米国の大手スーパー「ウォルマート」やディスカウントストア「ALDI（アルディ）」等でサーモンを買うと、核開発をしている北朝鮮を間接的に支援する事に繋がるのだという。中国の水産品加工工場では北朝鮮人労働者が低賃金で雇われており、その商品を米国の流通業者が購入、米国企業が北朝鮮労働者による製品を輸入する事を禁じるトランプ政権の元では違法に米国に出荷されている事になるのだという。流通企業は疑わしい取引を解消又は調査していると強調。魚介類は流通過程でパッケージが代わり、流通元が不明となるため実態が把握しにくい。また低賃金の北朝鮮人労働者にたよるビジネスが問題であり、それが北朝鮮を潤す重要な収入源ともなっている。

１０月５日付『AP通信』は「米国スーパーやレストラン向けの水産品を加工する北朝鮮労働者」との見出しで以下のように報道している。
「北朝鮮とロシアの国境から数マイルの近さにある中国北東部の工業地帯「琿春（Hunchen）」では、住み込みの北朝鮮労働者が厳しく管理された魚介類加工工場で低賃金で雇われているという。同市では、他にもフローリング用木材、繊維製品工場などで約3千人の北朝鮮人を雇用、標識は3言語（中国語、韓国語、ロシア語）で書かれているという。...

１０月５日付『AP通信』は「米国スーパーやレストラン向けの水産品を加工する北朝鮮労働者」との見出しで以下のように報道している。
「北朝鮮とロシアの国境から数マイルの近さにある中国北東部の工業地帯「琿春（Hunchen）」では、住み込みの北朝鮮労働者が厳しく管理された魚介類加工工場で低賃金で雇われているという。同市では、他にもフローリング用木材、繊維製品工場などで約3千人の北朝鮮人を雇用、標識は3言語（中国語、韓国語、ロシア語）で書かれているという。
北朝鮮人労働者らは、取材記者に話すことを禁じられていたが、自室に北朝鮮の歴代党首の写真が飾られていたり、アクセントでそうと分かる。概ね契約期間は２，３年で１２時間シフトのきつい労働に耐える。中国人は休暇取得の権利があるのに対し北朝鮮人は病欠くらいで休めず雇用者にとっては使いやすい。賃金は月３００ドルほど（中国人は最大５４０ドル）だが、稼ぎの７割は北政府に搾取されるため手取りは僅か月９０ドル程度だという。
トランプ政権の元では、米国企業は世界のいかなる所からも北朝鮮労働者による製品を輸入することは禁じられているため、米国への出荷は違法な行為であり輸入業者等は刑罰の対象となる。チャック・シューマー民主上院議員などの米国議員らは北朝鮮製品の国内流通に関し調査し、中国に北朝鮮人の雇用を辞めるよう説得を続けるとしている。
中国と北朝鮮は地域の活性化のため、数年前北朝鮮人など低賃金労働者の工業地帯を作った。その後製造工場に加え多くの水産加工工場も建設された。中国での北朝鮮人雇用は合法とされ、強制労働に当らない。
カナダ、ドイツなどEU諸国でもこうした実態があり、北朝鮮人は湾岸諸国、ポーランド、ロシア、ウルグアイ等の建設現場で雇用されている。ウルグアイでは昨年9割が漁船で雇用。国連制裁では北朝鮮人の労働ビザ発給を禁止しているが、既に取得済みの労働ビザの取り消しは求めていない。

米国向け魚介類加工業社では中国やロシア産、アラスカ産のズワイガニも扱われている。出荷記録では北朝鮮人が雇用された工場から、今年１００個の魚介貨物コンテナ ２０００トンが米国、カナダに出荷。ズワイガニ、サーモンフィレ、イカリングのパッケージには米国流通業社の物もある。多くの場合魚介類は流通過程でパッケージが代わり、流通元が不明となる。中国内で既にウォルマート等のパッケージになり米国に出荷されているという。ウォルマートの報道官は、琿春工場の問題を把握し取引は停止していると説明している。
米国務省は何年も北朝鮮を人身売買でブラックリストに載せてきたが、政府当局と輸入業者により労働者が適切に扱われるよう指導すべきで、人身売買撲滅を目指す機関は、大手企業は監査員を工場に派遣したりサプライヤーと協力し多くの資金、時間、労力をサプライチェーンの正常化に使うべきだとする。」