【Globali】
ブラジルの食肉業者不正が世界に影響(2017/03/24)
ブラジルの食肉加工業者が検査官に賄賂を贈り衛生基準等に違反する食肉を国内外に販売していたことが明らかになったが、ブラジルから食肉を大量に輸入している中国は輸入を禁止し、日本も輸入手続きを保留するという措置を取っている。ブラジルは世界最大の食肉輸出国で世界の輸出額の五分の一を占めており、事態の進展次第では世界の食肉事情やブラジル経済への影響が懸念されている。
3月22日付
『ニューヨークタイムズ』は、「ブラジル食肉不正事件は“みぞおちへのパンチ”」という見出しで、水曜日ブラジル農務相は安全基準を巡る不正疑惑で輸出が激減しており、食肉業界にとっては「みぞおちへのパンチ」となると語ったと報じた。先週の金曜日2年間の捜査の後、食肉の粗悪化や消費期限切れ、衛生基準違反を見逃すための賄賂を受け取ったとして連邦警察は連邦検査官十数人を逮捕した。不正を行った会社にはJBS、BRFの2大加工業者などが含まれているが、両社とも疑惑を否定している。...
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3月22日付
『ニューヨークタイムズ』は、「ブラジル食肉不正事件は“みぞおちへのパンチ”」という見出しで、水曜日ブラジル農務相は安全基準を巡る不正疑惑で輸出が激減しており、食肉業界にとっては「みぞおちへのパンチ」となると語ったと報じた。先週の金曜日2年間の捜査の後、食肉の粗悪化や消費期限切れ、衛生基準違反を見逃すための賄賂を受け取ったとして連邦警察は連邦検査官十数人を逮捕した。不正を行った会社にはJBS、BRFの2大加工業者などが含まれているが、両社とも疑惑を否定している。逮捕後売り上げは底なしの低下を見せており、当局によると3月の一日当たりの平均売上高が6,300万ドルであったのに対し3月21日の売上高は7.4万ドルまで減少した。南アフリカ、エジプト、中国などが輸入を禁止したほかEUも規制を発表した。農業はブラジル経済の四分の一を占めており、政治家の腐敗やルセフ前大統領の弾劾による影響で低迷しているブラジル経済にとっては打撃となると報じている。
3月22日付
『ブルームバーグビジネス』は、「中国の輸入禁止でブラジル産冷凍食肉が海上で立ち往生」という見出しで、中国の輸入禁止で上海の輸入業者が影響を受けていると報じた。この危機は3月17日ブラジル当局が食肉業者の不正で、ハム・ソーセージに豚の頭や段ボールが混ぜられていたり、腐った肉の防臭のため薬品が使われていたと発表したことから始まった。中国は昨年のブラジルの食肉輸出額55億ドルの三分の一を輸入しているが、ブラジルからアジアの港まで1ヶ月以上かかるため、積み荷は今や宙ぶらりんの状態となっている。香港も火曜日輸入禁止を発表したが、香港では中国各地への積み替えが行われている。ブラジルのテメル大統領は食肉輸入国の大使をブラジリアのレストランに招待しステーキ食べ放題のディナーをふるまってブラジル産牛肉の安全を宣伝した。しかし食べ物に対する不安は容易に始まるが、解消されるまでには時間がかかる。特に中国ではその傾向が強いと報じている。
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