国家公衆衛生担当副大臣のリーナ・KJ博士によると、最初に亡くなったのは20代後半の2人の兄弟とその50歳の叔母であった。兄弟の父親は現在、生命維持医療を受けており、「意識が混濁した状態」にあるとのことだ。
米国疾病対策予防センター(CDC)によると、動物や人間との接触で感染するニパウイルスは、頭痛や眠気から数日以内に昏睡状態に陥る。治療は支持療法に限られる。
インドの保健省と世界保健機関(WHO)とも連携し、最初の死亡を19日に確認した、とケララ州のピナライ・ヴィジャヤン知事官邸は、21日、ツイートした。...
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国家公衆衛生担当副大臣のリーナ・KJ博士によると、最初に亡くなったのは20代後半の2人の兄弟とその50歳の叔母であった。兄弟の父親は現在、生命維持医療を受けており、「意識が混濁した状態」にあるとのことだ。
米国疾病対策予防センター(CDC)によると、動物や人間との接触で感染するニパウイルスは、頭痛や眠気から数日以内に昏睡状態に陥る。治療は支持療法に限られる。
インドの保健省と世界保健機関(WHO)とも連携し、最初の死亡を19日に確認した、とケララ州のピナライ・ヴィジャヤン知事官邸は、21日、ツイートした。
今のところ感染はケララ州のコジコーデ地区のみだが、全国的な警報が発令され、24時間体制の対策本部を設置したとヴィジャヤン知事は付け加えた。
リーナ博士によると、病院に見舞いに行った14人と、治療中に接触した病院スタッフ27人の体液サンプルを採取・分析している。またニパウイルスの症状を呈して亡くなった、他地区の人の体液も検査中だと言う。
インド保健省はケララ州に対策チームを派遣した。ナッダ保健福祉長官は声明で、「保健省は、感染者の命を救い、ウイルスの拡散を阻止するために全力を尽くす」と明言した。その後民間病院に「発熱がある人の治療を拒否しない」よう依頼した。政府はコジコーデ医科大学に緊急支援として2000万ルピー(約3,263万円)を拠出した。
ニパウイルスに感染すると、発熱、頭痛、混乱、見当識障害など、さまざまな症状を引き起こす可能性がある。より重篤な症状には、急性呼吸器症候群(肺が体内に十分な酸素を供給できない場合)および致命的な脳炎がある。
ヒトと動物の両方がニパウィルスに感染することが知られており、特定の種のオオコウモリは天然の宿主である。人間は、感染したコウモリやブタ、人間との接触により感染することがある。
WHOによると、ニパウイルスに対するワクチンはなく、唯一の治療選択肢は支持療法である。
CDCによると、ニパウイルスは、1998~1999年にマレーシアで見つかった。当時300人近くが感染し、100人以上が死亡した。病気の広がりを食い止めるために、100万頭以上のブタが安楽死された。このウイルスは、感染した豚農家が住んでいたKampung Sungai Nipahの村名にちなんで名づけられた。
WHOによると、その後インドとバングラデシュでも流行し、1998~2015年の間に600件以上のヒトの感染症例が報告されている。アジアの多くの地域およびオーストラリア、マダガスカル、ガーナは、大流行の危険性がある。ニパウイルスはWHOの優先的に検討すべき感染症リストに掲載されている。
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