21日に、2024年パリ・オリンピック・パラリンピック公式エンブレムが発表された。2020年の東京五輪のエンブレム発表の際、デザインの盗作疑惑で撤回騒動が起きたが、今回のパリ五輪のエンブレムでも様々な批判の声が上がっている。
2024年パリ五輪組織委員会のトニー・エスタンゲ会長は
『フランス アンフォ』のインタビューで、今回発表されたエンブレムを紹介した。デザインは、メダルを現わす円形の中に聖火、そして女性の唇の輪郭、と3つのシンボルで構成されている。
同会長は「一つ目のシンボルは金メダル。2つ目のシンボルは五輪とパラリンピック運動の象徴である聖火。聖火は私たちを駆り立てるものであり、私たちが伝達するエネルギーを現わしている。...
全部読む
2024年パリ五輪組織委員会のトニー・エスタンゲ会長は
『フランス アンフォ』のインタビューで、今回発表されたエンブレムを紹介した。デザインは、メダルを現わす円形の中に聖火、そして女性の唇の輪郭、と3つのシンボルで構成されている。
同会長は「一つ目のシンボルは金メダル。2つ目のシンボルは五輪とパラリンピック運動の象徴である聖火。聖火は私たちを駆り立てるものであり、私たちが伝達するエネルギーを現わしている。3つ目のシンボルは(自由と)フランスの(共和制を擬人化した)象徴でもあるマリアンヌ」であると説明している。
そして、「私たちの野望はユニークなオリンピックにすることです」。 また「フランス人にとって、スポーツが日常生活の中でより重要な場所を占めるようになること」を望んでいると語った。
しかしエンブレムに対する人々の評価は割れているようだ。『ロスアンゼルス タイムズ』は、「オリンピックロゴか?あるいは小悪魔的なならず者か?」という見出しのもと、「今日世界で議論に事欠いているかのように、パリの2024年夏季オリンピックの新しいロゴは、活発なしばしば滑稽な議論を引き起こしている」と報じている。
「アールデコ調のデザインのロゴは、金メダル、五輪の聖火、そしてフランスの象徴マリアンヌを連想させる唇の3つのイメージでできていると組織委員会は説明しているが、今週初めのロゴ発表以降、ソーシャルメディア上でのコメントは予想外の方向に向いた」という。「出会い系アプリのティンダーのロゴに似ている」というコメントや「美容室の広告」に見えるというコメントもあると報じている。
『AFP』によると、フランス極右政党でもある国民連合のマリーヌ・ル・ペン代表は「オリンピックエンブレムの真ん中の炎を青白赤にすれば国民連合のロゴになる」とツイートした。イタリア極右政党の「イタリア社会運動(MSI)」のロゴにもそっくりだと話題になっている。
他にも米ドラマ「フレンズ」で人気を博した女優ジェニファー・アニストンさんが扮したキャラクターの髪形に似ているとの声も出ている。
しかし『AFP』は過去の五輪エンブレムと比較すると今回出てきている論争はおとなしいものであるとも報じている。2020年東京五輪の当初エンブレムは盗作疑惑が浮上し、わずか数カ月で撤回となった。2016年リオ五輪のエンブレムでも盗作疑惑が浮上したがエンブレム制作者は偶然であると釈明した。
2012年ロンドン五輪の際は、二人の人がみだらな行為をしているようだという批判を受けた。イランからは、エンブレムがエルサレムを意味する「ZION(シオン)」を連想させ差別的であると、国際オリンピック委員会(IOC)に抗議した。
オリンピックロゴは、全ての人に気に入られるようなものを用意することは至難の業のようである。
閉じる