フィリピン大統領、脱中・親日米路線への転換を国際社会にアピールする一環で4月に日米比首脳会談開催意向【フィリピンメディア】(2024/03/19)
既報どおり、フェルディナンド・マルコスJr.大統領(66歳、2022年就任)は、益々脱中・親日米路線への転換を鮮明にしてきていて、南シナ海における中国との領有権問題でも一歩も引き下がろうとしていない。そうした中、岸田文雄首相(66歳、2021年就任)が4月に訪米する機会に合わせて、自らも訪米した上で日米比3ヵ国首脳会談を開催する意向を示している。
3月18日付
『フィリピン・デイリィ・インクワイアラー』(1985年創刊の英字紙)は、フィリピン大統領の意向を受けた外務省高官が、日米高官と交渉を進めて4月にワシントンDCで日米比3ヵ国首脳会談開催に漕ぎ着けようとしていると報じた。
フェルディナンド・マルコスJr.大統領は先週、訪問先のドイツにおいて、“日米両国との協力体制の強化を切望”していると表明した。
同大統領は、“日米比3ヵ国がより広範囲での協力体制が築かれることを望んで、目下3ヵ国首脳会談の開催に向けて関係先と話を詰めさせている”とし、“具体的準備が整えられたとの報告を心待ちにしているところだ”と記者団に語った。...
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3月18日付
『フィリピン・デイリィ・インクワイアラー』(1985年創刊の英字紙)は、フィリピン大統領の意向を受けた外務省高官が、日米高官と交渉を進めて4月にワシントンDCで日米比3ヵ国首脳会談開催に漕ぎ着けようとしていると報じた。
フェルディナンド・マルコスJr.大統領は先週、訪問先のドイツにおいて、“日米両国との協力体制の強化を切望”していると表明した。
同大統領は、“日米比3ヵ国がより広範囲での協力体制が築かれることを望んで、目下3ヵ国首脳会談の開催に向けて関係先と話を詰めさせている”とし、“具体的準備が整えられたとの報告を心待ちにしているところだ”と記者団に語った。
同大統領は2022年に就任以来、前大統領の親中政策を転換して、従来の親米政策に舵を切り直しており、2023年には「防衛協力強化協定(2014年締結)」を通じて、米軍によるフィリピン軍事基地へのアクセス拡大を認めている。
この一環で両国は来月、フィリピンで過去最大規模の軍事演習を行う予定である。
一方、同じ米同盟国である日本との関係においては、フィリピンが南シナ海の西フィリピン海(南沙諸島、南部パラワン島西方沖)の島嶼の領有権に関わり中国と対峙しているのと同様、日本も東シナ海尖閣諸島への中国船舶の度重なる侵入に悩まされていることから、共通の認識を有している。
そこで、日本との間においても、将来に大規模な合同軍事演習を行ったり、お互いの基地へのアクセス拡大が可能となるよう、相互アクセス協定を締結すべく交渉が続けられている。
かかる背景より、4月中旬に岸田文雄首相の訪米を受けて日米首脳会談が開かれる予定であることもあって、マルコスJr.大統領も同時期に訪米して、3ヵ国首脳会談開催に漕ぎ着けるべく外務省が相手方と交渉中である旨、事情通の政府関係者が『フィリピン・デイリィ・インクワイアラー』に語っている。
同事情通によると、3ヵ国首脳会談が開催された暁には、経済及び安全保障関係強化が主議題になるという。
なお、マルコスJr.大統領は昨年訪米していて、その際にジョー・バイデン大統領(81歳、2021年就任)と首脳会談を持ち、防衛協力の強化等同盟関係を更に拡大していく方針で合意している。
また、昨年11月に訪比した岸田首相とも2ヵ国首脳会談を持っている。
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フィリピン;マルコスJr.新大統領の下で対中政策見直しか、国防省も元老院(上院)も南シナ海領有権問題で強硬姿勢【米・フィリピンメディア】(2022/12/20)
ロドリゴ・ドュテルテ政権下では、親中路線を標榜していたこともあって、南シナ海の領有権問題では中国と際立った対立を見せるのではなく、むしろ経済支援を引き出す対応に終始した。しかし、ボンボン・マルコス新大統領(65歳、2022年就任)は対中政策を見直す意向か、この程、度重なる中国船のフィリピン主権主張海域への無断侵入に対して、国防省のみならず元老院(上院)まで公に厳しく非難する姿勢をみせている。
12月18日付フィリピン
『ザ・フィリピン・タイムズ』オンラインニュースは、「フィリピン高官、中国船の度重なる主権海域無断侵入を糾弾」と題して、国防省幹部が、新大統領の指示だと断ったうえで、フィリピンは南シナ海における主権海域を1ミリも譲る意向はないとはっきりと表明したと報じている。
ホセ・ファウスティーノ国防次官(57歳、2022年就任)は12月18日、十数席の中国船が南シナ海のフィリピン主権海域に無断侵入した件に関し、“全く受け入れられない”し、明らかにフィリピン主権を脅かすものだと非難する声明を発表した。...
