ツタンカーメン王の墓の奥に隠し部屋があり、ネフェルティティ女王が埋葬されている可能性があると海外メディアが報じている。事実であれば世紀の大発見であり、エジプト政府も本格調査に乗り出した。
10月2日付
『ロイター通信』は、古代エジプトのツタンカーメン王の墓に2つの隠し部屋に繋がる通路があり、英国人の考古学者ニコラス・リーベス氏によるとその一つはネフェルティティ女王の墓の可能性があると報じた。もしそれが証明されれば、今世紀最大の発見である。リーベス氏は、ツタンカーメン王の墓はもともと王の義母とされているネフェルティティの墓であったが、ネフェルティティは壁で仕切られた奥に埋葬されていると思うと語っている。
また、同氏はレーダーと赤外線画像を使って、実際に秘密の部屋が存在するのか、そして何を所蔵しているかが判断できると述べている。ツタンカーメン王は紀元前1323年に死去し、その墓が黄金のマスクとともに完全な形で1922年に英国人考古学者ハワード・カーターによって発見された。専門家はそれ以来、ツタンカーメン王の墓が他の王より小さく、その形が当時の女王の墓に似ていることについて、疑問を抱いてきた。エジプト学者は、ネフェルティティがどこで死去し埋葬されたか不明としている。女王は夫のアメンホテプ王より早く死去し、1912年に胸像が発見されたアマーナで埋葬されたと考えられてきた。しかし、最近では王より長生きし、短期間王位に就いたとの説が有力となっている。
一方、ネフェルティティのミイラは1898年に発見されエジプト博物館に所蔵されているとして、これに異を唱える考古学者もいる。また、ある考古学者は確かに秘密の部屋はあるが、そこにはネフェルティティではなくツタンカーメン王の実母が埋葬されていると推測する。
10月1日付
『CNNニュース』は、ツタンカーメン王の墓の奥にあるとされる秘密の部屋について、イアン・リー記者の現地レポートを報道している。それによると、昨年、マドリードにある芸術品修復の専門家がツタンカーメン王の墓の高精細映像を公開したが、考古学者のリーベス氏はこの画像を見て、まだ気付かれていない二つの入り口の影を示している可能性のある、壁のヒビを見つけた。「壁に挿絵が無ければ、壁を切り取ったことを示す線がはっきりと見えるはずで、最初に私はそれに気付いた。これは埋葬室に行くための入り口で、この壁の反対側にネフェルティティの墓があるに違いない」とリーベス氏は語る。
秘密の通路が発見されたとしても、すぐに発掘作業が始まるわけではない。エジプトのダマティ古代遺跡相は「ツタンカーメン王の墓を保護する方法を考えなければならない。まだどこから掘るのか分からない」と話す。すぐには結論が出そうにないが、リーバス氏の説が正しければ、ツタンカーメン王の墓は今後ネフェルティティの墓と呼ばれることになりそうだと報じている。
10月1日付
『USニュース&ワールドリポート』紙はAP電として、エジプト政府がレーダー装置を使用し、ツタンカーメン王の墓の奥にあるとされる秘密の部屋が、ネフェルティティの墓であるかどうかの調査をおこなうと報じた。美貌で有名なネフェルティティ女王の胸像は1912年に発見され、ベルリンのノイエス博物館に所蔵されているが、墓はまだ発見されていない。
エジプトの古代遺跡相は現地を視察した後、“即刻”非侵襲性レーダー装置を使用する計画を提案する意向を表明、早ければ11月までにツタンカーメン王の墓に設置すると述べた。
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