12月29日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース(1981年設立)は、「マルコス新大統領、訪中時に領有権問題を協議意向」と題して、1月初めに初訪中するマルコス新大統領は、就任以来、領有権問題で譲歩しない姿勢を出していたが、真の狙いは中国からの巨額の援助の獲得とみられていると報じた。
フィリピンのフェルディナンド・マルコスJr.大統領は、来週訪中して習近平国家主席と会談する際、南シナ海領有権問題を話題にする意向である。...
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12月29日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース(1981年設立)は、「マルコス新大統領、訪中時に領有権問題を協議意向」と題して、1月初めに初訪中するマルコス新大統領は、就任以来、領有権問題で譲歩しない姿勢を出していたが、真の狙いは中国からの巨額の援助の獲得とみられていると報じた。
フィリピンのフェルディナンド・マルコスJr.大統領は、来週訪中して習近平国家主席と会談する際、南シナ海領有権問題を話題にする意向である。
外務省のナサニエル・インペリアル次官は12月29日の記者会見で、新大統領が1月3~5日に訪中した際、様々な分野での協定に加えて、領有権問題で“判断違いや誤解を生じさせないよう”中比外務省間の直通電話の設定についても合意することが期待されている、と表明した。
同次官は、“大統領は会談で、南シナ海問題含めて両国関係に重要とされる問題について協議する意向だ”とした上で、“領有権問題は重要であるが、対中関係ではそれが全てではなく、農業・貿易・再生可能エネルギー関係についても合意できるものと思う”と言及した。
同大統領の訪中は、9月に訪米してジョー・バイデン大統領(80歳、2021年就任)と会談して以来3ヵ月余りも経ってからのことであり、また、領有権問題で新たな火種が起きたばかりの時期と重なる。
実は先週、フィリピン国防省は、『ブルームバーグ』が中国による無人島の新たな人工物構築について報じたことを受けて、南シナ海における同国軍の監視等の強化を決定している。
同省はまた今月初め、中国船団が無許可で南シナ海の(フィリピンが領有権を主張する)イロクワ礁及びサビーナ砂州海域に侵入して漁をしていたことについて“非常に遺憾な事態”だと声高に非難していた。
ただ、インペリアル次官は、“大統領の訪中を契機に、観光や橋梁建設分野での合意に加えて、15億人民元(2億1,500万ドル、約286億円)の支援が受けられることが期待される”とも付言している。
同日付フィリピン『フィリピン通信(PNA)』(1973年設立の国営通信)は、「マルコス大統領訪中で、10~15分野での合意形成期待」と詳報している。
インペリアル外務省次官兼アジア太平洋局長は12月29日の記者会見で、マルコスJr.大統領の1月3~5日間の訪中で、10~14件の協定が締結される予定だと表明した。
同次官によると、中比間の広範囲にわたる共同案件として、貿易・投資・農業・再生可能エネルギー・インフラ建設・共同開発・人的交流、更には海洋安全保障協力がカバーされるという。
同次官は、“中国資本からはフィリピン産業界への強い関心が覗え、特に農業・再生可能エネルギー及びニッケル精製事業への投資意欲がみられる”と言及した。
中国は目下、フィリピンから輸出されるニッケル鉱石・精鉱の70%を輸入している。
同次官はまた、ドリアン輸出契約も締結される見込みだとも付言した。
更に、(フィリピン主権海域としての呼称の)西フィリピン海において無用な問題が発生しないよう両外務省間の直接回線の設定の他、橋梁建設・観光業、また、中国主導の「一帯一路経済圏構想」への参画について新たな合意形成が期待される、とも語った。
その上で、同次官は、かかる背景もあって、中国側から15億人民元の支援金も期待されている、と結んだ。
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