世界最大の半導体受託製造企業の台湾積体電路製造(TSMC、1987年設立)は、スマートフォンや電気自動車用半導体需要の落ち込みで2023年決算は14年振りに減収減益となった。しかし、同社トップは、2024年はAI関連半導体需要が底堅く、売り上げも大幅に回復し、2024年2月に開所式を迎える熊本新工場も、今年後半には量産体制となるとぶち上げている。
1月19日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース、欧米
『ロイター通信』等は、TSMCの2023年決算は14年振りの減収減益となったが、同社トップは、2024年は売上高が大幅に回復し、今年稼働開始の熊本新工場も年末までに量産体制に入ると強気な発言をしていると報じた。
TSMCは1月18日、2023年の決算発表を行った。
それによると、スマートフォンや電気自動車の売り上げ減少に伴う半導体需要の落ち込みに遭って、売上高は前年比▼4.5%減の2兆1,617億台湾元(約10兆1,900億円)、純利益は同様▼17.5%減の8,384億台湾元(約3兆9,100億円)だったという。...
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1月19日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース、欧米
『ロイター通信』等は、TSMCの2023年決算は14年振りの減収減益となったが、同社トップは、2024年は売上高が大幅に回復し、今年稼働開始の熊本新工場も年末までに量産体制に入ると強気な発言をしていると報じた。
TSMCは1月18日、2023年の決算発表を行った。
それによると、スマートフォンや電気自動車の売り上げ減少に伴う半導体需要の落ち込みに遭って、売上高は前年比▼4.5%減の2兆1,617億台湾元(約10兆1,900億円)、純利益は同様▼17.5%減の8,384億台湾元(約3兆9,100億円)だったという。
これは2009年以来14年振りの減収減益となる。
決算発表に当たって、同社トップの魏哲家最高経営責任者(C.C.ウェイ、70歳、2018年就任、2024年6月会長就任予定)は、以下のように発言している。
・2024年は、AI関連需要が底堅く、売上高は2023年比+20~25%と見込む。
・この傾向は、2023年第4四半期(10~12月期)に既に顕著となっていて、同期実績は売上高が前年同期比ほぼ横ばいの一方、純利益が▼19%減となったものの、経済アナリストの予想値2,264億台湾元(約1兆600億円)を上回り2,387億台湾元(76億ドル、約1兆1,100億円)を達成。
・今後続く底堅い半導体需要より、2024年に280~320億ドル(約4兆900億円~4兆6,700億円)の新規設備投資を行う計画。
・具体的には、米アリゾナ州に第2工場、また、ドイツにも初めて工場を建設し、欧州・北米市場への半導体供給増強を図る。
・更に、今年2月24日に開所式を迎える熊本工場は、第4四半期に量産体制に移行予定で、更に日本に第2工場の建設も検討していて、日本及び東アジア市場を狙う。
・もちろん、地元の台湾における生産体制増強も最終検討段階に入っていて、第3工場の建設候補地は南部高雄(カオシュン)。
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