ジョー・バイデン米大統領の息子ハンター・バイデン氏が銃所持等で有罪となったことは、父バイデン氏の選挙に有利となり、司法省の追及が不公平だと主張してきたドナルド・トランプ氏に不利な材料となると専門家は分析している。
6月12日付英
『Guardian』:「ハンター・バイデン氏起訴はトランプ氏に逆風」:
ハンター・バイデン氏が銃所持等で有罪となったことは、父ジョー・バイデン氏の選挙に有利となり、司法省の追及が不公平だと主張するトランプ氏に不利な材料となると専門家は分析している。
前大統領で共和党暫定候補のドナルド・トランプ氏は、先月の不倫口止め料での起訴の理由として、繰り返し司法システムの腐敗を強調している。...
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6月12日付英
『Guardian』:「ハンター・バイデン氏起訴はトランプ氏に逆風」:
ハンター・バイデン氏が銃所持等で有罪となったことは、父ジョー・バイデン氏の選挙に有利となり、司法省の追及が不公平だと主張するトランプ氏に不利な材料となると専門家は分析している。
前大統領で共和党暫定候補のドナルド・トランプ氏は、先月の不倫口止め料での起訴の理由として、繰り返し司法システムの腐敗を強調している。
トランプ氏の裁判は司法省から独立した地方裁判所であったのに対し、ハンター氏は、政権内となる司法省の権限下での起訴である。これは、バイデン政権が司法を政治的武器として利用しているという共和党の主張を一層弱め矛盾させる点となる。
その結果、専門家は、バイデン氏は息子の起訴で個人的な打撃を受けるものの、これが返ってバイデン氏を接戦にまで持ち上げるものだと分析する。
この傾向は、ハンター氏の別の罪に攻撃をシフトさせている共和党の反応からも伺える。ハンター氏は実刑判決となる可能性もあり、9月に脱税容疑でも法廷に立つとされるが、バイデン大統領は、大統領権限での恩赦は与えないとも述べている。
同日付米『CNN』:「トランプ氏の司法迫害主張を覆すハンター氏有罪判決」:
過去2週間、前大統領と、現職大統領の息子の有罪判決という前代未聞の事態をうけ、11月の有権者の選択に米国の法規範が健在であるかが試されている。
バイデン氏は、息子の起訴に干渉するつもりはないとし、ハンター氏も判事や検事を攻撃していない。バイデン側の振る舞いは、トランプ氏が2週間前の有罪判決時に見せた反応とは対照的である。司法省が無関係であるにもかかわらず、「バイデン政権が政敵を陥れるために仕組んだもの」だと証人、陪審員、判事を罵り、不正判決だと批判した。以来トランプ氏は、大統領権限を使って政敵に懲罰を与え、司法制度を変えるつもりだと強調している。
トランプ氏は、ニューヨーク州での裁判で、民主党が強い青い州では、公正な判決はできないと主張していた。しかし、ハンター氏の判決を下したデラウェア州は青い州である。もし無罪だったなら、共和党は当然「偏見のある判決」だと主張していただろう。しかし、有罪判決がその政治的主張を吹き飛ばした。
司法省が共和党だけを標的にしており、同氏が利用された司法制度の被害者だという主張だが、司法省は共和党だけを追及しているという考えは、ハンター氏の銃所持と9月に迫りくる税金裁判により、誤りであることが判明した。
共和党は、判決が気に入らないため、司法システムや法規制全体を攻撃したが、ハンター氏起訴に関して民主党からは一つも不正だとの訴えはない。バイデン大統領は、トランプ前大統領が就任中、個人司法事務所のように法的権限や捜査権限を私物化していたのを受け、司法省の独立性を復活させると公約していた。
都合の悪い事実が露呈し、トランプの迫害主張は崩壊した今、議会のトランプ支持者は不正や陰謀論としてハンター氏の有罪判決を殆ど使わないのである。
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