「ポケモンGO」、性犯罪者は利用不可に(2016/08/02)
海外で先行ダウンロードがスタートし、先週日本でも配信が開始されたアプリ「ポケ
モンGO」。アメリカでは放映中のニュース番組のテレビカメラの前を、ゲームに夢中
になった人が横切ったり、ゲームに夢中になるあまり事故が起こるなど、様々な問題
も指摘されている。そんな中、ニューヨーク市長のクオモ氏が、性犯罪者の前科を持
つ者は「ポケモンGO」をはじめ、現実拡張型(AR)や相互交流型ゲームをすべきでは
ないとして、これを禁止する措置を取ることを決めたと発表した。日本の街中でも
「ポケモンGO」を楽しんでいるとおぼしき人々が多数見受けられる中、これを好まし
く思わない人がいるのもまた事実である。だからといってAR型ゲームを全面禁止にす
ることも難しいだろう。「ポケモンGO」が性犯罪者に禁止されるいきさつとAR型ゲー
ムの未来について、各メディアは以下のように報じている。
8月1日付
『NYデイリーニュース』(米)は性犯罪者にとって「ポケモンGO」は「ポケ
モンNO GO」だとして、ニューヨークのクオモ市長が性犯罪の前科を有する者が同
ゲームや類似のゲームをダウンロード、アクセス、またはプレイするのを禁止する方
針であることを明らかにしたと報じる。ニューヨーク州のおよその見積もりによれ
ば、仮釈放中の者を含む3000人が今回の措置により影響を受けるとされる。さらに同
州は今回対象となる性犯罪の中でも重罪のものから、軽犯罪の前科を有する5000人に
も対象を広げていく方針であるとしている。...
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8月1日付
『NYデイリーニュース』(米)は性犯罪者にとって「ポケモンGO」は「ポケ
モンNO GO」だとして、ニューヨークのクオモ市長が性犯罪の前科を有する者が同
ゲームや類似のゲームをダウンロード、アクセス、またはプレイするのを禁止する方
針であることを明らかにしたと報じる。ニューヨーク州のおよその見積もりによれ
ば、仮釈放中の者を含む3000人が今回の措置により影響を受けるとされる。さらに同
州は今回対象となる性犯罪の中でも重罪のものから、軽犯罪の前科を有する5000人に
も対象を広げていく方針であるとしている。
ニューヨーク州で性犯罪の前科を有する者が「ポケモンGO」をしているところを発見
された場合、仮釈放は取り消され直ちに収監されることになる。
クオモ市長は、技術の進歩の名のもとに子どもが犠牲になってはならないとし、あく
までも子どもの安全が優先事項だとする。また、同氏は、州がゲームの使用を禁止す
るだけでは不十分で、ゲームを開発したナイアンテックラボ社に対しても、性犯罪が
ゲームを利用するのを阻止するための協力を書簡で求めている。同氏はさらに、同社
に対して公安局の保持する最新の犯罪者リストを提供する方針であることも明らかに
している。公安局はナイアンテックラボ社の他、アップル社やグーグル社に対しても
情報共有の社会的必要性と協力の重要性を説き、働きかけていくという。ただし、ナ
イアンテックラボ社からの回答はまだ無いという。
今回のクオモ市長の発表のきかっけとなったのは、クライン氏とサヴィーノ氏の両上
院議員が「ポケモンGO」やAR型ゲームの利用により、子どもたちが性犯罪者から狙わ
れているといった内容の報告書である。報告書内では、両議員のスタッフが2週間か
けて中程度から重罪レベルの性犯罪者100人の家の近所を調査したところ、調査時間
のうちの57%の頻度でポケモンが出没したという。これに「ポケストップ」や「ポケ
