公開公報によると、発明の名称は「会話データからのキーワードの検出」。「音声盗聴アルゴリズム」としても知られる技術だ。家庭で行われる会話を聞き、ユーザーの好き嫌いのプロフィールを構築する方法を記述している。
アマゾンは音声起動「エコー(Echo)」スピーカーにこの技術を導入すると推測されている。
しかしアマゾンは、広告の対象を絞る目的でユーザーの会話に耳を傾けていないと述べた。...
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公開公報によると、発明の名称は「会話データからのキーワードの検出」。「音声盗聴アルゴリズム」としても知られる技術だ。家庭で行われる会話を聞き、ユーザーの好き嫌いのプロフィールを構築する方法を記述している。
アマゾンは音声起動「エコー(Echo)」スピーカーにこの技術を導入すると推測されている。
しかしアマゾンは、広告の対象を絞る目的でユーザーの会話に耳を傾けていないと述べた。
2014年に発売されたアマゾンの「エコー」スピーカーは、「アレクサ(Alexa)」または「ハロー、アレクサ」と呼びかけると音楽を再生したり、タイマーを設定したり、ニュースを読み上げたりすることができる。
「エコー」は呼びかけがないと起動しないが、この特許は会話全体を聞くアルゴリズムについて記述している。好む(like、prefer)、大好き(love)、嫌い(hate、dislike)、買った(bought)などの「引き金となる言葉」が聞こえると、その前後の音声を捉えて分析し、ユーザーのプロフィールを構築する。システムはその後「的を絞った広告と製品の推奨」を提供できる。
アマゾンは、ユーザーの声の録音はしていないとするものの、近い将来にはすべての会話に聞き耳を立て、商用目的でユーザーのプロフィールを作成するようになるかもしれない。ユーザーはその人に特化した商品の提案を受けられる一方、企業がユーザーの私生活を垣間見れるようにもなる。究極には政府機関がアマゾンからデータを取得する可能性もあり、もし家庭での会話の盗聴が行われるようになれば、米国は個人のプライバシー消失の最終局面にあると言えよう。
アマゾンは声明のなかで、「我々はプライバシーを重要視し、「エコー」の装置のプライバシーは十分に保護されている。」としている。「多くの企業と同様、我々は、新技術の可能性を探る先見的な特許出願を複数出願している。特許査定を受けるまでには何年もかかるし、特許は製品やサービスへの現在の進展を反映するものではない。」
皮肉なことに、フェイスブックの最高経営責任者であるマーク・ザッカーバーグ氏も、顧客のプライバシーを重視しており、ターゲット広告を提供するためにユーザーの会話は聞いていないと述べている。ザッカーバーグ氏は米国議会の公聴会でゲイリー・ピーターズ上院議員からの質問に対し、次のように述べた。「あなた方は、我々がユーザーに何が起こっているかマイクで盗聴しているという陰謀説に立っているが、我々は断じてそんなことはしていない。」
アマゾンのこの特許出願は2017年6月に出願され現在審査中のため、最終的に特許商標庁により拒絶される可能性もある。
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