって走行する映像を確認。
以上に基づき、本紙が、「ド・ヨン・シッピング」及び本船“DN5505”の実質的オーナーである、ロシア人実業家カザチャック氏に電話インタビューを試みた。
同氏は、当該貨物船の所有については認めたものの、その他一切の詳細についてはコメントを拒んだ。
なお、韓国当局が今年2月、北朝鮮産の石炭がナホトカ港を経由して浦項港に密輸したとして、本船“DN5505”を差し押さている。
しかし、この件に関してカザチャック氏は、韓国当局が証拠をでっち上げていると非難した。
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