米フロリダ大学のマイケル・マクドナルド教授によると、11月の米中間選挙の投票率は推計50.1%で、過去100年で最高水準であることが判明した。多くの有権者が、トランプ米大統領に何らかのメッセージを伝えるために、投票所に向かったと考えられている。
『CNN』などのメディアが11日までに本件を報じた。米国の選挙制度に関する研究プロジェクトを運営するフロリダ大学のマクドナルド教授の試算によると、先の中間選挙で投票した米国人は、前回2014年の選挙時の8,300万人強を3,500万人も上回り、約1億1,800万人となった。これは全有権者の50.1%に当たるという。
1971年に合衆国憲法修正第26条により18~20歳の若者が選挙権を得て、現在の選挙制度に移行したが、それ以降に行われた過去の中間選挙時の投票率と比較すると、50.1%という数字は驚くほど高い。...
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『CNN』などのメディアが11日までに本件を報じた。米国の選挙制度に関する研究プロジェクトを運営するフロリダ大学のマクドナルド教授の試算によると、先の中間選挙で投票した米国人は、前回2014年の選挙時の8,300万人強を3,500万人も上回り、約1億1,800万人となった。これは全有権者の50.1%に当たるという。
1971年に合衆国憲法修正第26条により18~20歳の若者が選挙権を得て、現在の選挙制度に移行したが、それ以降に行われた過去の中間選挙時の投票率と比較すると、50.1%という数字は驚くほど高い。1974~2014年の中間選挙での平均投票率は39.4%であり、これを11ポイント近く上回った。これまでの中間選挙の投票率は、36.7~42%の間で推移し、かなり安定していたが、今年はこの上限より約8ポイントも高くなった。
今回の投票率50.1%は、1971年より前の選挙を合わせて見た場合でも、1914年に50.4%を記録して以来、過去100年で最高の水準となる。以前は21歳未満に選挙権がなく、この層は最も投票率が低くなる傾向にあるため、全体の投票率はより高くなる可能性があったが、当時と比較しても上回っている。1914年は、米議会の上院選挙が初めて国民の直接投票となり、選挙への関心が高まった年だった。
今年の中間選挙の投票率は、大統領選のそれに匹敵する。50.1%は大統領選の平均投票率56.5%に近く、共和党・ブッシュ氏(父)が民主党デュカキス氏に勝った1988年の52.8%、民主党・クリントン氏が共和党のドール氏を破った1996年の51.7%に迫る。
選挙前の世論調査などから見えてくるのは、高い投票率は、2大政党の対立構造だけでなく、トランプ大統領に原因があるのではないかということだ。トランプ氏の政策に賛成であろうと反対であろうと、その言動に対する関心が、選挙への関心につながったようだ。
調査会社ギャラップやシンクタンクのピュー・リサーチ・センターなどが事前に実施した調査がこれを物語る。60%の有権者が、「大統領(今回はトランプ氏)にメッセージを伝えること」を投票の目的としていた。このように回答した人は、同調査項目が初めて設けられた1982年以降で最も多かったという。
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