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12月18日付フィリピン
『ザ・フィリピン・タイムズ』オンラインニュースは、「フィリピン高官、中国船の度重なる主権海域無断侵入を糾弾」と題して、国防省幹部が、新大統領の指示だと断ったうえで、フィリピンは南シナ海における主権海域を1ミリも譲る意向はないとはっきりと表明したと報じている。
ホセ・ファウスティーノ国防次官(57歳、2022年就任)は12月18日、十数席の中国船が南シナ海のフィリピン主権海域に無断侵入した件に関し、“全く受け入れられない”し、明らかにフィリピン主権を脅かすものだと非難する声明を発表した。
その上で同次官は、“新大統領の国防省への指示に基づき、フィリピンは南シナ海における主権海域を1ミリたりとも譲る意向はない”と強調した。
更に、“(フィリピン主権海域として呼称の)西フィリピン海のイロクワ礁及びサビーナ砂州周辺に、中国船団が勝手に侵入して漁をしていることを看過できない”とも言及した。
『フィリピン・デイリィ・インクワイアラー』紙が先週報じたとおり、同次官は、民兵が乗り込んだ漁船が今年初めから同海域で漁を続けていることを確認している、とも付言している。
12月19日付米『EINプレスワイア』は、「ルガルダ臨時議長、フィリピンは領有権を頑なに守るべきと強調」と題するフィリピン元老院名のプレスリリースを掲載している。
ローレン・ルガルダ元老院臨時議長(62歳、2022年就任)は12月14日、南シナ海のフィリピン排他的経済水域(EEZ)への中国船による度重なる侵入を非難した上で、フィリピン主権を頑なに守るべきだと議会で表明した。
同臨時議長は、中国船の無断侵入を断固阻止するのみならず、同海域における生物多様性を擁護する必要があるとも訴えた。
同臨時議長の表明の後、元老院は、今年11月に同海域での警戒に赴いたフィリピン海軍に対して、侵入していた中国船が“脅した”ことについて厳重に抗議するとの決議を採択した。
中国海警艇(CCG)が11月、南シナ海のパグアサ島(編注;1971年からフィリピンが実効支配)近海に突然侵入してきて、同海域に落下してきた中国のスペースデブリ(編注;打ち上げロケットから分離された物体等有益な目的に使用できない、地球軌道を周回する人工物)を強制的に回収していった。
フィリピン側が当該デブリの落下を察知し、現地に赴いて回収作業をしていたところ、CCGが曳航索を故意に切断して力ずくでデブリを奪っていったものである。
なお、本決議は、1982年国連採択の「国連海洋法条約(UNCLOS、注後記)」に基づくのみならず、2016年に常設仲裁裁判所(1899年設立)が、中国の領有権主張は根拠がないとした歴史的な判断をも踏まえたものである。
(注)UNCLOS:海洋法に関する包括的・一般的な秩序の確立を目指して1982年4月の第3次国連海洋法会議にて採択され、同年12月に署名開放、1994年11月に発効した条約。国際海洋法において、最も普遍的・包括的な基本条約であるため、別名「海の憲法」とも呼ばれる。
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