モンジム」などといったアイテム入手やポケモンをトレーニングできる場所を含める
と、その頻度は73%にまで跳ね上がる。この両議員は、性犯罪者の家から最低でも100
フィート(約30メートル)はゲーム上のスポットから離すことを義務付ける法律の立
法化に向けて活動を行っている。また両議員は、このような法整備だけでも不十分
で、性犯罪者が子どもを自宅におびき寄せる危険性は消えないとも主張している。
「ゲームは子どもを楽しませてくれるが、同時に危険性にも目を向けるべき」。
クオモ氏は州の司法長官を務めていた2008年に、性犯罪者のインターネット使用を制
限する法案を通したことで知られている。この法律は性犯罪者に対し、州へのeメー
ルアドレスやユーザーネームを報告を義務付けている。これらの情報はソーシャル
ネットワークサービスと共有されている。法律が施行されてから、今日まで1万8544
人の犯罪者に関する5万2000件の情報が情報関連会社に送付されている。
同日付
『IBタイムズ』(米)によれば、「ポケモンGO」を使った犯罪が頻繁に起きて
いるという。例えば、「ポケモンGO」を悪用した強盗などもこれにあたる。ゲーム内
ではポケモンをゲットするためにアイテムを使うことがあるが、この情報は他のプ
レーヤーにも共有される。このことを利用し、犯人はポケモンをゲットしようとやっ
てくるプレーヤーを人気のない所で待ち伏せし、金品を奪っていたと考えられる。他
にもゲームに夢中になるあまり、交通事故を起こすなど、様々な事例が報告されてい
る。
では、「ポケモンGO」をはじめとするAR型ゲームは「害悪」なのか。一概にはそうと
も言い切れない。事実、ゲームにより運動不足が解消されたという報告や、うつ病に
効果のある可能性も指摘されている。
同日付
『BBC』(英)はナイアンテックラボ社のマーケティング部長であるスミス氏
のコメントを掲載している。「現時点では問題も多いかもしれないが、改良を重ねる
ことにより、AR型ゲームはより現実に即したものになるだろう」。同社のサイトでも
注意書としてゲームの対象年齢は13歳以上で、法に則ってプレイされるべきであると
記されている。
最近注目を集めているAR型ゲームだが、改良や伸びしろの可能性も含めて注目されて
いるともいえる。
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妖怪ウォッチはポケモンに続くのか!?(2015/12/14)
一昨年任天堂3DSゲームソフトとして発売され、昨年アニメの放映開始、以来今や大人気の「妖怪ウォッチ」が、英語版で北米やカナダで展開され話題となっている。同じく北米で日本のアニメとして長く人気だった「ポケモン」ことポケットモンスターと何かと比較されているようだ。同じ「モンスター(怪物、妖怪)」でも妖怪ウォッチの「妖怪」は日本の文化的要素もあり、パロディーも多いため、海外で受け入れられるのか。妖怪ウォッチの時代は到来するのか、各紙は以下のように報道している。
12月13日付け
『CNN』は、日本文化を取り入れたゲームとして任天堂の「妖怪ウォッチ」を紹介している。奇妙でかわいい妖怪たちがラインナップ、独自のアニメシリーズでアメリカにも先月上陸した。任天堂のこれまで不動の人気だったポケモン等とは一味違い、妖怪ウォッチは日本文化との深いつながりを感じさせ、独特の雰囲気がある。
「日常生活の中で現代の子供たちに起こるすべての奇妙な、説明のつかないもの、見えない存在の所業として一笑されているものがすべて”妖怪”のしわざであるとするストーリー展開だ、とゲームを開発したLevel-5社社長兼最高経営責任者(CEO)日野晃博氏は説明。...
