既報どおり、ジョー・バイデン大統領(78歳)は初の欧州外遊の機会を捉えて、ウラジーミル・プーチン大統領(68歳)と首脳会談を持つ。欧米諸国は挙って、ロシア政権による野党勢力代表の不当投獄を厳しく非難していることから、当然今回の会談でも米国側より問題提起されることが必至である。そこでプーチン大統領は、米国こそ1月初めの米議会乱入騒動を利用して反政府勢力を不当逮捕している、と先制パンチを繰り出している。
6月14日付
『AP通信』:「プーチン大統領、ロシアの反政府勢力取り締まりは米国の議事堂乱入騒動の逮捕自体と大差ないと批評」
訪欧中のジョー・バイデン大統領は6月16日、ウラジーミル・プーチン大統領と初めての首脳会談を持つ。
そこでプーチン大統領は機先を制すべく、今年1月初めの米議会乱入騒動の際に数百人の人たちが逮捕された事態は、“政治的対立者への迫害”と見做される恐れがあると言い出した。...
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6月14日付
『AP通信』:「プーチン大統領、ロシアの反政府勢力取り締まりは米国の議事堂乱入騒動の逮捕自体と大差ないと批評」
訪欧中のジョー・バイデン大統領は6月16日、ウラジーミル・プーチン大統領と初めての首脳会談を持つ。
そこでプーチン大統領は機先を制すべく、今年1月初めの米議会乱入騒動の際に数百人の人たちが逮捕された事態は、“政治的対立者への迫害”と見做される恐れがあると言い出した。
同大統領は6月14日、米『NBC』のインタビューに答えて、“欧米の人たちはロシアにおける反対勢力の取り締まりについて、異議や不寛容だと非難するが、我々の見方は全く異なる”とした上で、“ドナルド・トランプ氏に対抗したバイデン氏の選挙勝利を確定するための議会評決を阻止しようと、1月6日に議会にデモ行進した反対勢力の人たちが逮捕されている”と言及した。
そして同大統領は、“議事堂に入って政治的意見表明をした450人もの人たちが、不当に逮捕されている”と強調した。
更に同大統領は、欧米諸国が非難している、昨年のアレクセイ・ナワルニー氏(44歳)の毒殺未遂事件への政権側関与について、“ロシアにはそのような悪習はない”と改めて全否定した。
その上で同大統領は、トランプ支持者のアシュリー・バビット氏(享年35歳、元米空軍兵士)が議事堂内下院に続くドアをよじ登ろうとした際に議会警察によって射殺された事件に言及して、“誰が議事堂に歩み入ろうとした女性を暗殺するよう命令を下したのか”と、米国こそが恐ろしい行為に溢れた国だと言わんばかりに詰問した。
一方、同大統領は、米国側が根拠もなくロシアによるサイバー攻撃を受けているとの非難についても真っ向から否定した。
同大統領は、“証拠も何も示さず、ただロシアを非難する茶番を繰り返している”とし、“何故なら、サイバー攻撃に限らず、大統領選介入疑惑等、納得のいく確証など一切示されたことなく、ただ一方的に責めるだけ”だと、辟易するとの態度を示した。
なお、昨年発生の、ソーラーウィンズ社(1998年設立のネットワーク・マネジメント・ソフトウェア開発企業)に保存されていた、いくつかの米政府機関のデータに不法アクセスされた事件に関し、ロシア対外諜報庁(1991年設立、旧ソ連のKGB後継機関)によって行われたことが判明したとして、米政府は今年4月、駐米ロシア外交官10人を国外追放処分にしている。
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