ドイツ総選挙、浮動票取り込みを狙って与・野党党首が躍起【米・英国メディア】(2017/08/26)
8月6日付
Globali「メルケル首相、連邦議会総選挙前に州議会選挙で追い風続く」の中で触れたとおり、9月24日の総選挙を控えて、アンゲラ・メルケル首相(63歳)率いるドイツキリスト教民主党(CDU)が3つの州議会で連勝し、勢いをつけている。しかし、世論調査では、浮動票が半分近くを占めるため、目下のところ支持率が劣勢となっている、野党のドイツ社会民主党(SPD)代表のマルティン・シュルツ党首は、欧州議会議長だった職歴を活かして、欧州連合(EU)におけるメルケル首相の失政をあげつらうことで追い落としを図っている。一方、メルケル首相は、庶民派と言われるシュルツ氏を意識してか、自家製ポテトスープのレシピを公開したり、目立つことが嫌いな夫のヨアヒム・ザウアー大学教授(68歳、フンボルト大学ベルリン校で量子化学専攻)を引っ張り出したりと、懸命である。
8月26日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース:「シュルツ党首、メルケル首相はEUを“不安定に”したと批判」
SPDのマルティン・シュルツ党首は8月25日、フランクフルトに4千人余りの支持者を集め、アンゲラ・メルケル首相はEUでの信頼を失い、また、EU加盟国を不安に陥れていると批判した。
同氏は、メルケル首相及びウォルフガング・ショイブレ財務相の緊縮財政を強いる政策によって、EU加盟国の連携やユーロ通貨の統合を危うくしているとした。...
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8月26日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース:「シュルツ党首、メルケル首相はEUを“不安定に”したと批判」
SPDのマルティン・シュルツ党首は8月25日、フランクフルトに4千人余りの支持者を集め、アンゲラ・メルケル首相はEUでの信頼を失い、また、EU加盟国を不安に陥れていると批判した。
同氏は、メルケル首相及びウォルフガング・ショイブレ財務相の緊縮財政を強いる政策によって、EU加盟国の連携やユーロ通貨の統合を危うくしているとした。支持率でメルケル首相率いるCDUに差を付けられていることから、SPD党首として巻き返しを図ろうとしている。
なお、8月25日にリリースされた直近のFGワーレン世論調査の結果、CDUの支持率が39%であるのに対して、SPDは4月時の32%から22%まで後退している。新興右派政党ドイツのための選択肢(AfD)は9%、また、SPDと共闘しているGreenは8%となっている。
8月24日付英
『ザ・テレグラフ』紙:「アンゲラ・メルケル首相、浮動票が半数との世論調査結果を受けて、支持獲得のため自家製ポテトスープのレシピを公開」
メルケル首相は、9月24日に行われる連邦議会選挙で勝利し、4期目を目指している。しかし、直近のフランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(フランクフルト総合新聞)紙世論調査の結果、依然CDUはSPDに勝っているものの、支持政党なしの浮動票が46%もいるという。
そこで、同首相は、国民食であるポテトスープの自家製レシピを公開したり、目立つことが嫌いな夫のヨアヒム・ザウアー量子化学教授との仲睦まじさをアピールし、浮動票取り込みに躍起となっている。
なお、各党の支持率は、CDU 39.5%、SPD 24%、自由民主党(FDP)10%である。また、反移民政策を標榜していることで、メルケル首相がその台頭を恐れるAfDは7%と、以前の勢いを落としている。
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ドイツメディアが見る「イスラム国」支持者とクルド人との衝突(2014/10/10)
トルコと国境を接する、シリア北部のクルド人地域の町コバニの奪取を狙う過激派組織「イスラム国」と、クルド人勢力との激しい市街戦が続く中、北ドイツにあるハンブルクや、東ドイツにあるシェレなどの都市でのクルド人のデモで、「イスラム国」支持者とクルド人との衝突が相次ぎ、ドイツ各地でも暴動が激化するおそれがある。
『ディー・ツァイト』(ドイツ)は「ドイツ連邦刑事局=今後もドイツで“イスラム国”支持者とクルド人との間で、新たな暴動が発生するおそれがある」。
『フランクフルター・アルゲマイネ』(ドイツ)は「メルケル首相、トルコの“事なかれ主義”の態度を批判した」。
『南ドイツ新聞』(ドイツ)は「ハンブルクのクルド人デモ、“イスラム国”支持者とクルド人の間で刃物沙汰になった」、「ハンブルクで改めて暴動が発生した」。
『デア・シュピーゲル』(ドイツ)は「ハンブルク暴動の目撃者、“まるで戦闘現場にいるかのようだった”」と報じ、ドイツでの「イスラム国」支持者とクルド人衝突を取り上げた。...
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『ディー・ツァイト』(ドイツ)は「ドイツ連邦刑事局=今後もドイツで“イスラム国”支持者とクルド人との間で、新たな暴動が発生するおそれがある」。
『フランクフルター・アルゲマイネ』(ドイツ)は「メルケル首相、トルコの“事なかれ主義”の態度を批判した」。
『南ドイツ新聞』(ドイツ)は「ハンブルクのクルド人デモ、“イスラム国”支持者とクルド人の間で刃物沙汰になった」、「ハンブルクで改めて暴動が発生した」。
『デア・シュピーゲル』(ドイツ)は「ハンブルク暴動の目撃者、“まるで戦闘現場にいるかのようだった”」と報じ、ドイツでの「イスラム国」支持者とクルド人衝突を取り上げた。
ディー・ツァイト(ドイツ)は、「ハンブルクやシェレなどで、駅のホームが一時的に占拠されるほか、“イスラム国”支持者とクルド人との間で、街頭暴動が相次いだことを受けて、ドイツ連邦刑事局は“暴動・紛争が激化する恐れがある”と注意を呼びかけた」と報じた。
フランクフルター・アルゲマイネ(ドイツ)は、「イスラム国への対応策をためらうトルコ政府に対して、ドイツのメルケル首相は“NATOの加盟国なら、何を優先すべきかという判断力を期待できるはずなのに”と批判した」と報じた。
南ドイツ新聞(ドイツ)は、「改めてハンブルクで暴動が起きたことを受けて、ドイツ警察労働組合の代表者は、“ハンブルクとシェレでも警察に対して刃物を使った暴力的な攻撃があって、シリアやイラクの紛争はドイツに移りつつあるようで、ドイツも代理戦争の舞台になるおそれがある”と懸念を示した。 」と伝えた。
デア・シュピーゲル(ドイツ)は、「ここ数日、クルド関連組織がヨーロッパの各国で、デモを行うよう呼びかけた模様だ。オランダの国会をはじめに、クルド人の運動家等は、一時的にブリュッセル欧州議会に立ち入った。なお、パリやウィーンの議会の周辺でもデモが行われた」と報じた。
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