ポスト紙の記事は、米欧の当局者が匿名でインタビューに答えた内容をまとめている。これによると、2017年4月にカナダのトルドー首相との電話会談が行われたが、ホワイトハウスの側近らは、カナダ政府が会談の要旨を発表した後に初めてその事実を知り、ショックを受けたという。
世界の首脳との電話会談は、連邦の記録管理に関する法律によって、ホワイトハウスの情報管理センターであるシチュエーション・ルーム(状況分析室)を通して行わなければならない。...
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ポスト紙の記事は、米欧の当局者が匿名でインタビューに答えた内容をまとめている。これによると、2017年4月にカナダのトルドー首相との電話会談が行われたが、ホワイトハウスの側近らは、カナダ政府が会談の要旨を発表した後に初めてその事実を知り、ショックを受けたという。
世界の首脳との電話会談は、連邦の記録管理に関する法律によって、ホワイトハウスの情報管理センターであるシチュエーション・ルーム(状況分析室)を通して行わなければならない。電話会談は通常、十分な準備がされた上で、ホワイトハウスがどのようなやり取りがなされているかを監視する。
電話会談の準備として、国家安全保障担当の大統領補佐官が、大統領に事前説明を行い、地域毎の専門家が会談の論点を準備して提供する。国家安全保障担当補佐官は、会談の間大統領の横に控えており、会談が終了すると、発言内容の記録がホワイトハウスの主要な側近らに配布され、その後報道官ら側近が、一般に公表する流れとなっている。
トルドー加首相との電話会談については、米政府の発表は、トランプ大統領の記憶に頼らざるを得ず、公式に発表された声明は、「非常に友好的な電話会談だった。」などの短いものとなった。
ポスト紙は、トランプ大統領が準備をしないため、世界首脳との間で予測できないやり取りが生じることがあると、当局者らの発言を引用して報じた。トランプ氏は、会談で取り上げられそうな問題に関して準備された文書を、夜に読むことは滅多にない。このため側近らは、最も重要な情報については赤いフォルダーに入れて渡すなど、大統領が読みやすいように工夫をしているという。
今月、北大西洋条約機構(NATO)の首脳会談、米ロ首脳会談が行われる予定であるが、トランプ大統領の直観に頼り、既成の考え方にとらわれない自由奔放なやり方は、同盟国やホワイトハウスの側近らに、会談を控えて警戒感や懸念を持たせている。
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