グーグルはビジネス向けソフトサービスGスイートを展開しているが、今回、電子メール機能Gメールに多数の新機能が追加され、数年ぶりの大幅なアップデートが行われた。今回の刷新は企業などのセキュリティーへの関心の高まりに応えることが目的だ。
大きな改革の一つが、「機密モード」の採用だ。機密モードでは、受信者がメールを読むことができる期間を送信者側で設定できるもの。受信者はこのメールの転送やコピー、ダウンロード、印刷を一切行うことができず、指定された期間が終了すると自動的に削除される。...
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グーグルはビジネス向けソフトサービスGスイートを展開しているが、今回、電子メール機能Gメールに多数の新機能が追加され、数年ぶりの大幅なアップデートが行われた。今回の刷新は企業などのセキュリティーへの関心の高まりに応えることが目的だ。
大きな改革の一つが、「機密モード」の採用だ。機密モードでは、受信者がメールを読むことができる期間を送信者側で設定できるもの。受信者はこのメールの転送やコピー、ダウンロード、印刷を一切行うことができず、指定された期間が終了すると自動的に削除される。同社はメールが悪質なハッカーなどに盗まれた場合でも終了期限とともに消滅するため安全であるというのが大きな魅力だとうたっている。さらに機密モードには二段階認証を設定することも可能で、メール作成の際にパスコードを設定するよう選択をすれば、受信者はメールを読む際にSMSで受信したパスコードも入力する必要がある。グーグルのマシュー・アイザット氏は「税務申告や社会保障番号など、機密情報を電子メールで送信する必要がある際に役立つ」と述べている。
ただ、この機能について完璧ではないと疑問の声も上がっている。個人情報保護の専門家らは画面表示をそのまま写真として残すスクリーンショットは抜け穴になると指摘する。専門家の一人であるシドニー・リー氏は「機密モードにしても、依然としてGメールサーバーにはメールのコピーが保存される」と述べている。また、Gメール以外のメールソフトに機密モードで送った際にどうなるのかが不明であることも指摘されている。
今回の刷新では人工知能(AI)を利用した機能も追加された。利用者にとって重要度が非常に高いと判断されたメールにだけ通知を行ったり、あまり読まれていないニュース・レターなどの定期的なメールについて購読解除を勧めたりすることができる。
一部疑問視する声も上がってはいるものの、このほかにもメールを送った相手に返信を促すようたずねる機能やToDoリストアプリとの連携機能なども公開されており、利用者の期待が高まっている。
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