1月15日付GLOBALi「スイスの首都で、ダボス会議開催の10日も前から反トランプの大デモ行進」の中で、“多くの保護主義政策反対論者は、トランプ大統領には同会議出席の資格も権利もないとして、会議10日も前から反トランプ運動を展開し始めている”と報じた。そして、その後降って湧いたように、米連邦予算がトランプ政権対議会の衝突で1月20日に失効し、関係省庁の閉鎖という事態が発生している。このため、トランプ大統領のダボス会議出席も危うくなったが、1月22日につなぎ予算が成立して事なきを得た。但し、“米国第一主義”を標榜する同大統領に対して、欧州首脳は徒党を組んで対抗しようと準備していたり、また、地元スイスの反トランプ勢力の反対運動、更には、地元の大雪のための雪崩危険性から、会議場への移動が制限される恐れ等々、同大統領の会議出席は前途多難の模様である。
1月22日付
『AP通信』:「トランプ大統領、エリートの集まるダボス会議では歓迎されているのか、招かれざる客なのか、事態は混沌」
今年の世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)のテーマは、「分断された世界における共通の未来の創造」である。
今回、ドナルド・トランプ大統領が初めて出席するが、“米国第一主義”を標榜する同大統領にとっては、一番似つかわしくないテーマであろう。...
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1月22日付
『AP通信』:「トランプ大統領、エリートの集まるダボス会議では歓迎されているのか、招かれざる客なのか、事態は混沌」
今年の世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)のテーマは、「分断された世界における共通の未来の創造」である。
今回、ドナルド・トランプ大統領が初めて出席するが、“米国第一主義”を標榜する同大統領にとっては、一番似つかわしくないテーマであろう。同会議は1月23~26日開催予定で、同大統領が出席して演説するのは最終日となる。
そこで、米国保護主義政策に批判的な欧州首脳らは、会議初日からダボスに集結し、トランプ大統領の一方的演説に対して、一緒になって対抗しようとしている。
米ホワイトハウスは、欧州側の対応をよく理解していながら、トランプ大統領の出席を止めなかったのは、同大統領の自己主張を抑えられなかったためとみられる。
すなわち、昨年の同会議では、中国の習近平(シー・チンピン)国家主席が、米国のお株を奪うように、今後は中国が世界の自由貿易や安全保障をリードしていくとぶち上げた。そして同じ頃にトランプ大統領が就任演説で、“米国第一主義”を高らかに宣言するニュース映像が世界に配信されてしまっている。
従って、同大統領としては、今年こそ中国のやりたい放題はさせまいとして、減税政策等自身が推進した政策で米国景気が最高潮にあり、これによって世界各国にも恩恵をもたらす等々ぶち上げたいと考えているとみられる。
なお、地元スイスでは既に反トランプ運動が展開されており、1月23日にはチューリッヒで、また、1月25日には会場のダボスで、それぞれデモ行進が予定されている。
また、欧州首脳以外でも、例えば“野外の便所”とか、その他あからさまな人種差別表現で蔑視された中米・アフリカ諸国の首脳達は、同大統領の演説を無視する等の態度に出る可能性もある。
ただ、WEF創設者で主宰者のクラウス・シュワブ氏(スイスの経済学者、79歳)は、47年前にWEFを立ち上げたのは世界のビジネスを協議する場の提供であったから、その優秀な国際ビジネスマンでもある同大統領が、同会議で演説することは意義があるとして歓迎の意を表明している。
なお、同氏は1月22日の『AP通信』のインタビューに答えて、懸念される雪崩が発生しないこと、また、米予算編成問題が間もなく解決し、同大統領が会議に出席できるよう願っているとコメントした。
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