<ハイライト>(9月18日午後10時現在の総感染者数順の報告)
●国連:9月17日、組織内のどれだけの職員がワクチン接種済みかについて、公開することを拒絶。
●世界保健機関(WHO):国連同様、ワクチン接種状況についての情報公開を拒絶。ただ、昨年11月、『AP通信』が入手した内部資料によると、その当時職員のうち65人が陽性であったことを確認。
●米国:(1)バイデン政権が決定した1兆9千億ドル(約209兆円)のCOVID-19対策資金のうち、21億ドル(約2,310億円)が、病院・人工透析センター等の医療施設での院内感染を防ぐための医療体制強化に投下される予定。
(2)バイデン政権のブースター接種(3回目)推進計画に対して、米食品医薬品局(FDA、1906年設立)専門委員会が9月17日、ブースター接種の安全性及び有効性について判断を下す見とおし。
●インド(印):(1)ナレンドラ・モディ首相(71歳)の誕生日である9月17日に、これを祝う形で2,100万回分のワクチンを全国に配布。この結果、7億7千万人がワクチン接種済み(2回接種が20%、1回接種が62%)。
(2)当局は、4~6月の急激な感染拡大に伴って病床がひっ迫したことから、10~11月のフェスティバル期間(ヒンズー教ダシェラ祭や新年祭等)における国民の感染防止対策強化を要求。
●英国:運輸相が9月17日、目下適用している海外旅行適用規定について、費用削減、高いワクチン接種率等に鑑み、適用基準を単純化する意向と表明。
●スリランカ(斯里蘭):政府は9月17日、9月21日期限の都市封鎖措置を10月1日まで再々延長することを決定。医療専門家は、1日の感染者・重症者・死者数が漸減しているものの、依然感染再拡大リスクが残ると警鐘。
●韓国:9月17日の感染者が2,008人と、73日間連続で1千人超。ソウル他大都市圏には最も厳しい行動制限措置適用を継続しているが、学校の再開や夏季休暇明けで人流が戻ったことが背景。
●カンボジア(東埔寨):政府は9月17日、学校再開に当たって、6~11歳の生徒へのワクチン接種キャンペーンを開始。なお、全人口1,700万人のうち72%近くがワクチン接種済み(1回)。
●中国:ワクチン接種者(2回)は10億人超となったが、9月17日に福建省(フーチェン)で62人の感染者発生。これで同省の直近の感染者数が300人近くとなり、当局は都市封鎖措置を断行。
●オーストラリア(豪):同国で3番目となる米モデルナ製ワクチン100万回分が今週末に到着予定。現在の16歳以上の市民のワクチン接種率(1回)は70%超。
<国連>
・ジュネーブ本部のアレッサンドラ・ベルーチ報道官は9月17日、『AP通信』のインタビューに答えて、“組織内のどれだけの職員がワクチン接種済みかについては、医療機関に関わる情報である”として、“報道機関に公開することはできない”と表明。
・ただ、ワクチン接種率について公開できるかについては検討するともコメント。
<WHO>
・国連同様、マーガレット・ハリス報道官も、“非公開情報の扱いとしているので、知らせられない”とコメント。
・ただ、昨年11月、『AP通信』が入手した内部資料によると、その当時職員のうち65人が陽性であったことを確認。
・なお、各国政府は何人の国民がワクチン接種済みかを把握していて、WHOが同情報を集計。
<米国>(感染者4,237万9,294人、死者68万1,427人、致死率1.6%)
(1) ジョー・バイデン大統領(78歳)が今年3月に署名して実施されることになった1兆9千億ドル(約209兆円)の追加経済対策資金のうち、21億ドル(約2,310億円)について、米疾病予防管理センター(CDC、1946年設立)は、病院・人工透析センター等の医療施設での院内感染を防ぐための医療体制強化に投下する予定。
CDCのロッシェル・ワレンスキー長官(52歳)は、当該資金を基に“米国における現在及び将来の感染症対策に資するべく、衛生及び医療体制を飛躍的に増強していく”と表明。
なお、5億ドル(約550億円)がCOVID-19感染症等の“専門家対策部隊”の創設・教育に、また、9億ドル(約990億円)が来年以降の感染症研究及び感染防止策の開発に充当。
(2) バイデン政権の専門家チームが、同政権目論むブースター接種(3回目)推進計画に関し、その有効性等について討議中なるも、直近においても賛否両論。
しかし、FDA専門委員会が9月17日、ブースター接種の安全性及び有効性について判断を下す見とおし。
もし、FDAがブースター接種を承認すれば、CDC専門委員会が9月22日、開始時期と対象者について協議予定。なお、CDCの目下の見解では、全成人ではなく、高齢者・養護老人ホーム居住者及び最前線の医療従事者を対象。
なお、WHOは以前より、貧困国にワクチン配布が行き渡らないうちの富裕国におけるブースター接種措置には強く反対。
<インド>(感染者3,341万5,889人、死者44万4,563人、致死率1.3%)
