64歳のエルドアン大統領はイスタンブールのテレビ番組で、「国は大統領の責任と執行義務を私に委ねた」と述べた。また、与党公正発展党と民族主義者行動党の連立による人民同盟(People’s Alliance)についても、定数600人の議会で「議員過半数」を獲得したと勝利を宣言した。
24日の選挙をもって発効する新憲法より大統領の権限が拡大される。大統領は組閣、大臣・副大統領・上級官僚の任命、法令の制定や予算作成、非常事態宣言の発令を行える。...
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64歳のエルドアン大統領はイスタンブールのテレビ番組で、「国は大統領の責任と執行義務を私に委ねた」と述べた。また、与党公正発展党と民族主義者行動党の連立による人民同盟(People’s Alliance)についても、定数600人の議会で「議員過半数」を獲得したと勝利を宣言した。
24日の選挙をもって発効する新憲法より大統領の権限が拡大される。大統領は組閣、大臣・副大統領・上級官僚の任命、法令の制定や予算作成、非常事態宣言の発令を行える。
トルコ最大野党共和人民党(CHP)は、大統領選挙の開票結果は不完全で決選投票に持ち込まれることを信じていると語った。CHPのブレント・テズカン報道官は、開票結果が出るのが早すぎるとし、トルコの国営通信社がエルドアン氏が決選投票にならないほど大勝したと報じたことを非難した。またその報道が行われたのは開票率90%の時点だというが、実際には37%しか開票されておらず結果をゆがめていると批判した。
国営アナドル通信は、開票率96%時点、エルドアン氏の得票率は7月8日に予定されている決選投票の条件である50%を上回る52.6%あり、対立候補のムハレム・インジェ氏の30.7%を大きく引き離したと報じた。
議会選では与党公正発展党が600議席中293議席を獲得し過半数には届かなかったものの、民主主義者行動党の49議席と合わせると過半数に届く。
経済の弱体化を受けて、エルドアン大統領は4月に、大統領選および議会選挙を6月24日に実施すると宣言した。これは予定よりも17カ月早い。新憲法により議院内閣制から大統領制に移行し、権限を強化したうえで長期政権を継続したい考えだ。
今回の大統領選では5人の対立候補が出馬し、エルドアン氏と選挙戦を繰り広げた。エルドアン氏の主な対立候補でCHPの支持を受けた54歳の元物理学教員、ムハーレン・インジェ氏は、魅力的な選挙運動で予想外に人々の心をつかみ、トルコの3大都市、イスタンブール、アンカラ、イズミールで票を集めた。
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