降雨量は8月以降改善しているがタイミングが遅すぎたため、収穫を大きく改善させることは難しい。国連制裁にもかかわらず、中国から北朝鮮への食糧輸出は昨年に比べ急増している。国連制裁と食料不足は北朝鮮の経済を大きく傷つける可能性がある。
7月の国連の報告書は以下の通りレポートしている。北朝鮮の今年の降雨量は、穀物生産が過去最低を記録した2001年の同時期の降雨量よりもかなり少ない。4月から6月の干ばつは、今年の農業収穫量に大きく影響を与え、食糧不足を悪化させる恐れがある。...
全部読む
降雨量は8月以降改善しているがタイミングが遅すぎたため、収穫を大きく改善させることは難しい。国連制裁にもかかわらず、中国から北朝鮮への食糧輸出は昨年に比べ急増している。国連制裁と食料不足は北朝鮮の経済を大きく傷つける可能性がある。
7月の国連の報告書は以下の通りレポートしている。北朝鮮の今年の降雨量は、穀物生産が過去最低を記録した2001年の同時期の降雨量よりもかなり少ない。4月から6月の干ばつは、今年の農業収穫量に大きく影響を与え、食糧不足を悪化させる恐れがある。穀類、ジャガイモ、大豆等が北朝鮮国民の主要な栄養源であるが、その多くは既に栄養失調である。最新の制裁で北朝鮮は石油の輸入支払への外貨にも不足することになる。干ばつ前でさえ北朝鮮では1人あたり一日約1,640カロリーの食物しか摂取していなかった。米保健福祉省は2,000カロリーを推奨している。
8月以降、降雨量は北朝鮮国内の大部分で改善しているが、干ばつの影響を取り戻すには不十分だ。8月に雨が降っても最適な植付期間は既に終わっており、春に植え付けられた作物はすでに干ばつの影響を受けている。9月、10月は北朝鮮の主要な穀物の収穫期だが、2017年の収穫量は2016年に比べ減少すると予想されている。減少幅はまだわからない。ただ2000年から2001年にかけての記録的な低収穫量まで2017年の収穫量が低下するとは考えにくい。
こうした中、韓国の統一省は9月12日、国際機関を通じて北朝鮮に800万ドルの人道的援助を提供する計画を発表した。今後政府の会合で資金の割当が決定されるが、 国連世界食糧計画(WFP)を通じ450万ドル、国連児童基金(UNICEF)を通じ350万ドルを検討している。タスの引用した国連報告によると、4月の干ばつの影響で 7月の時点で北朝鮮の収穫が59%が失われ、特に米は生育に大量の水を必要とするため、最も深刻な影響を受けた。8月に国連は干ばつの影響を受けた北朝鮮国民を支援するために590万ドルを拠出しFAOは5,300万ドルの救済援助を約束した。これまでフランス、ロシア、カナダ、スイスだけが世界食糧計画の下で北朝鮮への支援を拡大してきた。
ある専門家によれば、北朝鮮はミサイル、核の実験の中断と引き換えに中国や米国からの援助を引き出すことも可能だとしている。
閉じる