(1) ナレンドラ・モディ首相(71歳)の誕生日である9月17日に、これを祝う形で2,100万回分のワクチンを全国に配布。この結果、7億7千万人がワクチン接種済み(2回接種が20%、1回接種が62%)。
(2) 保健省は、4~6月の急激な感染拡大に伴って病床がひっ迫したことから、10~11月のフェスティバル期間(ヒンズー教ダシェラ祭や新年祭等)における国民の感染防止対策強化を要求。
(3) 野党の若手議員や党員が9月17日、感染流行に伴う深刻な失業率に鑑み、雇用創出を求めて街頭デモを行い、警官隊と衝突。
<英国>(感染者737万1,301人、死者13万4,983人、致死率1.8%)
・運輸省のグラント・シャップス大臣(53歳)が9月17日、目下適用している海外旅行適用規定について、費用削減、高いワクチン接種率等に鑑み、適用基準を単純化する意向と表明。
・現在適用の“3段階信号規定”では、赤信号指定国(高感染国)からの入国者は10日間、政府指定の隔離ホテルでの待機が義務付けられ、黄信号指定国(中感染国)から入国するワクチン未接種者には10日間の自宅待機、また、ワクチン接種者には入国前及び入国後の陰性検査を義務付け。
・なお、適用規定緩和はイングランド・カントリーのみが対象で、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド・カントリーについては自治政府の政策次第。
<スリランカ>(感染者50万772人、死者1万1,938人、致死率2.4%)
・大統領府のキングスリー・ラスナヤカ報道官は9月17日、ゴーターバヤ・ラージャパクサ大統領(72歳)が議長を務めるCOVID-19対策特別委員会が、9月21日期限の都市封鎖措置を10月1日まで再々延長することを決定したと発表。
・同都市封鎖措置は8月20日に実施されて以降、都合4回延長。
・医療専門家は、1日の感染者・重症者・死者数が漸減しているものの、依然感染再拡大リスクが残ると警鐘。
・なお、政府は、必要不可欠な職業従事者や、輸出専門の工場や農業従事者の就労は許可。
<韓国>(感染者28万4,022人、死者2,394人、致死率0.8%)
・9月17日の感染者が2,008人と、73日間連続で1千人超。ソウル他大都市圏には最も厳しい行動制限措置適用を10週間も継続しているが、学校の再開や夏季休暇明けで人流が戻ったことが背景。
・政府は、年中最大行事の秋夕(チュソク、韓国版感謝祭、注後記)の連休が9月20~22日(土・日を含めると連続5日間)となり、数百万人が家族・親戚らと一堂に会することになるため、感染拡大を懸念。
・保健福祉部(省に相当)の李基一副部長(イー・キーイル)は、“ワクチン未接種の人で、両親や親戚が60代以上の場合、訪問を見送ることを要請する”と表明。
<カンボジア>(感染者10万3,482人、死者2,096人、致死率2.0%)
・政府は9月17日、数ヵ月閉鎖されていた学校を再開させるのに当たって、6~11歳の生徒へのワクチン接種キャンペーンを開始。
・行政府トップのフン・セン首相(70歳)が決定したもので、早速同首相の孫や他の高官の子息などへの接種開始。
・同首相はまた、3~5歳の児童へのワクチン投与が安全かどうか保健省高官に検討するよう指示。なお、同国の12歳以上はワクチン接種済み。
・同国のワクチン接種は今年2月に始められ、全人口1,700万人のうち72%近くがワクチン接種済み(1回)。このほどんどが、中国シノバック及びシノファーム製ワクチン。
<中国>(感染者9万5,577人、死者4,636人、致死率4.9%)
・国家衛生健康委員会(前身は1949年設立)は9月16日、ワクチン接種者(2回)は10億人超と、全人口14億人の72%に相当と公表。
・しかし、その翌日の9月17日、同委員会は福建省(フーチェン)で62人の感染者が発生したと発表。31人が南部の厦門(シャーメン)、28人が中部の莆田(プーティエン)、その他が3人と、いずれもデルタ株ウィルス(インドで発見された変異株)に感染したもの。
・これで同省の直近の感染者数が300人近くとなり、当局は学校や娯楽施設の閉鎖、また、同省外への移動・旅行を制限する都市封鎖措置を断行。
<オーストラリア>(感染者8万4,056人、死者1,148人、致死率1.4%)
・保健省のグレッグ・ハント大臣(55歳)は9月17日、同国で3番目となる米モデルナ製ワクチン100万回分が今週末にシドニーに到着予定だと発表。
・これまで、米ファイザー製及び英国アストラゼネカ製ワクチンが投与されていたが、今後選択肢が3つとなり、目下デルタ株蔓延に喘ぐシドニー・メルボルン・キャンベラでの免疫向上に期待。
・なお、同大臣は、現在の16歳以上の市民のワクチン接種率(1回)は70%超と付言。
(注)秋夕:朝鮮民族の習俗において、旧暦の8月15日に祖先祭祀や墓参を始めとする行事が行われる祭日。韓国では秋夕が一番重要な年中最大の祝日であり、秋夕の当日を含めて前後3日間が祝日。一方、北朝鮮では当日一日だけが祝日。
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