中国では11月11日の「独身の日」に、今年で12回目となるネット通販各社による恒例の大規模セールが行われた。最大手のアリババ集団は、取扱高が約7兆7000億円に上ったと発表した。今年の傾向としては、新型コロナウィルス感染症の影響で海外に出られない消費者達が海外製品を注文する動きが目立ったという。
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『ヤフーファイナンス』によると、中国ネット通販最大手のアリババと第2位の京東商城は、独身の日のショッピングセールで、最も売れ行きが良かったのは米国製品だったと発表した。商品量は約12兆円に達した。
アリババは昨年、最も売れた国として日本と米国だけをあげていたが、今年は米国以外にもオーストラリア、ドイツ、日本および韓国も含まれていると発表した。なお、ベストセラー商品となったのは、アップルのiPhone、ロレアルのランコムトニック、シャープの60型スマート液晶テレビだったという。...
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『ヤフーファイナンス』によると、中国ネット通販最大手のアリババと第2位の京東商城は、独身の日のショッピングセールで、最も売れ行きが良かったのは米国製品だったと発表した。商品量は約12兆円に達した。
アリババは昨年、最も売れた国として日本と米国だけをあげていたが、今年は米国以外にもオーストラリア、ドイツ、日本および韓国も含まれていると発表した。なお、ベストセラー商品となったのは、アップルのiPhone、ロレアルのランコムトニック、シャープの60型スマート液晶テレビだったという。
「独身の日」の大規模セールは、通常1日だけのイベントで、米国のブラックフライデーやサイバーマンデーをしのぐ世界最大のイベントである。今年は、11月1日から11日までの期間中に大規模セールを展開し、中国の新型コロナウィルス収束後の経済回復を示していると見られている。
『BBC』は、今年の「独身の日」のイベントの大きな特徴は、多くの高級ブランドが参加したことだと報じている。多くのブランドは、これまで評判を落とすことを恐れて、ディスカウントショッピングへの参加に消極的だった。しかし今年は、新型コロナウィルスのパンデミックで欧米市場での販売に苦戦している多くのブランドが、初めて参加した。
高級宝飾ブランドのカルティエは、淘宝網ライブで初のライブストリーミングショーを開催し、約80万人の視聴者に約30億円のネックレスを披露した。
デジタルコンサルタント会社Publicis Sapientのシニア・リテール・アナリストであるアンディ・ホリウェル氏は、「グローバルブランドは、収益を向上させるためのあらゆる代替手段を探している。中国のように急速に回復している市場は、これらのブランドにとって収益を向上させる良い機会となっている。」とコメントしている。
OC&C Strategy Consultantsのパスカル・マーティン氏は、「中国は、国際的ブランドにとって非常に重要な市場となっている。これまでネット通販プラットフォームへの参入に消極的だったいくつかのブランドも、参加するようになっている」、特に「高級ブランドは、大規模なディスカウントをしなくても、このビッグイベントに参加することで、より多くの消費者とブランドの資産価値を築くことができることに気付いた。」と分析している。
『Slate.fr』は、今、世界の市場が「独身の日」のイベントに目を向けており、参加したがっていると報じている。アリババは現在、ロシア人、ブラジル人、アメリカ人の独身も対象に、海外への輸出を視野に入れているという。
なお、近年の世界の人口動態統計を見ると、独身者の層が最も成長しているという。2014年には、史上初めてアメリカの人口で独身者が過半数を占めるようになり、過去最高の50.2%、1億2,460万人に達した。中国では2億人以上となっており、スウェーデンでは2人に1人以上が一人暮らしをしている。つまり、人類で初めて、夫婦や部族などではなく、一人暮らしが主流になってきているのであり、ネット通販はその購買力に関心を示している。
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