フランス貧困問題、人口の10%が食糧援助を利用(2021/11/22)
フランスのNPO団体スクール・カトリック(Secours Catholique)が18日に、フランスの貧困に関する年次報告書を発表した。支援を受けた家庭の4分の1以上が何も食べられない日もあると報告している。
仏
『ウエストフランス』は、貧困問題に取り組むNPO団体スクール・カトリックが発表した年次報告書は、フランスの貧困の現状を見せてくれていると伝えている。今回の調査では、2020年の77万7千人(大人40万9500人、子ども36万7500人)の状況の実態に注目した。これをもとに、代表的な3万8800世帯のサンプリングを抽出した。
報告書は、貧困の第一の特徴は、労働者とその子供たちであり、家庭が困窮していると報告している。...
全部読む
仏
『ウエストフランス』は、貧困問題に取り組むNPO団体スクール・カトリックが発表した年次報告書は、フランスの貧困の現状を見せてくれていると伝えている。今回の調査では、2020年の77万7千人(大人40万9500人、子ども36万7500人)の状況の実態に注目した。これをもとに、代表的な3万8800世帯のサンプリングを抽出した。
報告書は、貧困の第一の特徴は、労働者とその子供たちであり、家庭が困窮していると報告している。なお、一般人口ではひとり親家庭が「9%」を占めているのに対し、貧困家庭では「29%」を占めていると指摘している。第二に援助を必要とする人の年齢が若くなっている点を報告している。28%が35歳から45歳、「子どもを含めると4人に3人が45歳以下」だという。また、援助を必要とする人の約半数が外国人であり、その多くが「不安定な法的地位」をあるという。
フランスのラジオ局『フランス・ブルー』によると、年次報告書は、2020年にはフランスの人口の10%に相当する500万人から700万人が食料援助の恩恵を受けたと明らかにしている。スクール・カトリックの代表であるヴェロニーク・ドゥヴィーズはAFPに対し、「私たちの国は人口の約10%の人々に屈辱を与えている」と語っている。
同団体が支援した人々の生活水準の中央値は、昨年よりも6ユーロ(約770円)低い537ユーロ(約6万9千円)で、2018年に設定された貧困ラインである1063ユーロ(約14万円)を下回っている。支援を受けている家庭では、「話を聞いてほしい」という要望の次に、「食料の援助」を求める声が多いという。スクール・カトリックは、最も恵まれない受給者の食糧危機に対処するため、国の支援を受けて500万ユーロ(約6億4千万円)を配布し、2020年には最大50ユーロ(約6400円)相当のサービス券を発行した。 これにより、6万7千世帯が必要な食品や衛生用品を購入できるようになった。
仏『レゼコー』紙によると、報告書は、2020年に食糧援助の需要は増加傾向にあり、「サービス券を発行した世帯の27%が深刻な食糧不安に陥っている。日中に食事を摂らないことが常態化している」とまとめている。22%は経済的余裕がないとしている。この数字は2019年と比較して安定しているが、10年前に観測された割合よりも8ポイント高くなっている。また、昨年スクール・カトリックが受け入れた世帯の3分の1は、安定した住居を得られていないという。
スクール・カトリックの6万1300人のボランティアは、2019年の139万人に対し、2020年は77万7千人近くを支援した。これは、2020年の2回のロックダウンの影響で、支援の提供が制限されたことによる。
閉じる
南フランス、町の中心部で行われたデモがレイブパーティーに変身(2021/02/01)
南フランスの町ペルピニャンで30日土曜日、事前に申請されていたデモが行われた。しかし、その集まりはいつの間にか大音量の音楽が流れる野外レイブパーティーへと変わってしまった。
フランスのラジオネットワーク
『フランス・ブルー』によると、約12万人が住むペルピニャンの町で30日、フランスの南にあるペルピニャン市(ピレネー=オリアンタル県)の中心街で、日中に200人近くが集まったレイブパーティーが行われた。多くの人はマスクをしていなかったという。
このデモは当初、新型コロナウイルス対策のために取られた規制は自由を殺すものであると訴えるため、また芸術活動への支持を表明するためのデモとして県から開催許可を得ていた。...
全部読む
フランスのラジオネットワーク
『フランス・ブルー』によると、約12万人が住むペルピニャンの町で30日、フランスの南にあるペルピニャン市(ピレネー=オリアンタル県)の中心街で、日中に200人近くが集まったレイブパーティーが行われた。多くの人はマスクをしていなかったという。
このデモは当初、新型コロナウイルス対策のために取られた規制は自由を殺すものであると訴えるため、また芸術活動への支持を表明するためのデモとして県から開催許可を得ていた。当日、デモは街中を最初行進したものの、その後、カスティエ門に到着すると、音響システムを設置し、野外ディスコと化した。
南フランスの地方紙『ランデパンダント』によると、午後3時に始まったデモ行進は、トラックの中に隠れた2人のDJが流す曲にあわせて、参加者が踊りながら街中を歩いたという。午後4時にカスティエ門に到着すると、通行人たちの驚きをよそに、許可されていた時間の午後5時半まで「野外ディスコ・デモ」を開催した。
デモには、10代、40代、ガターパンク、そして時には黄色いベストの人達など様々な人々が参加していた。周囲の人々は事態の行方を心配していたが、予想に反して午後5時15分には音楽が落ち着き始め、午後5時30分には予定通り音楽が完全に止まった。終了と同時にほとんどの参加者は夜間外出禁止が始まる午後6時までに家に戻れるよう足早に会場を後にしたという。
イベントの発起人であるセバスチャンは、「このイベントは、大晦日のレイブパーティーの主催者を応援するための私たちなりのやり方だ」と述べている。大晦日のパーティーというのは、12月31日から1月2日にかけて、フランス北西部にあるリューロンの町で開催された違法なレイブパーティーのことを指している。2500人が参加したこのパーティーで、主催者の一人と疑われた22歳の男性が起訴され、公判前に拘留された。1月22日に保釈されている。
ステファンは、「パーティーをしたいという理由で人々を投獄することはあってはならない。主催者に対する裁判が取り下げられるまで、私たちは毎週土曜日にデモを続ける。また、レストラン経営者、バーテンダー、労働者、協会、そして夢と笑顔を与えてくれるすべての人たちへの応援を宣言する。考える人を止めるものは何もない、踊る人を止めるものは何もない」と語っている。
ルイ・アリオット市長はフェイスブック上で遺憾の意を表明した。市長は「デモを行う自由はあるものの、何でもできる権利というのは別である」と述べている。「次回は安全性の保証、感染対策の尊重、監視の追加を申請しなければならないだろう」と付け加えている。
閉じる
その他の最新記事