北朝鮮で石油価格高騰(2017/05/26)
国連安全保障理事会では、北朝鮮による度々の弾道ミサイル発射を受け、制裁強化が求められているが中国は難色を示し対話での解決を主張し続けている。そのような中、北朝鮮では燃料・ガソリン価格が現在(前月比で約4倍)高騰しているのだという。その要因としては、先月の中国による制裁への動きによる買い溜め、ガソリンを多く消費する軍事パレードや建設ラッシュ、トラクターの燃料を必要とする農耕期が挙げられている。このペースで高騰が続くと北朝鮮の経済に深刻な打撃となると見られている。
5月26日付
『ヤフーニューズ』(AP通信引用)は「北朝鮮の燃料・ガソリン価格高騰はキムジョンウンにとり悪いニュースか」との見出しで以下のように報道している。
「近頃北朝鮮のミサイル実験が世界の注目を集めているが、北朝鮮のガソリン価格高騰は留まる事を知らず、この状態が継続すれば北の経済に打撃となるだろう。
ガソリンが値上がりを始めた4月中旬には1.25~30ドルであったが、現在キロ当たり2.3ドル、ガロン当り6.44ドルまで値上がりているという。...
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5月26日付
『ヤフーニューズ』(AP通信引用)は「北朝鮮の燃料・ガソリン価格高騰はキムジョンウンにとり悪いニュースか」との見出しで以下のように報道している。
「近頃北朝鮮のミサイル実験が世界の注目を集めているが、北朝鮮のガソリン価格高騰は留まる事を知らず、この状態が継続すれば北の経済に打撃となるだろう。
ガソリンが値上がりを始めた4月中旬には1.25~30ドルであったが、現在キロ当たり2.3ドル、ガロン当り6.44ドルまで値上がりているという。これにより、北朝鮮のガソリン価格は世界一ということになる。
昨年4月はキロ当たりわずか80セントであった。
この価格高騰の要因は一概には判明しにくいという。
公的発表はないが、首都ピョンヤン市内では道路を走る車が減った様子もなく、タクシーも通常通り走っており料金も値上げはしていない。この圧政下で発展している国の物流や人の移動のためガソリンは重要だがガソリンを売れる量は決まっており同国では北朝鮮ではキロ単位で売られている。国内のガソリンスタンドは国営か軍営のチェーン店であるが、同時に不正規ルートでも売られ、道路脇の店や闇市でも買う事ができるのだという。そのため国全体での状況が把握しにくく、スタンドごとでも価格はばらつきがある。
ガソリン高騰の原因として考えられる説は次の通り。
1.先月中国が輸出を制限する動きあったこと。ガソリン不足になるとの予測から先物買いが起き、またミサイル実験に対する韓国の制裁により買い溜めが起きた。北の市民が次のミサイル実験情報をどれほど把握している不明だが、衛星画像により世界中が実験の可能性を予測できた。
2.政府により市場供給が減少した可能性。北朝鮮は燃料を優先的に、大規模建設計画や注目を集める政治的イベントに回す。また、燃料価格は農作業サイクルとも連動し、トラクターやポンプ稼動が最盛期の時ほど価格は高くなる。そのどれも今の時期にあたるのである。
現在、首都の高層マンション建設が終わり、先月には豪勢な軍事パレードを行った。更に今は春の植え付け期である。
3.政府が何らかの「危機」に備えているという可能性。
しかし中国が物資供給を完全に止めるという決定証拠もなく、軽油やかつて町の明かりに使われていた灯油価格の高騰はまだ確認されていない。
ソビエト連邦は1950~70年代に原油を北に供給していた。1970年代初頭からは中国がほぼすべての原油を、月5万トン、横断パイプラインを通して供給している。」
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OPECなど産油国、減産延長へ前進(2017/04/21)
サウジアラビアのファリハ石油相は4月20日、今年の1月から開始したOPEC並びに主要非OPEC産油国による協調減産の延長合意で前進していると語った。原油価格は減産発効後ニューヨークのWTI(ウェスタン・テキサス・インターミディエート)で見て概ね1バレル50ドル以上を維持して来ているが、在庫は引き続き高水準であり、価格安定化のためには減産延長が必要だとの考えに対し、多くの産油国の間で合意が形成されて来ている。
4月20日付
『ヤフーニューズ』(AP通信引用)は、「サウジ石油相、減産延長必要と語る」という見出しで、サウジアラビアの石油相が木曜日石油価格維持のためにOPEC及び非OPEC産油国で合意した減産の継続が必要のようだと語ったと伝えた。サウジアラビアは世界最大級の産油国であり、ファリハ石油相の発言は極めて重みを持つが、米国のシェールオイルの生産増で石油価格の50ドル割れの恐れが出ている中での発言であった。...
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4月20日付
『ヤフーニューズ』(AP通信引用)は、「サウジ石油相、減産延長必要と語る」という見出しで、サウジアラビアの石油相が木曜日石油価格維持のためにOPEC及び非OPEC産油国で合意した減産の継続が必要のようだと語ったと伝えた。サウジアラビアは世界最大級の産油国であり、ファリハ石油相の発言は極めて重みを持つが、米国のシェールオイルの生産増で石油価格の50ドル割れの恐れが出ている中での発言であった。発言はアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビでの石油関係会議の講演でなされたが、ファリハ石油相は「減産延長合意は飽くまで初期段階でありすべての減産参加国の意向が確認されたわけではない」と語った。OPECは昨年11月、2008年以来となる6ヶ月間の日量120万バレルの減産に合意し、12月にはロシアを含む非OPECの十数ヶ国が更に日量558,000バレルの減産に合意した。しかし、米トランプ大統領は米国産油の増産を謳い、世界景気が低迷していること、イランが経済制裁解除後増産を目指していることなど今後の原油価格安定には不安定要素もあると報じている。
4月20日付
『ブルームバーグビジネス』は、「OPEC減産後、在庫水準は意外にも増加」という見出しで、来月OPECとロシアが原油減産の効果を確かめるために会議を開催するが、そこでは在庫水準が減産開始時期よりも増加していることに驚くであろうと報じた。在庫水準は現在低下傾向にはあるが、国際エネルギー機関(IEA)のOECD諸国の在庫データによれば、先進国の石油消費は減産が発効する直前のOPEC増産により急増した在庫水準を元に戻すほど進んでいない。OPEC及び非OPECのロシア他10ヶ国間で合意した減産は、過去5年の平均レベルより3百万バレルほど多い過剰在庫を削減して価格を引き上げようとしたものであったが、在庫に関しては目標を達成していない。ブルームバーグの試算では、6月には昨年12月の在庫水準とほぼトントンのレベルになるが、過去5年の平均水準よりは未だ2百万バレルほど高いレベルにある。これは飽くまでも試算であり実際の在庫はもっと減っているかもしれないし、OECD諸国以外の大消費国である中国、インドの在庫水準は発表されていないので、状況は変わるかも知れない。OPECが減産を延長すれば、在庫の削減は更に進むかも知れないとアナリストは語っていると報じている。
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