6月16日の『The Guardian』、『CNN』によれば、6月16日に開示されたトランプ米大統領の事業資産の財務状況報告書に関し以下の通り報じている。この報告書は6月16日に米政府倫理局により公開され、98ページからなり、対象期間は2016年1月から2017年4月15日までの16ヶ月間だ。2016年秋にワシントンにオープンした新しいホテルからの約2000万ドルの売上や、フロリダ州のマル・ア・ラーゴのリゾートの売上が前回の報告よりも何百万ドルも増加したことなど、トランプ米大統領の就任以来の事業の状況を垣間見ることができる。

1月に就任した際、トランプ米大統領は自分の持つ世界的な不動産、不動産管理、マーケティング事業の経営を二人の息子と経営幹部に引き継いだ。しかしトランプ米大統領は米政府倫理局から促されたにも関わらず持分を売却しておらず、信託しただけで、トランプ米大統領はいつでも信託から元の状態に戻すことができる上、いつでも好きなときに現金を引き出せる 。トランプ米大統領は大統領候補や現職大統領が納税申告書を公表するという長い慣例に従わなかったためこの文書は重要性を増している。...

1月に就任した際、トランプ米大統領は自分の持つ世界的な不動産、不動産管理、マーケティング事業の経営を二人の息子と経営幹部に引き継いだ。しかしトランプ米大統領は米政府倫理局から促されたにも関わらず持分を売却しておらず、信託しただけで、トランプ米大統領はいつでも信託から元の状態に戻すことができる上、いつでも好きなときに現金を引き出せる 。トランプ米大統領は大統領候補や現職大統領が納税申告書を公表するという長い慣例に従わなかったためこの文書は重要性を増している。納税申告書は広範囲の収入と負債を含むため財務状況報告書よりも更に詳しい財務情報である。この報告書によるとトランプ米大統領は就任前に500以上の職を辞した。この財務状況報告書は納税申告書とは異なり、直接的および間接的な外国事業との関係を含む彼の事業及び金融取引についての詳細はわからない。米連邦法では、トランプ米大統領が来年まで新しい財務状況報告書の提出を求めておらず、税務申告書を出せないという事実を考慮して、自主的に財務状況報告書を提出したことは特に重要だと専門家は指摘している。

負債は16件で少なくとも3億1500万ドルあり、昨年提出した報告書とほぼ同じだ。依然としてドイツ銀行に1億ドル以上の負債があり、ニューヨークに本拠地を置く不動産投資信託であるラダーキャピタルファイナンスにも同程度の負債がある。これらの負債からトランプ候補が米大統領選挙運動資金をいくら賄かったのかはこの開示では明らかになっていない。米連邦倫理法に基づく報告書では各負債の金額の範囲を報告するだけで金額の報告の必要は無い。トランプ米大統領の開示では5つの別々の負債がそれぞれ5千万ドル超と記載されているが、詳細な負債額がどう変化したか判断することは不可能だ。このため負債額ははるかに高くなる可能性がある。

トランプ米大統領の事業の中には1年前よりも多くの収入を得ているものもある。しかし、この報告書の対象期間は16ヶ月間なので、過去の財務状況報告書と直接比較することはできない。トランプ米大統領が2017年冬から7週間にわたり、習中国国家主席を迎えシリアに対するミサイル攻撃を命じるなど各国の首脳をもてなしたマル・ア・ラーゴは前回の2016年5月の財務報告書の3000万ドルの売上から、今回約3700万ドルに増加した。マル・ア・ラーゴは昨年、会費を2倍に引き上げた。ホワイトハウスの近くにあるトランプインターナショナルホテルは昨年9月にオープン以来、盛況となっており1970万ドルの売上をあげている。就任式典の中心としての役割を果たしたほか、外交や事業者向けに多数のイベントを開催してきた。このホテルは憲法の外国からの金品の受け取りを禁ずる報酬条項に違反するとして3つの訴訟の対象となっているが、トランプ米大統領と米司法省はこれに対し根拠がないとしている。トランプ米大統領の事業の中には、トランプ米大統領候補が2016年6月に訪れた際、抗議を受けたスコットランドのゴルフクラブ「トランプ・ターンベリー」など、収入が減少したものもある 。トランプ米大統領の芸能界からの収入としてはミスユニバースから約11百万ドル、映画俳優組合の年金から84,292ドルがある。著作権料としては「危機に瀕した米国：どうやって米国を復活させるか」は100万ドル、「1987年の回顧録：取引の技術」は少なくとも10万ドルを稼いだ。トランプ米大統領は利益相反を避けるため、2016年6月に保有する上場株式をすべて売却したとしていたが、この報告書からそれは確認できる。