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12月13日付け
『CNN』は、日本文化を取り入れたゲームとして任天堂の「妖怪ウォッチ」を紹介している。奇妙でかわいい妖怪たちがラインナップ、独自のアニメシリーズでアメリカにも先月上陸した。任天堂のこれまで不動の人気だったポケモン等とは一味違い、妖怪ウォッチは日本文化との深いつながりを感じさせ、独特の雰囲気がある。
「日常生活の中で現代の子供たちに起こるすべての奇妙な、説明のつかないもの、見えない存在の所業として一笑されているものがすべて”妖怪”のしわざであるとするストーリー展開だ、とゲームを開発したLevel-5社社長兼最高経営責任者(CEO)日野晃博氏は説明。日本の架空の町でプレイヤーは腕時計を使い周辺の妖怪を探索する、そして妖怪たちを集め、戦いでその力を利用していく。
ピカチュウや他のポケモンとは異なり、妖怪は、長い間日本の民俗学の一部にあった。「一言で言えば、彼らは日本の夜に遭遇する自然界の霊、自然現象や動物の擬人だ。妖怪は、多くの場合、古い時代から人知を超える現象を説明するため使用されてきた」とゲーム”妖怪アタック!”の共作者マット・アルト氏は説明。山の中でやまびこを聞くと、音が反射しているとわかるが、古代それは犬のような妖怪によって引き起こされたと考えられていた。このような民話の”古典妖怪”に加えて、Level-5社は架空の妖怪もゲームで展開している。人気の歌手や流行のものをパロディーとして登場させコメディ感満載だ、と日野氏は語っている。
日本で2013年にリリースされて以来昨年は人気が急上昇、続編はランキング一位玩具は飛ぶように売れた。日野氏は、「妖怪ウォッチは、それ自体が冒険がテーマでなく日々の生活の描写だが、却って子ども達の共感を得て人気につながった」という。
11月に米国でリリース時、その文化的背景はこのゲームが欧米でうまく翻訳出来ない心配が上がっていたが、ゲームサイトKotakuの寄稿編集者、ブライアン・アッシュクラフト氏は「子ども達が面白くて怖い生き物が好きなのは万国共通だ。ゲームを通して子ども達に日本や妖怪の事をもっと知って貰いたい」と述べている。
日野は、妖怪ウォッチのデザインは非常に日本的ではあるが、そのコンセプトは文化的な国境を超える。母親が忘れ物を教室に届けに来るとか携帯電話を必要な時に限って忘れてしまうだとか、そのような架空の妖怪を責めることができたらと思える"恥ずかしい瞬間や経験”はだれにでもあるはずだ、と述べている。
12月9日付け
『NYデイリーニュース』は、妖怪ウォッチが今後数ヶ月の間にポケモンに追いつくかも知れないと報道している。先月11月、任天堂およびLevel-5社は、多次元フランチャイズの始まりとなるやも知れない新たなゲームをリリースした。1990年代任天堂がポケモンのフランチャイズを立ち上げ大成功した如く、妖怪ウォッチもアメリカに浸透するだろうか。Level-5社の最高経営責任者(CEO)日野氏はかつてポケモンがアメリカで一世を風靡したように、妖怪ウォッチは日本で既にその愛らしく子供向けの名前とアニメらしいキャラクターで人気を博していると自信をのぞかせる。
妖怪ウォッチは独特のバトル形式で、”ネイト”と名付けられた男の子主人公でゲームが展開される。ネイトはスプリングデールで々な妖怪を映し出す妖怪ウォッチ(腕時計)を手に入れる。妖怪がただの化け物ではなく、日常のハプニングに関わっているアクッションゲームだ。ディズニーXDではアニメも既に放映されている。「妖怪ウォッチは単なるゲームではなく、アニメや玩具を含む完全なエンターテインメントのフランチャイズだ。」と日野氏はいう。
ポケモンとはモンスターを探す所は共通しているが、妖怪ウォッチはアドベンチャー型ではなく、日常の場面展開であり、プレーヤーはゲームの世界に入り込むのではなく自分との関連性をより見つけ易い。独特のキャラクターの魅力も感じられる。北米での展開での課題は、妖怪のネーミング、殆どの名前がダジャレやもじりからつけられている名前なので、ユーモアを翻訳するのは苦労している。
日本ではゲームが先にリリースされているが、北米でアニメが先にリリースされたのは、本国でもアニメ公開で知名度が上がって売り上げが伸びたため、アニメで先に名前を知って貰うためこのような順番となった。
妖怪の戦い方がユニークだが、簡単なプレイ手法で、Level-5社の他のゲームと変わりはない。最近このような手法は業界では主流で、自動バトルシステムがこれにあたる。プレーヤーは妖怪にはならず、妖怪と友達になり、妖怪はプレーヤーのために戦う。こうすることで、プレーヤーはゲームの「ディレクター」の役割を担っているという感覚をもたらす。
日野氏はインタビューで、携帯用ゲーム機としてのフランチャイズ展開を望むかと聞かれ、更に多くの子供に使って貰うためにWii Uへの展開の可能性もあるとしている。
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