5月29日付米
『ザ・デイリィ・コーラー(ワシントン特別区在政治紙)』オンラインニュースの報道記事「世論調査で、ほとんどのエコノミストがEU離脱は悪影響と評価」:
「・英国の
『ジ・オブザーバー(ザ・ガーディアン紙の日曜版)』紙に掲載された、イプソス・モーリ世論調査会社の直近の調査によると、600人余りのエコノミストの約90%が、英国のEU離脱で将来の経済成長に悪影響を与えると評価していることが判明。
・英国は、EU離脱の是非を問う国民投票を、1975年以来初めて実施(注1後記)。
・世論調査で辛うじて上回っているEU残留派は、EU離脱による景気後退を警告し、一方EU離脱派は、欧州からの移民の大量流入で国を危うくしていると反論。」
同日付英
『ポリティクス・ホーム』通信の報道記事「(EU離脱派)マイケル・ゴーヴとボリス・ジョンソン、(EU残留派)デイビッド・キャメロンへの攻撃激化」:
「・EU離脱派の双頭であるマイケル・ゴーヴ大法官(法務大臣)とボリス・ジョンソン元ロンドン市長は5月29日、連名の公開質問状をEU残留派のデイビッド・キャメロン首相宛に提出。
・同書簡で両氏は、このままEUに残留することで、EUからの大量移民で英国医療保健等が破綻する恐れがあるとの危機を強調。
・更に、英国はEU側に、EUからの移民受け入れは就業条件付きとすることを要求しているのに、EUはこれを無視しているとも主張。
・なお、2015年のEUからの移民は33万3千人と史上2番目。」
同日付英
『デイリィ・エクスプレス』紙の報道記事「キャメロンは上流階級のため、移民流入による危機把握は不可能」:
「・昨年5月の第2次キャメロン内閣で、労働・年金閣外大臣に就任した保守党のプリティ・パテル下院議員は、キャメロン首相とジョージ・オズボーン財務相は上流階級のため、大量移民流入で如何に英国民の雇用、医療保険、教育などが被害を被っているか理解できないと批判。
・パテル大臣は、キャメロン内閣(注2後記)において、EU離脱を主張する6大臣のうちのひとり。」
同日付ロシア
『スプートニク』国際オンラインニュースの報道記事「世論調査:英国のエ
コノミストの大多数がEU離脱によるGDPへの悪影響を懸念」:
「・直近の世論調査で、639人のエコノミストのうち562人(88%)が、EU離脱によって5年後には国内総生産(GDP)に深刻な影響を与える恐れがあると評価。
・更に、460人(72%)は、10年~20年以降も影響は続くとし、GDPに好影響と回答したのは僅か70人(11%)。」
各種世論調査では、EU残留派がリードしている模様だが、昨年5月の総選挙直前の世論調査で、断然有利とされた与党・保守党が僅差の勝利となったことがあるため、予断を許さない。
国民投票に参加するためには、6月7日までに有権者登録を行う必要があるが、残留支持派が多いとされる若い世代が、有権者登録をした上で然るべく投票をするかどうかに依るところが大きいと言われる。日本の総選挙において、浮動票と呼ばれる支持政党がない有権者の投票率に左右されるところと似ていると思われる。
(注1)1975年の国民投票:英国は1973年1月に、ヒース保守党内閣の下で欧州共同体(EC)に加盟したが、その条件として、加盟条件の再交渉を行ったうえで、それが成功した暁には総選挙もしくは諮問的国民投票で国民の審判をあおぐことを公約。これに基づき、当時のウィルソン政府が1975年6月に国民投票を実施。結果は、投票率64.5%、残留67.2%、脱退32.8%で、2対1以上の大差で英国民はEC残留を選択。
(注2)キャメロン内閣:現在は2015年5月発足の第2次内閣で、総勢30人の閣僚(うち、閣議に常時出席するのが23人で、あとは閣外大臣)。
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